5/24にくらしの植物苑の観察会に参加してきました。今回は「源氏物語に見られる植物」のお話です。
東屋の周囲には、伊勢ナデシコがたくさん飾られていました。
ナデシコも古典植物の一つで、花形や色彩は多様性に溢れているそうです。
山で見るカワラナデシコしか知らなかったので、驚きました。伊勢ナデシコは一見、しおれてしまったのか、幽霊の集まりのように見えてしまいましたが近づいてよく見るととても上品で、繊細な花です。
古来、ナデシコは 同じナデシコ科の セキチク といっしょに庭に植えられていることが多かったので交雑しやすく、様々な雑種が生まれたのだそうです。江戸時代の後期、伊勢地方で作出された 花弁の長い品種が珍重され、献上品にもなったのだそうです。
こんなお花なので、風雨や日光を避けるため室内で鑑賞し、花弁が絡まって蕾がうまく開かないときには一本ずつ丁寧にのばしたのですって。まさに姫様待遇。
観察会のお話は、見識の広い参加者さん達のディスカッションもあって、とても楽しかったです。
源氏物語は「文学」なので、植物名が出てくれば、当時の読者はその植物のイメージから言外の情景を想像したであろう。その当時の常夏(ナデシコ)や朝顔 が現代人の想像する花であったかどうかは不明であり、文面からどんな場面を想像するかは読み手に委ねられている。などの、文学的なロマンティックなお話で締めくくられたのでした。
庭園にはちょうど水生植物が咲いていました。
スイレン
コウホネ
アサザ
お洒落なカエデたちも。
獅子頭
胡蝶の舞
今回も感動の観察会でした。