カンボジアスタディーツアーエッセイ ~未来を掴め~⑤ | 生まれゆく光の中で〜陸前高田市広田町で「今」を大切に生きる〜

生まれゆく光の中で〜陸前高田市広田町で「今」を大切に生きる〜

新社会人、真の自由人を目指して。
サッカーを通してのカンボジア支援、休学してカナダ・ブラジル生活、
社会起業大学での日々、そして震災支援活動、起業という23年間とこれから。
思った事、感じた事を残しておく。
大切なものを大切にしながら生きていく為に。

※これは、このブログの管理人である、三井俊介が2010年8月5日~14日の間、
カンボジアに滞在した時の想いを綴ったものである。

~未来を掴め~
第1章 俺はこの夏、未来を掴む。 
第2章 俺達は、やっぱり世界を変えることができない。

第3章 俺達は、何に追われているんだろう?
第4章 俺達は、世界を変えることができる。
第5章 日本は「平和」なの?
第6章 逃げも隠れもしない。リアルと向き合う。
終章 流れゆく時の中で、流されず、流れる。

生まれゆく光の中で

生まれゆく光の中で


第5章 日本は「平和」なの?


あるNGOさんを訪問した。
BRFを担当してくれた方の想いを知った。
芯の強さを感じた。

「みなさんはカンボジアの現実を知ったから、
それを伝えてください。」

その方は言った。

間違ってる。

俺らは現実なんかみていない。
一面的なところしか見ることができない。
それを全てのように語ることの危うさ。
どう伝えるかの難しさを知った。

生まれゆく光の中で


デパート。
入ればそこは東京のようなもの。
スーパーの表記はすべてドル表記。
カンボジアの一般の人は高くて買えない。
市場でいつも買うらしい。
カンボジアで唯一のデパートの中でも
平然とパチモンが売られていた。

この国ではなにが本物で、なにが偽物なのか。
そもそも現地の人にとって、そういう感覚はあるのだろうか。

生まれゆく光の中で


お見送り。
KHJという会社でグラウンド建設や今回のツアーなどで
お世話になっているところの社長さんのシンフォンさんも
お見送りにきてくれた。

生まれゆく光の中で

ずーっとお世話をしてくれたリーマン、ピロン、チャントーンに
プレゼントを渡した。
生まれゆく光の中で

みんな良い笑顔だった。
彼らと一緒にこのスタディーツアー過ごせて本当に良かった。


「またくるから!」
「また会おう!」
口ぐちに語る彼ら。
絶対に戻ってこような。

生まれゆく光の中で

生まれゆく光の中で

生まれゆく光の中で



夜、リーマンとピロン、みきとともで
カンボジアの一般の人々が食べる鍋屋へ。


リーマンの過去をしった。彼は現在23歳。

生まれゆく光の中で

壮絶。

16歳、中学校を卒業と同時に借金を背負ってバイタクを始める。
親父が病気にかかり2年間看病するも、亡くなってしまう。
そこからまたバイタクをはじめるが、いちゃもんを警察につけられ、
なにも悪い事をしてないのに、刑務所生活がはじまる。

家族は信じてると言ってくれていた。
それでも、判決が悪い方に転がれば、10年刑務所。
この時に、人生終わったと思ったらしい。
だけどもし、生きて出られたら、第2の人生を歩もうと決めたらしい。
神様は見ているのか。
3ヶ月後、無罪で刑務所からでることができた。
その時に、「家族のためにがんばろう!」って思ったらしい。

そこからツアーガイドの仕事も始める。
そこで出会った日本人に日本語を教えてもらう。
そこから日本との繋がりが生まれた。
そしてシェムリアップに住んでいたのだが、
プノンペンにきて仕事をさがす。
今の会社であるKHJを知る。
そこに申し込むも、3日たっても連絡なし。
シェムリアップに帰るバスにのってまっているときに
電話があった。
バスを変更してもらい、面接をうけて
今の仕事がきまったらしい。
出会えたことが奇跡。

生まれゆく光の中で

そんなリーマンのいう言葉ひとつひとつには力がある。

「自分を好きじゃなかったら、その幸せは広がらない。
むしろなんで自分の事好きじゃないの?」


そして、日本人の悩み。
「就職先が~」とか、
「自分を好きじゃないなんちゃら」とか、
「大学つまらない~」とかとか、
全部、贅沢だっていってた。

「皆は日本に生まれたからやりやすいことが多い。
僕はカンボジアに生まれたから、できないことも多いし、
警察に理不尽につかまったりすることもある。
でもそれはしょうがないことだ。」

って。



自分、なにやってんだろ。

日本ならやりたくないこと、全部やらないで、好きな事だけやってればいいのか?
というと反感を買う。
「和」を重んじる文化であるからこそなんだろうな。
だけどそれによって、レールの上を歩かされるような人生を送っていると
感じている人が日本では多いのではないかな?


そんな日本は「平和」なのであろうか。
自殺者3万人の日本、親殺しが起こる日本、
果たして「平和」なの?


俺達、日本人は物が溢れかえり、なんとなくでも生きていけるようになった。
だから「働く=生きるため」ではない。
途上国の人々にとっては「働く=生きるため」の人もいる。
生存欲求が一番人間は高い。彼らの動機と同じでは俺らは
働くことはできない。

じゃぁ俺らは何のために働くの?
俺らは、何のために生きるのか?


$生まれゆく光の中で
あ、写真はふざけてないです。



彼が楽しかったといって話すことは、
本当に楽しそう。
あんな話し方がしたい。

生まれゆく光の中で

友達から誘いを受けて、
いい給料をもらえる会社に移れる話をもらったらしい。
けど移らなかった。
彼は偉い人になりたくないと言った。
偉い人は悪い事してる人も多いし、人を大切にできない人が多いと。
そして自分がその中にはいって、
自分もそうなってしまうかもしれないのが怖いと。
なにより、やりたいことではないといっていた。
そして今の会社が大好きで、社長のシンフォンさんをもう少し手伝いたいと
言っていた。
かっこいいよね。
こう言い切れるところが
最高であり、最幸であり、最強だよね。

生まれゆく光の中で

そして俺達にとっても最終日の自由時間へと向かった。
最後まで休むことなく、
俺達は挑戦し続けたんだ。

生まれゆく光の中で