エジプト展は面白かった。
5人で待ち合わせして一緒に来たけれど、館内を見て回わるときは、なんとなく男2人と女3人に分かれていた。
博物館を出てから、5人でお茶をすることになった。
まだ時間は早かったから。
ドリンクをオーダーをするときに、みんなはコーヒーや紅茶を注文したけれど、安藤くんが連れてきた彼だけはお酒を注文した。
彼はメニューを見ずに、耳慣れないカクテルの名前を告げた。

ランボーが好きだったお酒なんだよ。緑色のお酒なんだ。

でも、その店には置いてなかった。

私は頼むつもりだったアイスコーヒーと、グラスホッパーを注文した。
グラスホッパーも緑色をしている。

待ち合わせは渋谷。田舎者みたいにハチ公で待ち合わせすることにした。
冴えない女友達3人とだけより、年下の男の子2人も一緒のほうが楽しめそうだ。

安藤くんはまだ20代で身長もまあまあ高くルックス的にも悪くはない。
でも、安藤くんが連れてきた友人はもっと素敵だった。
何故だろう。
一目見ただけで、私は心を惹かれてしまった。
お洒落だから?
違う、それだけじゃない。
私を真っ直ぐに見つめる、その瞳。
純粋で無垢で。
彼自身が眩しい光に包まれて輝いているような気がした。
自分の部屋でうとうとしていると、電話が鳴った。ドキリとした。
もしもし…?

携帯ではなく、自室の電話が鳴ることは珍しい。
恐る恐る受話器をとると、元気な男の声が聴こえた。
「もしもし、ルナちゃん? 安藤だけど…今、電話して平気?」
電話の主は、年下の友人、安藤くんだった。
「今、友達のとこ、泊まりにきてんだ。ルナちゃん、何してた?」
特に用はなさそうだ。単なるご機嫌伺いの電話なら、暇つぶしに気楽に楽しい。きっと向こうもそうだろう。
「明日は何してんの?」
「明日は友達3人でエジプト展を見に行くのよ」
「俺も一緒に行ってもいい?」
「いいわよ」
「あ、ちょっと待って。隣にいる友達も一緒に行きたいって。いいかな?」
「いいわよ」