彼は私に、そっと託した。
それは、小さな小さな……。
小さいけれど、その中には、無限の世界が広がっていた。
彼が私に託したのは、宇宙の銀河だった。

君に託すよ。
これからは、君が守ってね。
僕は君を守るから。

私はうなづいた。
そのときは、まだ意味もよくわからずに。
人間は進化し続けている。
二つの眼球が、顔の正面に並んだときに(魚や両生類は正面には並んでいない)、はじめて視界は交差し、対象物を立体的に捉えることができるようになった。
対象物を、3次元的に物理的に認知できるようになったのだ。

果たして、人間の肉体的な進化はとまったのか?
否、違う。
進化は今も続いている。

人間の脳は、50%しか機能していない、と言われている。
見た目の物理的変化ではなく、脳の機能が進化しているのではないだろうか。

物事には、すべてに意味が込められている。
見た目には見えない、込められた意味を認知する脳。
進化した脳を持つ、進化した人類は必ず存在している。
空間の狭間に、別の世界への扉が点在している。
縦×横×高さに時間を足した四次元に生きる人間には見ることが出来ない扉。
それは、素粒子レベルの極小のナノの世界だ。
だが、その微小な点の先には、我々が関知できる想像を遥かに超えた、広大で無限の世界が広がっている。

我々の中には、ごく少数の稀な人間だけが、その確かに存在する異次元世界を関知することができる。
ある人は、気配として。
ある人は、感覚的に、第六感として感じている。異次元世界からの囁きを。
そして、ある人は聴覚で捉えることができる。物理的には聴こえないはずの確かな声を聴いているだろう。

異次元世界は、多重次元だ。4次元をはるかに凌ぐ次元世界。
時は流れていない。
すべては同時に存在している。
過去も未来も。宇宙の始まりから終わりまで、果てしなく続く世界が確かに在る。