先日、本棚のところでじっと本のタイトルを見ているお客さんがいました。
お話ししたところ、そのお客様もよく本を読む方のようです。
「どんな本をおよみになるんですか?」
ってお聞きしたところ、妖怪物が好きだ、と言うことでした。
京極夏彦が特にお気に入りだそうで、京極夏彦と水木しげるのことなどをお聞きしました。
私ははぼ、SF小説しか読まないのですが、お話を聞くうちにとても興味が湧いてきました。
そこで、お客さんが帰ってから早速京極夏彦のデビュー作「姑獲鳥の夏」(うぶめのなつ)を読んでみました。
これがとても面白いのです。推理小説と言えば、トリックがどうの、密室がどうのと言うことに終始しているイメージが定着していました。
この小説にも密室が出て来たりするのですが、そんなものは枝葉に過ぎず、とても奥の深いお話です。
主人公 京極堂(語り手とは違うんですが)もとても魅力的だし。
楽しく読み終えて、ふと思い出しました。
さきほど、推理小説をけなしましたが、そう言えば私は小学生のころ、江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズにドはまりしていました。
図書室で一冊借りて、メチャクチャ面白くて、ついには全巻手に入れたのでした。
姑獲鳥の夏を読んで、その頃の熱狂を思い出しました。
物語の時代設定が似ていることもあるのかも知れませんが、同質の強いワクワク感があります。
お客様とお話ししなければ、多分読まなかっただろう面白い小説を知ることができました。
面白い小説を紹介していただいたお礼を言いたいと思います。
ありがとうございました。
今から「魍魎の匣」を読み始めます。