女の力は凄い!? と言わしめたというより再認識させられたのがこの『ワルツ・フォー・デビー~モニカ・セッテルンド・ウィズ・ビル・エヴァンス』だ。いつものインテリジェンスなエヴァンスと違って心優しき青年ビルに大変身した一瞬がここにある。長らく愛聴してきたこの盤はモニカあっての一枚だったのだが、つい最近この中のエヴァンスに目覚めたというか恋に落ちてしまった僕なのである。およそジャズを聴いていると男が男に惚れるってなことはちょくちょくあることで、このモニカを目の前にして男を好きになるだなんて・・・。
モニカ・セッテルンドはスウェーデンの元祖歌姫とでもいっておこうか。ジャズにとらわれずオールマイティーな歌手ゆえに純粋なジャズ作品は少ない。その中でもエヴァンスが参加したことによって数段格が上がったといえるのがこのアルバムだ。モニカは見ての通り美人がゆえ、聴いての通りにすくなからずその声質にギャップが生じる。わりと図太く逞しいのに対しエヴァンスは女性っぽくアンニュイな姿をちらつかせる。
2曲目「Jag vet en dejiig rosa」は母国語で歌っているのか自信に満ちたモニカが窺える。ふとスールヴァイグ・シュレッタイェルがちらつく。一方1分25秒辺りでエヴァンス節が炸裂する。ぞくぞくと身震いするのををこらえるのが快感となって10秒前、いやジャケを手にしたときから興奮しているのが恥ずかしいくらい分かる。つづく3曲目の「Once Upon A Summertime」はヴォーカル物としては最高に位置すると断言しよう。それを確実なものとしたのがやはりエヴァンスのピアノに他ならない。気負いも何もない。エヴァンス自身が主役と化し、モニカの発するどこか神秘的な声をサウンドのひとつとして捉えているのだろう。
モニカご推薦の7曲目の「Vindarma sucka uti skogarna」や10曲目の「Om natten」はスウェーデンのトラディショナル・ナンバーを取り上げ辛うじて面目を保っている。とにもかくにも歌伴の少ないエヴァンスにとっては貴重な一枚であり、特にこの作品では間奏部でのソロ・パートまでどうにもこうにも待ちきれないといった感じで一気に弾ききるといった具合だ。 一般的にはエヴァンスをメインに聴いているのだろうか。僕はようやくモニカのもとを離れエヴァンスのもとへと歩み始めたばかりだ。ハート・ウォームなエヴァンスをお聴きあれ。
-NO.507-
【名古屋グリーン倶楽部】
何の変哲もないゴルフ練習場。名古屋のほぼ中心部に位置する場所にあり、市内数少ない練習場だ。もちろん一球の単価もスバ抜けてお高い。とは云ってもガソリン代を考えれば市外まで繰り出すことはない。僕がいつも行く練習場というただそれだけ。