「アラマタ図像館1「怪物」」荒俣宏 著、小学館文庫 | サーシャのひとり言

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「アラマタ図像館1「怪物」」荒俣宏、小学館文庫

とにかく所有する蔵書とその知識が半端ないとしか言いようのない荒俣宏氏。その図像館シリーズの第1巻です。
書誌学の父と言われる16世紀スイスの博物学者ゲスナーによる「怪物誌」、
珍奇な収集品を多数所有した事で知られる18世紀オランダの博物学者セバの「博物法典」、
怪物誌の総合百科、16世紀フランスの外科医師パレの「怪物について」などグロテスクながらも、想像力をかき立てられて惹きつけられる挿絵の数々が惜しげもなく載せられています。ほとんどがフォリオサイズの原本から直接複写したものだそうです。お願い

レチフ・ド・ラ・ブルトンヌの「南半球の発見」(私は未読。本自体はAmazonで見たことがあります)に関しては、初版本から出来る限り美しいプリントを起こし、怪物を描いた図全点収録に踏み切ったとのこと。
何とも奇怪ですが、圧倒されます。

ボスやブリューゲルが好きな方も楽しめる一冊だと思います。

ゲスナー「船を襲う鯨」