リクルートのムック、「じゃらんDEデート」は、準備前段階こそ会議6ケ月だったが、実際の制作期間は約2ケ月。取材シート云々はこっちのノウハウ。
2ケ月でチーム編成を行い、すべての作業を片付けた。本誌からの写真&原稿の流用はゼロで、すべて2ケ月で 情報を集め整理し形にしたのだ。
あのムック初回のノウハウを応用すれば、全国展開の地域情報サイトは立ち上がる。
ということを、あの時彼に教えてあげればよかったな。

ちなみに、「じゃらんDEデート」は、最初はメディアファクトリーから発刊された。
メディアファクトリーは、書籍専門だったリクルート出版がCIしたもので、「じゃらんDEデート」は、会社としてムック事業の第一号だった(だから会議を半年もしてしまった、というわけだ)。
「じゃらんDEデート」自体にも実は既存ムックとは一線を画すノウハウが詰められていて、だからこそ2万部で成功のムック事業で、4万部2週間完売、翌年からは初版10万部という出版物になったと思っています。
が、秘められたノウハウは、翌年以降からの制作に携わった人、つまりは既に出来上がっている物をなぞらえる作業、クリエイトではなくメイキングだけの人には決して分からないのです。

ちなみにメディアファクトリーは、リクルート出版からテコ入れの際には、ムックではなく書籍でも、外部プロデューサーを6人たてて、プロデューサー一人につき責任をもって半年に10冊出す、そんな作戦も実行してましたね。
知識よりも、ノウハウを身につける。
知識や体験は、ノウハウに昇華してこそ価値となる。

ノウハウは、応用できる。
約10年前のITバブル時代、某ベンチャー社長が「2ケ月で、全国に地域コミュニティサイトを立ち上げたい」と話していた。
私は彼の希望を耳にしたとき、リクルートのじゃらん事業部の立ち上げ、を思い出した。あの手法を応用すれば、彼の願いは実現すると思った。
新規事業というのは、最初から大人数でスタートするものばかりではない。
本当に本当の立ち上げは、わずか数名で行われるものだ。
リクルートの場合、じゃらん事業部立ち上げは3名で行われたと言ってもいいだろう。
編集的担当一名、営業的担当一名、補佐の女性一名だ。
ご存知のように、じゃらんは国内旅行情報誌。今は紙媒体を核にしてネットビジネスをはじめ多角的な展開を広げているが、最初の立ち上げは紙媒体だった。
紙媒体の販売は首都圏エリアだが、旅行がテーマなので、その必要な情報は全国エリアに渡る。
そこで紙媒体のコンセプトワークとは別に、同時進行で、まず全国エリアを網羅できるように、全国を7つに分けて、7つの地方の編集プロダクションをつないだのだ。ひとつの編プロは自分の地元エリアにだけ詳しいが、そんな編プロを7つネットワークすることで全国すべてのエリアをカバーする。テーマ設定は東京で行い、東京から地方にお仕事発注して、写真や原稿を送ってもらう。
マスコミは東京にしかなさそうと思われているが、地方には必ずタウン誌を作っている編プロがあるものだ。

地域コミュニティもこのノウハウで作れると思った。タウン誌編プロに頼まなくても、自社で全国に営業拠点があれば可能だ。
素人でも出来るように(営業マンは、取材や編集経験はない)、取材シートを用意する。営業マンはただ手渡すだけでいい。相手に目を通してもらい、相手が書き込みするだけでよいシートをきちんと用意するのだ。営業マンが再び回収して、それを東京へ送る(今はメールがあるから便利ですね)。
東京でスタンバイした編集スタッフが、その取材シートをもとに原稿をリライトして完成させる。コーディングやウェブデザインも、東京で一気にやってしまえばいい。
エリアマップは地図をトレースすればOK。業務提携も必要なし。
こういうのが、ノウハウだ。
大学受験のときは知らなかった真実。
学歴は、就職する際のの、しかも新卒就職の時の最初の書類選考までしか関係ない。
東大でも青学でも、入社できれば同じだ。入ってしまえば、同期として同じスタート。
今、世の中で活躍している知人を見ていると、
「本当に学歴は関係ないな」と思う。
社会に出てからは、本人の頑張り、運やチャンスが大きい。
もちろん、本人の生まれ持っての資質も大事だ。
官僚や研究者といった世界は別だと思うが、私の周囲の業界系社会では、例えば、USEN社長のUさんは明治学院大学、エイベックスの執行役員になったAさんは立教、といった具合に、若くして成功している人の学歴は意外にたいしたことない。
他にも、大手出版社や大手広告代理店には東大卒をはじめとする高学歴はゴロゴロいるが、いま出世コースに残って活躍している人と学歴は全く比例していない。
要は、実力と運。
実力を磨き、やってきた運やチャンスを、キャッチすること。逃がさずにモノにすることは必要だ。

では、なんのために大学へ行く必要があるのか?
大学とは、勉強をしにいく場所ではない。
大学とは、生涯付き合える友達を見つけるためにいくところ。
そして、社会に出る前に、社会に出てからの練習をしにいく場所だ。
高校までとは全然違う人間と必ず出会える。
大学時代にたくさん遊んで楽しむことで、たくさんの経験をすることで、人間はブラッシュUPされる。
それが、社会に出てからの必ず力になる。
いま見回してみて、世の中で活躍している人々の多くと、大学時代~社会人の遊び場で出会ったことか。
今はみんな真面目な顔した実力者たちだが、みんな昔はお茶目でヤンチャだったよね。

自分がまだ何者でもない時代に出会った友達や人間関係こそが、将来は財産になる。
同じ大学だったり、違う大学だったり。
自分がたくさんの引き出しを持っていればいるほど、いろいろな人と出会い、将来のチャンスや仕事や人脈になる。
大学へ行ったほうがよいのは、大学でしか出会えない友達が待ってるから。
大学時代にしか経験できないこと、知ることができない世界があるから。
学歴のためでなく、質と可能性が高い友達と出会うために、上の大学を目指したほうがいい。
でも、それはゴールではなく、スタートだ。