Tomoko Hoeven氏の見事な分析に触発を受けた。
重大な指摘がいくつも含まれている。いずれも正鵠を射ていると思う。
以下、特に注目に値する点を、自分なりに少々掘り下げてみたい。
◼️安倍晋三氏死去に対するトランプ大統領、追悼声明文キーセンテンス
最重要な鍵を握るのは、メッセージ中盤に出てくる以下の1文。
Few people know what a great man and leader Shinzo Abe was, but history will teach them and be kind.
やや長いので、節のチャンクごとに区切って、解釈してみる。
Few people know
知る人はほとんどいない
what a great man and leader Shinzo Abe was,
安倍晋三がいかに偉大な人であり指導者であったかを
but history will teach them
しかし、歴史は彼らに教えるだろう
and be kind.
そのとき親切に振る舞って欲しい。
この理解を踏まえて、社会的歴史的コンテクストを考慮して、この1文に活釈(独創的な解釈を含む大胆な意訳というくらいの意味)を加えるとすれば、以下のようになるだろう。この活釈は、勿論、他の誰の受け売りでもなく、筆者独自の見解である。今のところ。
【活釈】
安倍晋三がいかに偉大な人であり指導者であったかを知る者はほとんどいない、あるいはそう信じている人はごく少数に過ぎない。だが、そのような人々も歴史から教わることになるだろう。そのときに、どうか親切に穏やかに振る舞って頂きたい(be kind)。真実を知って、怒りや絶望に我が身を忘れることのないように。また、そのような覚醒を遂げてショックを受けてしまうであろう人々に対して、周囲の人々も、どうか親切に優しく振る舞って頂きたい(be kind)。そして、そのようなことをきっかけに人々が互いに争うことのないように、お互いに親切に振る舞って頂きたい(be kind)。
明らかに見てとれるのは、分断の時代の卒業を促している点である。その点、Tomoko Hoevenさんも指摘されている通りで、誤読の余地はない。
またそれ故にこそ、メッセージ後半に出てくる”unifier”という言葉も、得も言われぬ重みをもつことになる。
果たして、安倍晋三が自らの消滅と引き換えに、新時代の象徴たるunifierとなれるか否か。
それは一重に、後世に残された我々日本人の見識と判断と行動にかかっているのである。