居心地のいい時間と空間 | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
ほなお暇なお方はどうぞお入りやす。
某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。



新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景-dan cray TRIO LIVE
 私は根っからの蕎麦好きで、【buckwheat noodles】と名した手帳を鞄に忍ばせ日夜蕎麦屋めぐりを目論んでいます。とは言ってもなかなか蕎麦屋の新規開拓も時間とお金のかかる始末で、嗚呼ここ行きたいな、嗚呼あれ食べたいなとノートを眺めるのがやっとのこと。蕎麦の魅力とは、お昼にサラサラっと気軽に食べられることで、もちろん“せいろ”一枚なら千円も出せばお釣りの出ることが条件です。いくら旨くてもお高いのは旨く感じられませんし、蕎麦道楽も長く続きません。そしてお蕎麦は何といっても香り、穀物が放つあの香ばしい香りです。またそれに相性がいいのがお酒。また蕎麦屋の楽しみの一つにお酒と一緒にいただく酒肴にもあり。かならず〆に蕎麦は食べますが、それに辿り着くまでの長い道のりが至福の時間であり、居心地の良さは何にも代え難い時間と空間なのです。

 余談が過ぎてしまいましたが、そんなお蕎麦ににも似たミュージシャンがダン・クレイなのです。メイン・ディッシュはこれといって無いものの、居心地の良さは五つ星級。何も心配せず安心して身をゆだねることの出来るピアニストです。この新作『Over Here Over Head~Dan Cray Trio Live』は彼の4枚目となる作品で、初のライブ盤です。ちなみに演奏が終わってからの拍手がなければライブとは気づかないくらい丁寧なプレイに関心しきり。オーソドックスな演奏でありながら引き込まれるそのサウンドは、言葉として表現できないことを自らの音として教えてくれます。

 ハロルド・アーレン作「That Old Black Magic」のイントロのドラムに何か懐かしさを感じ、その他愛も無いことにすっかり魅了されてしまいます。この曲すべて聴き終える間中、ずっとあのイントロが頭から離れることが出来ませんでした。きっとダン・クレイもそのイントロを一所懸命に考えてやってくれたのだと信じています。って言いますか、そうであってほしいと願う7分間です。その最後の1分間、すばらしい三位一体渾身のリフにもかなり参りましたが。

 そうこうしてるうちに最終曲「Moon River」が静かに始ります。お馴染みヘンリー・マンシーニがこの世に残した一番の有名曲。ジャズマンに最も愛され演奏されてきたナンバーで、私自身が彼の作品の中で一等一番に愛した曲でもあります。誰が演奏してもハズレることがないのは、「Moon River」という原曲の持つ良さがそうさせているのだと思うのですが。ここでは三拍子のワルツ風に奏でており、ボッサ風であろうが8ビート然り、あらゆるアレンジを交差させても聴く者、演奏者すべてを居心地の良い空間が支配しているのが「Moon River」なのです。

-NO.517-


【東寺】

 この五重塔は木造の塔として55メートルで、日本一の高さを誇ります。新幹線からも見ることが出来る京都の玄関の顔。やはり桜咲く春の風情と青い空がよう似合いますね。