TEControl USB MIDI Breath Controller | PENGUIN LESSON

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新年早々、TEControlというメーカーのブレスコントローラーを買いました。

http://www.tecontrol.se/products/usb-midi-breath-controller

私は金管楽器奏者なので、打ち込みのときの強弱の表現付けに息を使うのは自然に感じます。随分前に友人のウィンドコントローラーを体験させてもらったことがありますが、トランペットの運指と同じ設定にしてもマウスピースの形状や構え方に違和感を覚え、馴染めませんでした。そこで、強弱のみを息でコントロールするブレスコントローラーを購入しましたが、私の使っているMIDIキーボードに専用の端子がなく、一度も使えないままどこかへやってしまいました。

TEControlのUSB MIDI Breath Controllerは、名前の通りUSB接続のためキーボードを選ばないのがまずありがたいです。YamahaのBC3aスタイルのヘッドセットも合わせて使用すれば、両手が完全にフリーになるのも快適です。

http://www.tecontrol.se/products/breath-controller-headset

専用のソフトウェアが分かりやすく、MIDI CCの切り替えがすぐにできます。ブレスコントロールであるCC2に対応した音源はSample Modelingなど限られていますので、音源ごとにCC1やCC11に変更しなければなりません。このソフトはプリセットの管理もしやすいので助かります。

また、楽器によっては息でCC1とCC11の両方を動かしたほうが自然なものもあり、しかし私の好みではCC1は0から127までの全範囲を動かしたいものの、CC11はもう少し狭い範囲に限定して動かしたほうが音楽的に聴こえました。こういうのはLogicのエンバイロメントのTransformerで簡単に設定してしまえるのでありがたいです。

普段使う音源はひと通り実験し、普段トランペットを吹くときの感覚で強弱づけできる、つまりトランペットのfの感覚で音源のfが出るような設定ができました。初期設定のままだとヘッドセットのマウスピースでは金管楽器を吹くときよりも息がたくさん必要だと感じました。(フルートなどと比べると、トランペットは息の量自体はそれほど多くありませんので。)

Sample Modelingの息による変化の素晴らしさは予想通りでしたが、SpitfireやOrchestral Tools、VSL、Cinesamplesも気持ちよく演奏できています。またEduardo TarilonteのForest KingdomやEraの反応もとても良いです。逆にこれまで良いと感じていたEmbertoneなどいくつかの音源はブレスコントローラーを使った時の反応が不自然でした。

当初、管楽器の表現のみに使おうと思っていましたが、弦楽器を演奏した時の気持ちよさと自然さに少し驚きました。もちろん、息継ぎの面で多少無理がある場面もありますが、それ以上に得られるものが多いと思いました。私は弦楽器のパートも管楽器のように息継ぎのための休符を多く書く傾向があります。ペダル音以外でずっと切れ目がないパートは元よりあまり書きません。だから全ての弦楽器には当てはまらないかもしれません。

キャリアの最初期の頃お世話になった作曲家がエクスプレッションペダルの達人で、目をつぶって「56」とか「104」など正確な位置でピタッと止めることができる人でした。彼の影響でしばらくペダルを練習しましたが、上達しませんでした。MIDIキーボードのモデュレーションウィールもあまりしっくりきませんでした。これまではスライダーで大まかに書いたものをピアノロールの編集画面でペンで書き直すことが多かったです。

ブレスコントローラーは、はじめて使った瞬間にしっくりきました。私のとって最高の買い物でした。