東京人在上海(上海の東京人)

小兒不識愁、起坐牽我衣。

我欲嗔小兒、老妻勸兒癡。

兒癡君更甚、不樂愁何為。

還坐愧此言、洗盞當我前。

大勝劉伶婦、區區為酒錢。


北宋の詩人である蘇軾の「小児」。

私の解釈による訳文は以下のとおり。


愁いを知らない子供は構ってほしくて、立ち上がろうとした私の衣を引っ張った。そんな子供を叱ろうとしたら、私のほうが妻に叱られた。

妻いわく、「子供は暴れてなんぼ。そんなことでイライラするのは今、あなたに余裕がない証拠。お酒でも飲んでちょっとリラックスすれば?」

その言葉に反省し、座り直した私の目の前に酒杯を差し出した妻よ。あなたの器は酒代をケチる劉伶(竹林の七賢人の一人。酒乱)の妻よりもでかい!


意訳ですが原意は捉えているかと。


「小兒不識愁」で思い出したのが、このブログではお馴染みの辛弃疾《丑奴儿》。


「少年時不懂愁 為賦新詞強說愁」のくだりの新訳をご披露しますw


「青春真っ只中のくせに、創作のためにアンニュイなフリしてやがる。こちとら今まさに人生の黄昏時だ(意訳)」


若者を揶揄する中年の詩。「天凉好个秋」、季節は秋。「秋の心」と掛けて何と解く。その心は「愁い」。お粗末さまでした!




先日、『旅立ちのラストダンス』こと『破·地獄(The Last Dance)』を見てきました。

マイケル・ホイ(許冠文)と言えば、私の世代はミスター・ブーです。

映画を見終わったあと、懐かしくていろいろ調べていたら、こんな記事を見つけました。

 

 

マイケル・ホイ(許冠文)は香港中文大学の卒業生、弟のサミュエル・ホイ(許冠傑)は香港大学の卒業生で超エリート!

そして、兄弟の名前を合わせると「文武英傑」になるのだとか。

私は愛嬌のあるドジ役のリッキー・ホイ(許冠英)が好きでした。

重いテーマの映画ですが、時々くすっと笑ってしまうのは、マイケル・ホイの存在があるからですかね。

 

ウェディングプランナーの会社を経営していた中年男がコロナで会社を潰してしまい、生活のために恋人の叔父から葬儀会社を引き継ぎ、慣れない仕事に奮闘しながら、成長していく。

人はいくつになっても成長できるし、変われるということが描かれています。


マイケル・ホイは主人公の仕事上のパートナーで、葬儀で「破地獄」という儀式を行う道士。

日本だと、葬儀会社と読経をお願いするお坊さんの関係といったところでしょうか。

 

私は香港に3年弱住んでいましたが、

紅磡と言えば、大陸へ向かうKCRの駅や

コンサートが行われる体育館のイメージで、

この映画を見るまで紅磡に葬儀場あることや

葬儀会社が集中していることを知りませんでした。

ラストシーンは紅磡の萬國殯儀館の空撮から

主人公が運転する車が香港海底トンネル

(Cross-Harbour Tunnel)を通って

香港島サイドに向かうところで終わっていました。

 

 

映画を見たあと、この映画の大きなテーマである華人の宗教について、調べたことを備忘録としてまとめておこうと思います。

 

私は香港で仏教徒やキリスト教徒の知り合いはいましたが、「道教を信じています」、という人に

会ったことがありません。

私の勝手なイメージかもしれませんが、道教は宗教というよりも現世利益を得るための風習という感じ?

 

そもそも「破地獄」の起源は「目連救母」という仏教説話なんですよね。

 

 

「目連」というのは、お釈迦様の弟子の名前でMahāmaudgalyāyanaの音写である「摩訶目犍連」の略。

目連尊者が地獄に落ちた母親を救いに行く話はお盆の起源ともなっており、中華圏では誰もが知っているお話で、「目連戯」という中国戯曲の祖と呼ばれる戯曲の元ネタでもあります。

 

道教は中国の三大宗教(儒教・仏教・道教)の一つで、老子の思想を根本とし、外来の仏教とは別物とされていますが、香港や台湾、東南アジアの華僑の間で信じられている道教は、仏教の内容が入り混じった現世利益の民間信仰という感じがします。 

 

儒教・仏教・道教の三つの教えを一つに結びつける「三教合流」という考え方があるように、

華人にはそれぞれの宗教のいいとこどりをする柔軟性があると思います。


アン・リー監督の『ライフ・オブ・パイ』の主人公も多宗教でしたね。

https://zh.wikipedia.org/zh-cn/%E4%B8%89%E6%95%99%E5%90%88%E6%B5%81

 

私のイメージでは、日本人は死んだあと、成仏を願いますが、華人の考え方はもっと複雑なようです。『地蔵菩薩本願経』によると、人は死ぬと49日間、生前の行いを閻魔様に裁かれるのだそうです。善人は来世に生まれ変われるが、悪人は地獄で苦しみ続け、遺族が盛大に法要を行い、手厚く葬むることで、やっと天国に行けて、生まれ変われる。「破地獄」もその考えに基づいた儀式です。

 

映画の中で幼い子を亡くした母親が土葬も火葬も拒み、「義荘」に遺体を安置することを選びます。「義荘」は本来、一族の互助組織で学校、田、祠堂などの施設が含まれていましたが、

後世になり「遺体安置所」の意味となりました。

 

https://www.wikiwand.com/ja/%E7%BE%A9%E8%8D%98

 


 追記:

今、銀河で放送中の法医学をテーマにした『朝雪録』でも「義荘」は検視を行う遺体安置所として

描かれています。

 

 

 

 

 

私の若い頃、日本では鈴木亜久里やセナが大人気で、人気女優だった後藤久美子がアレジと交際していたり、モータースポーツに全く興味のない私ですら、F1ドライバーの名前を数人くらいは挙げることができました。今はどうかというと、1人も知りません。

ところで現在、中国に有名なF1ドライバーがいるそうですね。モータースポーツにとんと疎い私は全く知らなかったのですが、F1観戦が好きな知人から教えられた、周冠宇さんのことを調べてみました。

周冠宇さん(26歳)、ご本人は上海生まれですが、ご家族の出身地は山東省で、父親が2000年代に4S 店(自動車の正規ディーラー。「冠宇」は父親の会社名でもあるようです)を開業し、自動車に馴染みの深いご家庭で育ったそうです。5歳の時、上海で行われたF1レースを観戦し、それからレーサーを目指すようになったとか。

2000年代はそれまで中国になかった4S店という形態が広まり、車がバンバン売れ出した頃なんですよね。ちょっと成功した男性が4S店を経営なんていう設定がこの頃ドラマにも登場していました。思い返せば当時、若者に絶大な人気があったイケメン作家の韩寒が突然レーサーになり、モータースポーツに興味のない私には謎だったんですが、実はあの頃に中国モータースポーツの土壌が生まれつつあったのかな。

Snow Manの動画で話題になっている岡村寧次。中国側の認識は多分こんな感じ。これに関しては中国側の抗議も致し方なしかも。動画を見てないの何とも言えないけど、なぜわざわざその名前を入れたのかしら…