平生お酒はというとビールか焼酎が主で、日本酒特にウヰスキーなんぞは若き頃深酒したりスナックでいただいた記憶しかない。まあ学生時代、一番安かったのがウヰスキーだったこともあるが。《トリス》、《ロバートブラウン》、《カティーサーク》、《角瓶》、《サントリーWHITE》にダルマこと《サントリーオールド》今は口にすることがホントにないねぇ。しかしこの系統の音を聴くと氷を揺らしながらウヰスキーのロックが飲みたくなるから不思議だ。飲みたいというより手に持っていたい、そうでなきゃ駄目なんだと、それらしき姿が頭の中で形成されてゆくのだ。トラッド・フォーク・ロックの名門スティーライ・スパンの唯一のライブ盤『Live at Last !』はラスト・アルバムにして最高の出来。ギターのマーティン・カーシー、アコーディオンのジョン・カークパトリックの名人芸に、紅一点マディ・プライアの清楚ないでたちから繰りだされる美声が、迷宮の森奥深くへと誘ってくれよう。奥深くといってもこの1978年にもなれば結構ロックっぽくて明るい。したがって奥深く踏み入れるには1970年初頭を聴き漁ってほしい。僕のようにいきなり森奥へと連れていかれていく者のいれば、徐々に森奥へと足を踏み入れる者のいる。どちらにしても恐ろしい世界、他の音を受け付けられなくなった覚えがあるからだ。
さてウヰスキーもトラッド・フォークもアイリッシュ(ケルト)と深い関係があり、これを聴いてウヰスキーを欲するのは至極当然のことといえよう。私は涙する、昔も今もあのサントリー・ウヰスキーのCMにゾッコンなのだ。渋いオッサンのスキャットで始まる ♪ロンロン、リーロン、シュビダバ~(ランラン、リーラン、シュビダバ~)っていうCMソングをご存知であろう。これは小林亜生の「人生みな兄弟」という曲で、そのオジサンというのはサイラス・モズレーさんという方です。もちろんスキャットなので実際どう歌っているのか自信ありませんので悪しからず。 それと重なって思い出されるTV番組が《特捜最前線》、《七人の刑事》に《ザ・ガードマン》と刑事モノが渋くよくウヰスキーに合うんですよね。
麦芽を発酵させ蒸留させる、12世紀ごろアイルランド地方で初めてつくられたこのウヰスキー。トラッド・フォーク&ロックにも同じような深みがあります。ウヰスキーの語源はアイルランド語で、命の水の意。ある意味トラッド中毒のお方には、ペンタングルやフェアポート・コンヴェンション、このスティーライ・スパンは欠かせない命の水となっているのでしょう。
-NO.499-
【吉茶】
ご覧の通りすばらしい庭の佇まいを。実はここは喫茶店。名古屋ではもちろん全国的に知られた《コメダ珈琲店》の高級ヴァージョンだ。玄関を入ると履物をお脱ぎくださいと書いてある。およそ20はあるだろう、各テーブルと椅子・ソファーの調度品はすべて異なる。またその席によってさまざまな姿をみせてくれる。最低でも一杯850円。時間と空間を贅沢に感じよう、決して高くはないはず。2009年12月現在は靴を脱がなくてもよくなっているそうです。少し残念。靴脱いでとことんリラックスしたかったのに。