昨年、「姫路海城」という学校名が問題になりました。
東京には、私立「海城中学高等学校」という超進学校があり、これと何らかの関係があると思わせるからです。
「姫路海城」側は「海城中高」の存在は知っていたが、「姫路」が付いているから、問題ないと思ったとのこと。
結局、「姫路海稜高校」という学校名にすることで落ち着きました。
この件に関して、私が昨年11月に産経新聞にコメントを述べさせて頂いたので、宜しかったら、チェックしてみてください。
これと同様の事件が過去にありました。
「呉青山学院」です。
東京の「青山学院」と混同を生じさせるため、問題になり、裁判にまで発展しました。
しかし、実は「青山」は広島県の地名であり、呉青山学院中学も「呉市青山町」にあります。
「地名を学校名に付けて何が悪いの?」
というのが正直な主張でしょう。
もちろん、東京の「青山学院」も「青山」(東京都)という地名が由来です。
「東京と広島に同じ地名があるから、学校の名前が同じになっても仕方ないんじゃないの?」
というの正直な感想でしょう。
そこで「呉青山学院」の事件はどう決着したのでしょうか?
「学院」を抜いて「呉青山中学・高等学校」という名称になりました。
東京の「青山学院」が著名だからです。つまり、「学院」が入っていることで著名です。
「あおがく」と略称されることも多いです。
「呉青山中学」であれば、「地名+中学校」であり、これ以上は文句のつけようがありません。
商標法には、地名(役務の提供場所)からなる商標には、商標権は及ばないという規定もあります(26条)。
たとえば、地名を商標に付したら、たまたま同じ名前の商標登録がされていても、その商標権は及ばないという規定です。
同じ地名が全国にあることで、このような争いが起こります。
有名な学校名の「あやかり」があることも否定できません。
さらに、「自由」「愛」「誠」「真」など、校訓を学校名に入れると、同じような名前になることもあります。
When schools include their school missions in their names, such as “freedom,” “love,” “sincerity,” or “truth,” they sometimes have similar names.
少子化に伴い、学校の併合が多く、その際に、新たな名前を付けるに際し、今後はこのような事件が頻発することが予想されます。