文法的に間違っている英語(だけど使用される)② | 甥と英語と大学受験

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前回の続きです。

 

ドラマ『Young Sheldon』を観ていて文法的に間違っている箇所に気づきました。

 

普段なら間違っていても気付かないのですが、今回は英語字幕があったので字幕を見ていて「あれっ」と思いました。

 

実際には口語ではこういったことはたくさんあり気に止めなくてよいと思いますが、個人的に面白いなと思ったのでご紹介しますねニコニコ

 

ドラマを観ていない方のために簡単に説明をすると、このドラマは1980年代後半から90年代のテキサスが舞台で、主人公には兄が1人、双子の妹が1人います。

 

■否定を意味する二重否定

お兄ちゃんが学校でカンニングをするというシーンがありました。

 

その後、主人公がお兄ちゃんの部屋に行き、「靴の裏に答えを書いていたんじゃないか」と問い詰めるシーン。

 

お兄ちゃんは靴の裏をふきながらこう答えます。

I don't see nothin'.

(何も見えないよ)

通常なら二重否定は肯定になると思うのですが(この場合は本来なら「見えるよ」の意味)、スラングでは否定の意味になる場合もあるそうです。

 

私はスラングがよく使われる洋楽や文学作品を今まで聞いたり読んだりしてこなかったので全く知らなかったのですが、この二重否定はスラングとしてよく使われるみたいです。

 

 

ただ、粗雑に聞こえますし、日本人が使用したら誤用していると思われるので使用しない方がよいと思います。

■副詞的に使用されるgood

主人公と妹が2人だけで留守番をしている場面。

心配したお母さんが職場から電話をします。

 

お母さんが"How's your day going?(あなたたち、うまくやっている?) "と尋ねます。

 

主人公が電話にでて、妹に「何て答えたらいいか」と相談します。

 

妹は

Say it's going good.

(うまくやってると答えて)

と言います。

 

そしたら、主人公が「そんなことは言えない。文法的に間違っている( It's bad grammar.)。」と言い、妹が「じゃあ、何て言うのさ」と訊くと、

 

主人公が

It's going well.

(順調に進んでいる)

と言います。

 

このやりとりを聞いて、私は今回初めて"going good"は文法的に間違っていることを知りました。

 

というのも、これまで会話だと"going good"をよく使っていたのです。

 

ネット辞書をひくとgoodを副詞として使用するのは〈主に米話〉アメリカ英語の口語で使用されるという意味です)とありました。

 

確かに文法的には正しくないですが、上の二重否定の肯定に比べ、こちらのgoodは一般的にも使用されているんじゃないかと思います。

 

日本語でも形容詞の「すごい」を副詞的に使用する若者が多いですよね(若くないですが、私も使ってしまいます)。その感じに似ているのかなと思いました。

 

 

■doesではなくdo

妹がマジック8ボール(アメリカで昔流行った占いができるボール)を見ているときに、

 

妹が

The ball don't lie.

(ボールは嘘つかないよ)

と言っていました。

 

学校で習う英文法だと、ここはdoesn'tにならないとおかしいですよね。

 

妹は算数は苦手ですが、EQが高く年の割に口が達者という設定です。

なので、ノンネイティブのような間違いをするというのは考えにくいので、観ていて「あれっ」と思いました。

 

何か理由があるのかなと思って調べてみたら、こちらの表現はバスケットボール業界でよく登場する表現みたいですね。

 

審判に対する抗議を暗に意味しているようです。

 

 

文法的に間違っていても、バスケットボールプレイヤーが発した荒っぽさも含めて、このフレーズはそのままの形で使用されているみたいです。

 

『Young Sheldon』は人気がある海外のドラマなのでファンサイトがあり、そこには登場人物の発言が掲載されているので、スクリプトを確かめることができました。

しかも、検索できるようになっていてとても便利でしたよニコニコ