「狂信的な国家主義」の防止が必要
昭和5年(1930年)に起きた浜口首相狙撃事件に触発されるように、日本国内
では軍部や右翼によるテロ事件やクーデター(未遂)事件などが相次いで起きる
ようになった(日本の昭和初期の右傾化)。
そして、昭和6年(1991年)の満州事変が起き、血盟団事件や五・一五事件など
の右翼テロやクーデターが相次いで起きるようになると、軍部や右翼テロリストらの
暴力や恫喝に屈するように、日本の政治家は力を失っていく(軍部の台頭)。
戦前の日本政府や警察の対応も、軍部や右翼に甘く、左派・労働運動には厳しい
取り締まりで臨んだ為、日本は軍国主義・ファシズムの「狂信的な国家主義」の国へと
変貌して、戦争を止められなくなってしまった。
浜口首相が東京駅で右翼青年に狙撃され、日本が昭和の右傾化と戦争の時代に
突入してから88年が経過した。
戦後73年が経過した今日、満州事変以降の日本の軍国主義による戦争で亡くなっ
た人々の霊に慰霊の言葉を掛けるとすれば、それは、「かつて日本が軍部・右翼を
甘やかして戦争を止められなかった過ちの歴史に学び、我々現代に生きる世代は、
過去の軍国主義・ファシズムと同様の過ちを繰り返そうとする日本の右派勢力の横暴
や狂信的な国家主義を咎めることで、戦争の惨禍を防ぐ努力を続けます。」という宣誓
が適切だろう。
日本の右派勢力による歴史修正主義や戦争の賛美は、軍国主義や侵略戦争を正当化
する暴論の類の言動であり、過去の日本の軍国主義すなわち「狂信的な国家主義」の
過ちと同様の愚行だ。
歴史修正主義という表現は、おとなし過ぎる表現かもしれない。
歴史修正主義は本質的には「嘘の歴史」或いは「歴史捏造」というべきだ。
近年、日本の右派勢力が叫ぶようになった「美しい国」とか「歴史戦・情報戦」などと
称するヘイトスピーチ混じりの歴史改竄なども、国際社会における日本の立場を悪くする
だけの妄動に過ぎない。
そして、これら日本の右派勢力の歴史修正主義(歴史改竄)やヘイトスピーチなどの
害悪を伴う国家主義は、「狂信的な国家主義」と呼ばれて世界から忌み嫌われるファシ
ズム・全体主義・軍国主義と同様なのである。
日本は、戦争の惨禍を繰り返さない為にも、日本国内における「狂信的な国家主義」の
蔓延を防止しなければならない。
そして、我々が「狂信的な国家主義」を防止すべき時期は、今なのだ。
日本の右派勢力の歴史認識の欠如と右傾化
タイトルを見て怒る右派の人も多いだろう。
しかしながら、日本が戦後の歴史教育において、過去の
戦争の負の部分と向き合ってこなかったのは事実だ。
日本が「軍国主義の間違い」や「侵略戦争で日本軍がした
残虐行為」について深く学ばずに、反省の歴史観の重要性を
義務教育で教えなかったので、現在のような右派勢力による
「南京事件は無かった~。」などの言説や「歴史戦~」などと
称した歴史修正主義が横行するようになったのだ。
戦後、日本では「過去の戦争の何がいけなかったか?」と
いうことを歴史教育で殆ど教えてこなかった。
日本と中国が国交正常化した時に、日中共同声明で
「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国
国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、
深く反省する。」と文書に残しているが、日本側は一向に
同反省の歴史観を持つに至っていない。
日中共同声明に署名した田中角栄内閣が総辞職し、
ロッキード事件後の混乱なども影響したせいか、歴史認識の
問題が日本の世論にフィードバックされることは無く、日中
共同声明にある「日本側の過去の戦争への反省」も行われ
ないまま、時間だけが過ぎ去った。
そして、今の日本の右派勢力は反省するどころか、「いつ
まで謝り続ければよい?」と開き直ったり、或いは「歴史戦~」
と称して事実と異なる歴史主張をするなどの歴史修正主義を
蔓延させるようになった。
日本の右派勢力の歴史修正主義や嫌中・嫌韓の憎悪を
煽るヘイト投稿などが横行し、日本政府が政府系サイトなどで
同ヘイト投稿記事の拡散に手を貸している現実や、日本の
与党政治家等の無反省な歴史認識の問題は、どれも国際法
(あるいは条約)違反の行為として批難されても不思議では
ない程、横暴な振る舞いばかりだ。
現在の日本の右派勢力らの歴史認識の欠如に関する問題は、
明らかに日本側に非がある。
日本は、今一度、日中国交正常化の原点に戻り、ドイツが
戦後行ってきた歴史に対する反省を見習って、「過去の戦争の
歴史に対する反省」をやり直す必要がある。
【 追記 】
最近、韓国から海上自衛隊の旭日旗が軍国主義を想起させ
るので、韓国で行う国際観艦式で旭日旗を掲げないよう要請が
あり、海上自衛隊(防衛省)がこれに応じられないので、同観艦
式への参加を取りやめた件でも、その背景にあるのは、近年、
日本の右派勢力が跋扈して日本国内世論が右傾化している
ことなどが影響しているはずだ。
日本の右派勢力の悪い点は、東アジア諸国を馬鹿にして
憎悪や差別を煽るヘイトスピーチを拡散したり、日本の過去の
戦争に対する自分達の反省の無さや勉強不足を棚に上げて、
あべこべに日本がかつて軍国主義や侵略政策で被害を与えた
韓国・朝鮮や中国などの被害国側の反日教育や反日感情に
責任があるかのような妄言を疾呼するところにもあるだろう。
繰り返しになるが、日本の右派勢力による過去の戦争への
無反省と他国に対する責任転嫁が、東アジア諸国と日本の歴史
認識問題を悪化させ続ける元凶になり始めている。
どうやら、歴史認識問題においては「日本の右派勢力の
反省の無さ」に大きな問題があることだけは間違いなさそうだ。
