「今夜の旅はドラマチック」 水の都は悠久の楽園~中国・杭州~ | 東京人在上海(上海の東京人)


『今夜の旅はドラマチック』シリーズ 、先月24日の放送回は杭州だった。

天上の極楽、地上の蘇杭(上有天堂 下有蘇杭)」と謳われる蘇州と杭州は唐の時代から中国人の憧れの街。上海時代、蘇州は日帰りできるので何度も行ったが、杭州は一泊しないといけないので、2回しか行ったことがない。

本当の金持ちは上海より杭州にいると言われていて、ハイブランドを買う時、上海の金持ちは静安寺のプラザ66へ行くが、杭州の金持ちはヨーロッパへ直接行くという話がある。まあ、そうなんだろうけど、イタリアで繊維業とか革製品業に従事している移民を出してるのが浙江省だから、行きやすいんだろうな。

杭州は龍井茶の産地であり、アリババ本社のある、伝統とITが同居する街として、番組では紹介されていた。

アリババがスマートシティ化を展開している杭州の郊外には大規模な工業パークもあり、伝統的な観光地という表の顔をIT経済が裏で支えている。

今回、番組を見て初めて知ったのが、五柳巷という一角。川沿いに江南の伝統的な工芸品やオシャレなコーヒーショップがポツポツと並び、穴場の観光スポットらしい。

調べたところ、杭州の有名な繁華街、河坊街からそう遠くないよう。


南宋時代は皇帝の御花園があり、貴族の館が立ち並ぶ風雅な一角だったが、近年は下水道設備のない劣悪な住環境のせいで貧民街になっていた。2010年代くらいから再開発が始まり、古い建物を活かした風情のある観光スポットに生まれ変わったようだ。

番組の中で、五柳巷にある、扉に“猫丑茶好”と貼り紙のされた小さな店を紹介していた。葛万明さんという店主が金継ぎした茶碗で客に茶をもてなしていた。古い中国家具の置かれた店内に猫と人と茶器。たたずまいがいい。番組では店主の紹介で金継ぎ工房にも訪れていた。

微博で工房のアカウントを見つけた。ご夫婦二人(游莎莎さん、殷翔さん)でやっている、伴作 ”という工房だという。



こういう文化的なスローライフこそ、昔からの江南の魅力。

このシリーズ、実は中国に強く、過去に雲南の麗江や、アモイのコロンス島も紹介されている。麗江もコロンス島も人気の観光地で、私も上海時代に行ったことがある。コロンス島の放送回は見たが、麗江は見損ねてしまった。また放送しないかなあ。