新年の挨拶 | PENGUIN LESSON

PENGUIN LESSON

音楽制作や映像編集のビデオ教材スクール「ペンギンレッスン」のブログです。この夏開講予定です。ただいま全力制作中です。音楽制作の様々な情報を発信していきます。Twitter(@othersidemoon)でつぶやいています。

完全にタイミングを逃してしまいましたが、あけましておめでとうございます。

もう1月も後半戦に突入していますが、年明け早々体調を崩し、2週間強の間に4回の通院と1回のプチ入院を経て、ようやく新年のスタートが切れました。

昨年の7月にブログをはじめてから半年が経ちました。オーケストラ音源の紹介などターゲットが狭い内容のため、ほとんど誰も読んでくれないだろうなと思いながら始めましたが、予想外に多くの方からメールをいただいたり、わざわざ会いに来ていただいたりと、とても楽しく充実していました。

私の主な仕事であるオーケストレーションは音楽の仕事の中でも目立つことのない裏方の仕事です。家に引きこもって黙々と作業していることが多いです。締切の厳しさや実際に書く音符の量は作曲家以上ですが、全く注目されることはありません。

私が書いたと知らずに関わった音楽について話されているのを耳にしてニヤニヤしたり、書いた音符が一流の演奏家とエンジニアの手によって素晴らしい作品になって返ってくる度に一人涙したりとコミュ障とネクラ街道まっしぐらだった私ですが、半年前にブログをはじめ、相変わらず引きこもりながら、人を避け一人ニヤニヤしたり涙したりのネクラな部分はそのままながら、少しながらも自ら発信するようになったことは大きな変化でした。

今年は自分名義の作品づくりと合わせて、これまでの音楽人生の中で一番発信できる1年にしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

さて、オーケストラ音源にとっても2014年は大型リリースがすでにたくさん予定されており、大きな1年になりそうです。私の仕事仲間の多くも、「この1年でオーケストラ用のテンプレートが大きく変わるだろうな」と話しています。

昔は作曲家ごとにプライベート音源を所有しており、プロが使う音源と趣味で音楽をしている人が使う音源は別物でした。私が関わったいくつかの仕事でも、実際の録音セッションより前に音源用のセッションをしたり、本番のオーケストラ録音の時に少し長めのスケジュールを組んで、音源用の録音を行ったりしていました。

しかし、今の主流のオーケストラ音源は、プライベート音源の制作を行っていたSpitfireやCinesamplesなどが商業音源の制作に移行したこともあり、もうプロ用の音源という発想はほぼ絶滅したと感じています。ハリウッドの大物作曲家の多くも誰もが買うことのできる商業音源を作品の中で多く使っています。

プロもアマチュアも同じ道具・楽器を使って音楽作りができる、こんなにワクワクすることはありません。

多くの音源が「こんな楽器があったらいいな」と強く願う作曲家によって作曲家のために作られているのも今のオーケストラ音源の面白いところだと思います。ベートーヴェンの時代ではなく、この時代の作曲家で良かったなと感じています。他の人と一緒に作る音楽が楽しいのは言うまでもありませんが、自分一人でとことん納得がいくまで自分の世界観を追求できるのは、この時代の作家の特権です。

私が初めて音源を買った頃は選択肢も少なく値段も高額でした。今は好みに合わせて「自分のオーケストラ」が選べます。Spitfire Audioの音が私の好みには最も合っているようです。SpitfireのBMLシリーズは、2014年の上半期に8タイトルのリリースが発表されており、これでオーケストラの楽器はひと通り揃うことになります。とりあえず、この8タイトルが出揃うまでは、それ以外のオーケストラ音源は買わないと決めているのですが、いつもどおり誘惑に負けてしまうかもしれません。