ジャズの未来を君たちに託そう | 新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

新・ぺんたno座右の銘盤withボクの新百景

独断と超偏見による、勝手気ままでええ事しか書かん日記のようなもんです。
まあるい形してて、音が飛び出してくるモノへの愛情表現です。
ほなお暇なお方はどうぞお入りやす。
某サイトの『ぺんたno座右の銘盤』、『続・ぺんたno座右の銘盤』の続編となります。


あなたと夜と音楽を
 僕のショットにしては珍しいお城の写真。城郭協会選定の日本百名城にも値しない小さなお城だが、時は戦乱の世、表にこそ出ないがそこに息づく人間模様が愉快であり痛快な日々が繰り広げられていた。時代劇すら興味ままならぬ自分がここまで吸い寄せられるのは何だろうか。直木賞候補作品《のぼうの城》は、この忍城を舞台に若手作家・和田竜が感性豊かに描く戦国絵巻。どう描こうが歴史そのものは変えられない。ありのままなら歴史書と同じこと。Jazz界も毎年多くの新人達が去来し、まだ味わったことのないJazzの無限の可能性を今日も求めているのです。
 ハンガリー生まれのピアニスト、ロバート・ラカトス、澤野での3作目『You And The Night And The Music』がこれ。普通に聴いていると手馴れたベテラン・ピアニストの作品と思えるくらいにまとまってて隙がない。前作『Never Let Me Go』での「Till There Was You」はビートルズでお馴染みのナンバー。僕がビートルズの奥深さを感じとった曲でもあり、ポールにこの伴奏で歌ってもらいたいと願うほどの出来だ。若手ミュージシャンにとっての狙いはオリジナル曲に負うところが大きいが、古典的スタンダードの新解釈に加え現代風スタンダードの発掘が鍵となる。さてこのアルバムで彼のオリジナルはというと「Sepia」と「Gloaming」の2曲あるが、いずれも何かを背負いすぎた感が見受けられ窮屈だ。ヨーロッパ・ジャズらしいといえばそれまでか、後者の終始クラシカルな調べに乗せた可愛いメロディがせめてもの救いであろう。ライブではもっとビートを効かせ、メリハリをつけた演奏で聴いてみたいものだ。僕のお気に入りのドラマー クラウス・ヴァイスがリーダーだったならそうなっていたのかもと考える。一方古典的スタンダードの出来はどうか。冒頭の「I Should Care」とラストナンバー「You And The Night And The Music」に期待を持つ。前者は僕の予想に反し急速調で進む。やはりヴァイスのドラミングにどうしても耳が立つ。後者にしても数々の歴史的名演にどう立ち向かうのか。無難な演奏に脈拍も落ち着いた時、ちょうど2分00秒、ヴァイスの連発するスネアに促されてピアノがスイングしまくる。アーサー・シュワルツの曲はこのように静かに青白く燃えだすものが多く、よって好きだ。ジャズ・ミュージシャンが作ったスタンダード、俗にいうジャズ・スタンダードも「Lament」「Whisper Not」もさることながら、あまり知られてないケニー・ドーハム作の「Scandia Skies」を選曲するあたりはラカトスただ者ではないと。改めて知らない曲を教えていただいたという感謝の気持ちでいっぱいだ。言い換えればこうやってケニー・ドーハムを知り、彼のファンになってゆく人もいるのだからジャズは素敵だろ?
 最後になったがロック・アーティスト、スティングの名曲「Fragile」は、多くのジャズ・ミュージシャンに取り入れられ、現代風ジャズ・スタンダードへの昇格の途にある。さあ貴方もスティングのオリジナル聴いてみたくなったのでは。こういった若い世代の感性が、ジャズの未来を明るくするのです。
-NO.481-

【のぼうの城~忍城】
 関東七名城で知られる忍城、いまや《のぼうの城》としての知名度の方が高いか。石田三成の水攻にも耐えたとされ幾多の誉名を残す。この御三階櫓が往時を偲ばせる。