4月19日のリベラルアーッ総合B「対話」のゲストは、音楽家のお二人です。佐藤晴香さんと小畑実織さん。出会いは、5年前の授業。それもたった2回の授業でした。その時の講義録を紹介します。

 

💛💛💛

 バジル先生の授業実践シリーズ1

ともに創る 愛のある授業

 

「かぼちゃ」と「しまじろう」とともに

Ⅰ 授業データ

  1 日時  2019年12月3日 12月10日  の2回

  2 授業名 宮城学院女子大 教職実践演習(生徒指導部分) 

  3 対象  音楽科4年生(9名) 佐藤さん(しまじろう)小畑さん(かぼちゃ)

  4 場所  宮城学院女子大 音楽科教室

  5 授業者 非常勤講師 鈴木 悟 (バジル)

Ⅱ 1回目の授業

 1 導入 学習集団作り

教室に入り、教壇へすすむ。黒板にチョークで「教職実践演習」「生徒指導」「鈴木悟」と、大きく書く。振り返って、落ち着いて、ちょっと低い声をさらに低く、ゆっくり目に声をだす。気取らないように気をつけながらも、ちょっと上品に。

 「こんにちは。教職実践演習を担当する鈴木悟です。」という。

学生は、思い思いの席に座っている。私にはちょっと遠すぎる。

教壇から降りた私は、教室後方に向かう。後ろに座る学生のそばに行き、「なぜそこに座ったの?」などたわいのない質問をする。学生は、何でこんなことを聞くのだろうという顔をしながらも、「いつも、ここです」「ここがあいていました」など答える。学生にはこれがいつもの教員と学生の距離感なのであろう。

私は、「席を替えましょう」と提案。提案と言っても教員が言うのであるから、指示に近い。キョトンとする学生に、「何の順番にしようか」などとつぶやきながら、「あなたの名前と誕生日を教えてください」と言って、教壇に戻る。

一般的な講義をするならこのままでもいいだろう。しかし、教職実践演習は、学生のアクティブラーニングが命。話合いがもてるような学習空間をつくらなければいい授業にはならない。そこで、親和的な教室空間づくりを試みることにする。

 「授業で一緒に考え、悩み、対応を論議するには、まず学習集団をつくらなければならない。そのためには、強制力を使ってでも、自由で黒板・教員に向かって前向きの座席を崩す必要があると思う。

 その際、出席番号順という手もある。しかし、それは学校的すぎる。ほわっとした感じが出ない。授業でありながら、ちょっとした特別な空間。劇場とは言わないが、非日常とでもいえる空間をつくりたかった。自由に座りましょう、では、変な気遣いもでてくる。円形と指定しながら、そのなかで自由ではなく、誕生日順という「遊び心」を付け加えた。

 

2 アクティビティ

 私は、この教室を、心おきなく話ができる空間に変えようと思っている。それは、9人と私が、「居心地の良い学習集団」をつくることでもある。

座席は、円形。全員の顔が見渡せる。ちょっと緊張している学生も、新鮮な思いの学生も、恥ずかしがっている学生もいる。ここで、私は、自己紹介をする。ただの自己紹介ではなく、自己開示を試みる。自己開示を「腹を割って話す」程度に考え、1分間スピーチをする。

 

(1)自己開示・自己紹介

 私は一枚のA4の白紙とマジックを学生に渡し、自分も手に取る。

白い紙に「バジル・鈴木悟(すずき さとる)・中田町立上沼中学校3年2組」と書き、学生に「自分の好きな物 こんなふうに呼ばれたいもの」「名前そして読み方」「自分の出身中学校とクラス」を書くように指示する。これを自己紹介カードと名付ける。そして、このカードを使って、自己紹介(自己開示)させるのである。

 

 

学生には、自己紹介カードを使って、自分の好きな物、中学校時代の自分を語るように指示した。

自己紹介の順番は、私の隣から。学生はそれぞれ、楽しそうに話した。学生も、友人の新しい面を興味深そうに聞いている。自己紹介にひと手間かけると深い味がでる。まさに料理と同じ。私は、目を見て「いいね」と語りかける。自己開示の後、場の雰囲気はとても温かくなったようだ。なんでも語り合える、学習空間に近づく。この空間なしに、アクティブラーニングはできない。

 

中学校時代のことを話させたのは三つの理由がある。ひとつは、学生がどこで中学校までを過ごしたかを知ること。ふたつ目は、すぐあとに、「生徒指導の先生のイメージ」を聞くので、心を中学時代に戻させるためである。そして、3つ目は、学生に、中学生だった時の気持ち(立場)を思い起してほしいためである。

この講義では、今の気持ち(立場)、そして教育実習で体験した教師としての気持ち(立場)とともに、生徒だった時の気持ち(立場)の3つの気持ち(立場)を行ったり来たりしながら、考える機会をつくるからである。ここで、中学校時代のことを振り返るのは、決して無駄ではないのである。

 ここでも、生徒指導の三機能を存分に使う。学生に「自己存在感」を付与したあとは、生徒に活躍の番(自己決定の場)を与え、その活躍(自己決定)を認め、ほめることで、共感的な人間関係をつくりあげるのである。

  

※ 注【生徒指導の三機能 】生徒指導の三機能=自己存在感+自己決定+共感的人間関係

 

(2)学生の一言が雰囲気をガラッと変える

私は、このあと、学生を「スシロー」「たこさん」「ねこさん」と愛称で呼ぶことも取り入れた。座を柔らかくしようという意図だが、学生はふっと笑いながら答えていたことから、効果的だった思われる。しかし、私はまだ緊張している。それが解ける瞬間が来た。

「しまじろう」が、隣の私にいたずらっぽい目で、「イケボ」とあながち、からかうようでもなくさりげなく一言。イケボ」は初耳。意味は分からなくても、たぶん、「イケメン」の「メン」が「ボイス」なのかなあと類推できるぐらいの落ち着きはあった。うふっとほほ笑み、ちょっと照れた。

 「イケボ」―この一言が、教室の雰囲気をガラッと変えた。キラーパスのような一言であった。

 

3 ワイドショー的授業展開

円形の座席で、学生との問答を繰り返す中で生徒指導の課題を考える手法をつかってみよう。テレビのワイドショーなどで、司会者がコメンテーターに話題をふり、コメンテーター同士がその話題を深めていくようなことをイメージしてみた。私は、番組の司会者・ファシリテーターとなり、学生がコメンテーターである。コメンテーターである学生には、居場所があり、活躍の場が確実にできる。ファシリテーターが話題を吟味し、学生が話しやすい雰囲気をつくり、学生の考えが深まるようにしてみよう。

 

(私)「いろいろな意見がありましたね。さて、皆さんは、いろいろな悩みもあるでしょうね。それでは、あなたがとても悩んでいるとき、どんな先生にだったら、相談しますか?「しまじろう」はいかが」

(しまじろう)「謙虚な人です。私の目標とする姿であり、生徒と信頼関係を築く答えは、自分に問うことで見つけられると、感じています」

 

 

(私)「それじゃ、思い切って聞いてみましょうか。皆さんは「愛」って何だと思う?」

 「暗いところがないもの」「何かを犠牲にしても大事にしたいもの」「施しをすること。良いサマリア人になれるように生きること」「すべてを受け入れて許すこと。存在そのものを認め、尊重するもの。」「思いやること」「最も大切なことで平和につながるもの。」「他の何よりも優先されるもの」「思いやり」

 

                       (略)

4 授業の感想 

Q 今日学んだことは何ですか。2点あげてください 

 

★(かぼちゃ)①人それぞれ考えは違うがそれを共有することで物事の理解が深まる ②呼び方を名前以外で呼ぶことで距離が縮まることを実感した

★(しまじろう)①生徒指導とは生徒理解に始まり、生徒理解に終わること ②人前で話す時、演奏する時のマナーや、人を惹きつけるちょっとした工夫を学べた

Q どんな授業でしたか

★(かぼちゃ)今までの授業は少人数で丸く囲んで話し合いをする機会がなかったのでとても新鮮でした。みんなのそれぞれの意見がきけて勉強になりました。先生が生徒に寄り添うという形がしっかり表れていた時間だと感じ、授業がとても楽しかったです。

★(しまじろう)本物のグループワークとはこの事だ!!と感じました。私は、今まで授業で発言する事が少ない方でした。ですが今回、沢山自分の思いを言葉にし、伝えて、先生と同級生と話し合う事は、こんなにも楽しくて有意義な時間なんだ♪( ´▽`)と思いました。

 

Ⅲ 2回目の授業

 2回目もワイドショー。ファシリテーターの私が、「テーマ」を設けて、ゲストである学生の意見を聞くことにした。

 

1 質問「良い先生とは?」

(私)「今日は、良い先生について考えてみましょう。あなたが今まで出会った『いい先生』を何人か思いうかべましょう。いい先生とだと思うのはどんな先生でしょうか?その人の特徴をできるだけ、数え上げましょう。10個書いてみてください。順番に聞いて行きますよ。」<5分間 熟慮タイム>

★(かぼちゃ)①尊敬できる②に努力している③生徒の気持ちになって考えられる

★(しまじろう)①謙虚に生きる ②損得感情無く行動できる③叱ったら、良いところも言ってあげる

 

2(質問)良い先生は、人柄?授業技術?それども・・・

★(かぼちゃ)<授業技術>人柄も重要ですが、授業時間内であれば授業技術が重要だと考えます。生徒は勉強するために授業を受けているので生徒を成長させることができるような授業をする必要があると思います。

★(しまじろう)<?  >授業力がある本物の先生は、人間性も素晴らしいです。謙虚で、学び続ける姿勢を忘れません。だから選べませんでした。でも、後になって思ったのですが、授業力を優先するならば学校は「学習塾」で良いのでは??と。そもそも学校とは、授業だけでなく、人間性も学ぶ場であると思った。これからも、沢山の先生や教育現場を見て、考え続けたいと思います。

 

3 (質問)音楽の授業を通して生徒に伝えたいもの

(私)「良い先生について検討しました。おおよその理想像が出てきましたね。さて、音楽教諭を目指す皆さんに聞きましょう。あなたは、音楽の授業を通して、何を生徒に伝えたいですか?」

 

★(かぼちゃ)音楽の楽しさ、自己表現できるツールだということ。

★(しまじろう)音楽を感じ、表現する喜び

 

4(質問)いじめ はなぜなくならないの?

(私)「それでは、生徒指導上最大の課題である、いじめを取り上げましょう。なかなかいじめが無くならないよね。あなたは、なぜいじめが無くならないと思う?」

★(かぼちゃ)妬みや自分の弱さ、人を見下すような風習が大人の世界でもあるから。

★(しまじろう)自分を認められない、満たされていないと、他人より優位に立とうとしてしまうと感じます。それは、その人の家庭環境などから影響していると思うので、なかなかそこを改善する事は学校では難しいと思います。

 

5 (アクティビティ) 隣の人をほめる (ほめた時の気持ち)

(私)「授業も終盤ですね。さて、隣の人を私に紹介してください。できるだけ、褒めてください。それでは、柿からかな」

★(柿)→(しまじろう)「ストイック。他人に愛をもって接することができる。」(満足そうな顔をしてくれたので良かったです)

★(しまじろう)→(かぼちゃ)「自分を持っている人。流されない芯の強さがある。」(改めて良いところを伝えると、さらに距離が縮まった感じがした)

★(かぼちゃ)→(ねこ)「誰に対しても優しい」

 

6 (アクティビティ) 人をほめる (ほめられた時の気持ち)

今度は、褒められた時の気持ち。「たこ」が「ホルン」に褒められる。その時の「たこ」お気持ちも(  )

★(しまじろう)←(柿)「努力家で愛のある優しい人?だったかな・・・」→とても嬉しかったです♪( ´▽`)

★(かぼちゃ)←(しまじろう)「意外と自分をしっかり持っている」

★(ねこ)←(かぼちゃ)「優しいと褒められた」→褒められた時、心があったかくなるように感じた。隣りの人を大切にしようと思えた。

 

7 授業の感想 

(1) 授業終了5分前の授業の感想

 

★(かぼちゃ) こんなに授業がおもしろい、自分のためになる、生き方を考える機会となったので、もっと授業を受けたいと思いました。人の考えを知ることや連鎖的に物事を考えられる力を短い時間で得られました。先生のような学生に寄り添うような授業ができたらいいなあと思います。そこで、考える力や自分の生きる価値を感じられるような尊敬できる人になりたいです。ありがとうございました!!かぼちゃは体にいいのでぜひ食べてください!!

★(しまじろう)すごく楽しかったです! 楽しいだけではなく、学ぶことがたくさんありました。こんなに覚えている授業は初めてです。いつも練習で一人なので、みんなと話して、心が癒やされました。バジル・サトル先生と通じるものがあるような気がします。なので、どっかでまた会えるでしょう。

 ピアノでこれから大きくなるので、演奏ぜひ見に来てください。 先生 GOOD LUCY

 

(2) ユニパによる「振り返りシート」の感想

 

★(かぼちゃ)1回目に引き続きとても楽しかったです。いい先生の授業はまた受講したいという気持ちになります。バジル先生の講義は毎度その気持ちにさせてくれます。人に褒められることはこんなにもうれしいのかと驚きました。このように生徒に対しても褒めるということは大事だと感じました。

★(しまじろう)とても良い授業でした。私の先生にも、両親にも、この授業で学んだ事を伝えました。

授業が終わってからでも、自分の言葉で授業内容を話せる・・・それほど心に残る授業だったのだと思います。私も、音楽の授業で心に残る、人生に活かせる事を伝えていければ良いなと思います。

あっという間でしたが、非常に濃い授業をありがとうございました。

 

Ⅳ 「かぼちゃ」と「しまじろう」のバジルの授業分析14

 

 

(1)参加型の授業

 

2回のバジル先生の授業はとても充実したものであった。大学4年間の授業を振り返ると、音楽科のレッスン以外の授業は受け身の授業だったように思える。大学の講義はこのような感じという勝手な固定概念ができてしまっていたが、バジル先生の授業は受け身ではなく、参加型の授業であり、時間が過ぎるのがあっという間だった。(かぼちゃ)

 

 

(2)円形の授業

 

初回はまず、円形になって授業を進めていく形に少し驚いた。1時間半もの間、円形になっていることは初めてだったからだ。また、一人一人に対して先生が呼び方を生徒の好きなもので呼んでいるのがとても新鮮で一気に距離が縮まった気がした。(かぼちゃ)

 

 

(3)円形座席

先生の授業では机を円型にしました。授業といえば、教卓の方を見る事がほとんどですが、今回円型にしたことによって、とても発言しやすくなりました。顔を合わせることは、信頼感と一体感に繋がると思います。また、机に座る順を誕生日順にし、先生は黒板にみんなの誕生日を書いていました。そのことが嬉しかったのを覚えています。自分だけの何か(今回は、誕生日やキーワードなど)を誰かに知って、理解してもらうことはとても嬉しいことで、心を開くための鍵なのかなと思いました。(しまじろう)

 

(4)質問の仕方

先生の質問の仕方。先生は、「こうだ」と決めつけませんでした。「このことについて、あなたはどう思う?」といつも質問をなげかけていました。そして、先生は、生徒の意見に対して批判することなく、一人ひとりに反応していて、興味を持って聞いてくれていると分かりました。また、質問をする順番も毎回違う人から始めることも良いと思いました。いつも同じ人からの順序だと時間の関係で後ろの人まで回らない時もあります。全員に平等にすることは、授業において大切なことだなと学びました。(しまじろう)

 

(5)聞き上手

先生は聞き上手です。授業の中で、自分のことを話すことが沢山ありました。どんなくだらない話でも先生は、全てに興味を持って反応していました。私は、その心地よさに調子に乗ってしまい、うっかりタメ口になってしまいました。そのくらい、話しやすかったのです。

私は、聞き上手な人は、ただ黙って聞いている人では無く、話し手が思わず話が止まらなくなるような相づちや質問ができる人だと思っています。逆に、そのツボがわかるということは、聞き上手な人は、実は話が上手なのだろうと思います。

いつか、先生のスピーチを聞いてみたいです。(しまじろう)

 

(6)友達のスピーチ

友達の好きなものを知れたことも嬉しかった。スピーチの極意を先生から教わり、今朝の出来事についてのスピーチを一人ずつした。簡単な題材だが一人一人の個性が出ていた。人に印象を与えるスピーチは工夫が必要であると感じた。話し方や言葉の言い回しで大きく印象が変わってしまう。(かぼちゃ)

 

(7)ネームプレートで自己紹介

 一つ目は、紙でネームプレートを作った事です。名前、出身中学校とキーワードを記入したことで、一人ひとりの「自分らしさ」を表現する事ができました。また、その空間に居たみんなの、好きなものに対する思い出や、出身中学校での過去のエピソードなどを知れたことで、みんなに対する興味が湧き、より団結感が高まったと感じました。(しまじろう)

 

(8)視野が広がる

いじめについてみんなで話し合った。生徒指導について今まで講義で理解はしていたものの、深くまでは考えられていなかったように感じる。先生が次々と連鎖的に質問を投げかけてくださったので、深いところまで考えられた。そして、友達の意見からなるほど、このような考えもいいなというような考えもたくさんあったので、いじめ問題についての視野も広がった。(かぼちゃ)

 

(9)理想の教師像

このバジル・サトル先生の「先生の授業」と「先生の人柄」は、今回の講義で取り上げられていた、「授業力」と「人間力」の理想形そのものだと思います。講義の中で、「授業力」と「人間力」どちらを優先するか?という質問に、そもそもどちらも兼ね備えている完璧な人が居るのか?と答えが出せずに四苦八苦していました。

しかし、このレポートを書いていて、えっ?どちらも兼ね備えて居るスーパー人間(バジル・サトル先生)がこんなに近くにいたじゃないか!!と気づきました。今まで、教師に対して期待していませんでしたが、こんな素晴らしい先生もいるのなら、教師という仕事と学校は、捨てたもんじゃないと、希望を持てました。(しまじろう)

 

(10)ほめあう手法

最後には友達同士で褒め合うということを行い、みんなが褒められて場が和やかになり、とてもいい気分になった。教師が生徒を褒めることが大切であるということは理解していたが、実際に自分が褒められることを体験することで褒めることの大切さを実感できた。このような方法を見出すバジル先生はすごいと思った。(かぼちゃ)

 

(11)寄り添う姿勢

先生の授業づくりから学ぶこともたくさんあったが、何よりバジル先生が私たちに寄り添い、共感してくださったことで授業を受ける意欲につながっていたと思った。このようなものが生徒指導に結びつくと理解させてもらった。(かぼちゃ)

 

(12)先生の人柄

 先生の素直さ。最初の授業で「先生の声が良い(イケボ)」と言った時、先生は素直に照れていました。「嬉しい」と言葉にしていました。面白い時は、素直に笑っていました。私は、先生に対して、とても信頼感を感じました。この先生になら、心を開いても良い。きっと自分のことを分かってくれる。そう思いました。素直な心は、信頼関係を作り、より生徒理解に繋げることができると感じます。(しまじろう)

 

(13)学び続ける

学び続けている姿勢。先生と授業をしていると、一緒に学んでいる気分になりました。それは、先生が謙虚で威張らず、知ったかぶりもせず、生徒の意見をちゃんと聞き入れてくれるからだと思います。この授業を研究材料にし、講義録を作ると聞いた時、きっと先生はこれからも学び続け、成長し、もっともっと大きくて素晴らしい人間になるのだろうと思いました。

今まで、尊敬出来る先生がピアノの先生を除いて、学校の中にどれだけいたか。私はいません。バジル・サトル先生を通して、教師の見本として、あるべき姿を見せていただいた気持ちです。(しまじろう)

 

(14)声と話し方

私はこれから、宮学の研究科に2年残りながら、音楽の非常勤の講師と、実家のピアノ教室を掛け持ちしようと考えています。なぜなら、教える立場になれば、学び続ける義務があると思うからです。地方のピアノ教室の先生に特にいますが、自分は弾けないのに、生徒には偉そうに口出ししていることがすごく疑問に思います。でも、無知な子供達、その親達は、「先生」として疑うことなく、尊敬しています。

情報はいつも進化しているので、その先生の、「勉強をやめた時までの知識」で教えられた生徒のことを思うと、なんて罪なことをしているのだと感じます。だから私は、謙虚に学び続けていきたいです。その上で、演奏はもちろん、ピアノ教室や音楽の授業を通して、沢山の人に音楽の素晴らしさを伝えていきたいです。このタイミングで、バジル・サトル先生に出会い、講義を受けられたことを誇りに思います。

きっとこれからも、この講義を思い出す瞬間が沢山あって、その度にどれだけ支えられるのだろうと感じます。私も、バジル・サトル先生のように、誰かの心に何かを残せるような、演奏者や先生になりたいです。2回だけの講義でしたが、とても有意義な時間でした。ありがとうございました。(しまじろう)