ひと通り真田町を散策し、上田の中心街に入る。
いわゆる城下町だ。北国街道の雰囲気を今に伝える
柳町は瓦屋根の古い家並みで是非とも訪れたい場所。

天然酵母のパンが人気の「ルヴァン」に入る。
古民家風の内装に、独特の造形をしたパンが置かれたカウンター。
非日常空間を存分に味わえる。

「不二子ちゃぁ~ん!」
なんてモノマネをしようものなら、固いパンで店主に殴られるかもしれない。
(そんなことはない)

クルミはちみつパイとメランジェを購入。
さっそくパイを食べてみる。

すごい。こんなにサクサクパリパリな食感は
なかなか味わえない。かといって、バターたっぷりという
しつこさも感じない。丁寧に作っているなぁ、と感動する。
しかし、お値段はそれに見合ったもの。
観光中だから買っちゃうけど、近所にあっても
なかなか買いに行かないだろうなぁ。
親友の奥様が上田に詳しいので
美味しいお店に関して色々と情報をもらっていた。
信州の味といえば「おやき」である。
次に向かったのは倉田菓子舗。柳町から近い。
まだ早い時間で商品が揃っていない感じだったが
とりあえずナスのおやきを発見。さっそく店内でいただく。

今まで様々な店で沢山のおやきを食べてきた。
粉の配合や具材がそれぞれ違うので、おやきといっても
非常に奥が深い。その家のお母さん、お婆ちゃんの
スキルや伝統が味を紡ぐ。
このお店の味も初めての味わいだった。
モチモチしているんだけど、歯切れが良く
ナスに絡んだ味噌も絶妙の刺激。
「美味しいなぁ・・・・」
思わず唸っていると、店番のお母さんが
「それはね、米粉と蕎麦粉を使ってるの」
と思い切り企業秘密を教えてくれた。
かといって、簡単に真似できるものではない。

親戚が横浜にいるとのことで会話が弾み
お団子までいただいてしまった。これまた
関東で食べるものと全く違う。タレの味に頼らなくても
充分美味しいのだ。
「今度は沢山買います!」
と口約束して店を出る。味も人も、良い出会いだった。
昼食に向けて少し腹ごなし。駅まで歩く。
駅から数分の距離に有形文化財に登録された
和洋折衷の建物がある。お菓子専門店として
100年以上の歴史を誇る飯島商店である。

長野県民なら誰でも知っているであろう、みすず飴。
飴といっても、少し硬めで弾力のあるゼリー菓子だ。
パッケージの中に6種類の味が入っている。
昔、よく親戚がお土産に買ってきてくれた。
子供の頃は喜んで食べていたが、大人になってから
食べてみると、その甘さにクラクラする。
自由に試食できるので、久しぶりにパクッ。
うん、やはり暴力的に甘いぞ。

今回の目的は無香料無着色、素材にこだわった
四季のジャムである。これまた試食自由ということで
ほとんど全種類味わってみた。(10種類以上)
お土産用、自分用に桑の実と三宝柑をチョイス。
糖度は高いが、たっぷり使わなくても充分味わえるので
かえってヘルシーかもしれない。
パンにヨーグルトに、水で薄めてジュースに。
用途は多い。
そろそろ11時を過ぎたので昼食。
次もオススメしてもらった店、刀屋という蕎麦屋へ。
メインストリートから折れ、少々閑散とした場所だった。
店に近付いていくと、早くも20人ほどの行列ではないか。
直木賞作家で歴史小説を多く残した池波正太郎も
愛した名店らしい。ちなみに「真田太平記」ゆかりの地である
ことから、記念館が近隣に建てられている。
暑さの中、行列に耐えて店内に入る。
名物くるみ蕎麦を注文すると店員さんが
「普通でよろしいですか?」
え?普通は普通を頼むんでしょ?
「ええ、はい・・・・」
まさか、この普通が普通じゃないとは知る由もない。
数分後、運ばれてきた蕎麦を見て一瞬動きが止まる。
これが普通なのか?どう考えても山盛りじゃないか。
壁のお品書きを見ると、蕎麦の量は大・普通・中・小から
選べるみたい(だった)。

だいたいね、おみくじでも「吉」と「中吉」の
どっちが良いのか、いつも悩む人間だから。
「普通」と「中」とか全然ピンとこないワケで。
先程、パイやらおやきやら団子やら食べ
ジャムもたっぷり試食した比較的小食な男子が
対峙する蕎麦は山脈にしか見えない。
くるみダレと味噌を汁で溶きながら食べるようだが
通を気取る場合、まずは何もつけないで噛みしめる。
おおっ!
太目でしっかりしたコシ。そして広がる風味。
これまで食べた蕎麦の中でも最高ランク。
いや、初登場1位かもしれない。
甘めのつゆに浸しても蕎麦の味が残る。
確かに、この量は予想外だったが夢中で完食した。
旅の高揚感に胃袋が呼応してくれたようだ。
上田、恐るべし。何を食べても美味い。
観光抜き、食べるだけのために再訪したいくらいだ。
信州の食を堪能し、地蔵峠を越えて長野市松代町へ向かった。
もう夕食は軽めだなぁ、と思ったが
親戚宅で振る舞われた手巻き寿司に再び立ち向かうことになる。
最近、ようやく体重が減ってきたというのに・・・・。