イスラエル70周年 | ハッピー・バースディ・ファンドの記録

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2008年からフィリピンはデュエグ山、パンパガ、セブ島やマニラや北京のゴミ捨て場、ネパールはカトマンズ、シンドパルチョック、東日本大震災の宮城県・岩手県・福島県や熊本・阿蘇大震災などの被災地で働いてきました。愛と感謝の記録。







【5月14日
イスラエル共和国】


2018年5月14日は、米国がイスラエルの首都をエルサレムと認めて大使館を移転する極めて歴史的な日だ。


この日は、ベン・グリオン、イスラエル初代首相が1948年に独立宣言をしてイスラエル共和国が誕生してから70年目にあたる記念の日でもある。およそ2千年の時を経て、アブラハムとその子孫たちへの譲りの地が、その正統な所有者らを迎えて、クムラン洞窟での最古の聖書写本の発見や死語であったヘブライ語の復活と共に、近代国家として蘇った。この建国はまさに歴史に介在する神の御手という他ない。


中世のある賢人が言ったように、ユダヤ人の存在こそが、もっとも説得力のある神の存在証明と言えよう。この民族は国土と言語を失い、およそ2千年間も世界各地をよそ者として放浪し迫害にさらされ、現地民との混血同化と言う誘惑を避けながらも、今に至るまでユダヤ人としての民族アイデンティティを保持してきたのだ。一体誰がこの国土なき散らされた国民をこんなにも長く保たれたのか。"神の召命と賜物とは変わることがない(ロマ11:29)"とお約束された方がそうされたのだ。


同じくこの方の約束ゆえ、かの地は永遠に彼らイスラエルの所有であり、その有効性が1948年の建国によって確認された。この方とそのおことばは信頼に値することを、私たちは歴史の証人として目の当たりにしている。ハレルヤ。


しかし同時に私たち異邦人信者は、ユダヤ人らに借りがあることを覚えたい。彼らには神のことばが委ねられ、子とされることも、栄光も、契約も、律法も、礼拝も、約束も、父祖たちも彼らのものであり、メシアもまた彼らから出られた(ロマ9:4,5)。つまり私たち異邦人はユダヤ的な霊的資産の分与に与っている。キリスト教の原型は“ナザレ派”、すなわちナザレのイェシュアをメシアとして信じたユダヤ教の一派なのだ。


ところが、人間側の視点で言えば彼らユダヤ人らは神の義を知らず、自分の義、つまり律法による行いの義によって到達しようとしたがゆえに、民族の大多数が福音に躓いた。しかし神のご計画から俯瞰(ふかん)するなら、彼らは倒れるために倒れたのではなく、かえってそれによって救いが異邦人に及んだ。


その結果、日本人であるお互いもまた、福音を通してこの救いに与っている。なんということだろう、神は、野生種の枝を接木するために、もとからあった麗しい栽培種の枝を、惜しみながらもその台木から折り捨ててくださった。それは、私たち値なき異邦人が受けた憐みによって、彼らユダヤ人らも憐みを受けるためである。


そういうわけで、私たち異邦人は、彼らに福音宣教することによって、彼らのメシアを彼らにお返しする義務がある(ロマ書9章-11章参照)。


ところが歴史の悲劇とは何か。後から接ぎ木された支流に過ぎない我ら異邦人が、源流である彼らユダヤ人と彼らのメシアを引き合わせるどころか、むしろ長きにわたって両者を引き裂いてきたのだ。彼らは長い間「キリスト殺しの呪われた民」のレッテルを貼られ、キリストの御名において教会から迫害されてきた。しかし彼らユダヤ人を抜きにしては、この福音は決して完成しない。


近年そのことに目が開かれ、イスラエルの位置を正しく理解し、彼らを愛し、彼らのために祈るキリスト者が世界中におびただしく起こされている。そのことと、イスラエルの建国および、強制改宗などと言う中世の忌まわしい方法ではなく、真心からイェシュアを信じるユダヤ人信者が近年急増していることとに、相関関係を認めない訳にはいかない。これはまさに、今が“終わりの時”であり“時のしるし”として認識されるべき事柄ではではないだろうか。


いずれにしても我々異邦人信者は、霊的には彼らユダヤ人から貰い物をしているのだから、彼らに返さなければいけない借りがある。もし、彼らが捨てられることよって世界に和解をもたらしのなら、彼らの回復は、それにもまして大いなる祝福を世界にもたらすことになるに違いない。


この霊的戦略的観点から、台木から折られた栽培種の枝であるユダヤ人の回復と救霊のために祈ろう。また、ユダヤ人コミュニティからの排斥と迫害を避けて通ることのできない、すでに救われているメシアニック・ジュ―らのためにも祈っていただきたい。


(ユダヤ教75.4% イスラム16.7%、プロテスタント0.42%、カトリック0.99%、英国教会0.02%、正教会0.57%、その他)



MTCスタッフ
石野博