それはハイフンではない③ | 甥と英語と大学受験

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予告どおり、さっそくクイズです。

 

以下の英語は、どの図を参照するように言っているでしょうか?

 

See Figures 1–4.

※Figureは「図」という意味です。

 

この場合、ハイフンではなく、enダッシュが使用されています。

 

前回説明したように、enダッシュはハイフンより長いです。

 

-   ←こちらハイフン

– ←こちらenダッシュ

すっごい些細な差ですね!

 

enダッシュは範囲を示します。

 

なので、この場合、参照すべき図は「図1の4」ではなく、「図1、図2、図3、図4」の4つになります。

 

聡明な方や地頭が良いお子さんだと、enダッシュのことを知らなくても、Figuresが複数形なので図は複数個あるという事実に気づけるかもしれません。

 

注意しなければいけないのは、enダッシュの代わりにハイフンを代用している文書もたまにあるということです。

 

なので、ハイフンが使用されていても、この文書の作成者は範囲の意味で使ったんだろうなと柔軟に察して理解した方が良いかなと思います。

 

上はFiguresが複数形なので分かりやすかったかもですが、では、以下ではどうでしょうか?

 

Fig. 1i–l

 

一番右側の文字が分かりにくいのですが、実は小文字のlなのです。

 

小文字のl、数字の1、大文字のIなどは判別しにくいですよね。

 

上の表現は実際の以下の論文からコピーしました。

 

 

Fig.はFigureの省略形で、複数形ならFigs.とするべきだと思いますが、単数のFig.のままで複数形として使用されることもあるようです。

 

上の論文を見ると、Figuresの一覧にExtended Data Fig.1があり、a~lまでの細かい図がありました。

 

ですので、今回の"Fig. 1i–l"そのうちのi~lを参照してねという意味だと思います。

 

単純に"1i–l"を文書内で検索しても出てきません。

 

enダッシュの意味を知っていないと、どの図を参照すべきか気づけないのではないかと思います。

 

ですので、大学生になり、英語論文を読まなきゃいけない状況が来たら、同時に最低限の英文ライティングルールを覚えた方が、文書を理解しやすくなるんじゃないかなと思います。