すごいおもてなし。 | ぴぽたぬ記

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かわいいものが大好きです♡
ちいかわ、サンリオ、アイスが好きです♡+.。
絵を描いてラインスタンプ作ってますが、下手です。
でも、ブログの最初の頃に比べると少し上達した気がします。
ブログは、ちょっと様子おかしいことが多いです。

そのお店は、完全予約制でメニューはコース料理のみだった。

 

 

 

コースはお任せのみだが、毎回違うメニューを出してくれる。また、料理の味はもちろん、見た目もとっても素晴らしい。

マスターから特に話しかけられるでもなく、お客さんは数組しか入れない。居心地も非常にいい。

 

 

 

私は、そのお店が1番好きで、行くたびに感動していたし、そのお店がいかに素晴らしいかを色々な人に話した。

 

そこでおいしい料理を食べるたびに、

 

あぁ生きててよかったなぁ。

 

と思えた。

 

 

 

***

 

そこのお店から遠いところに引っ越すことになった。

これまでみたいに気軽に行けなくなってしまうので、予約を取れるだけ取った。

予約を取りづらいお店なので、行きすぎて迷惑だろうなぁと思いつつ、多い時には3日に2回行った。

 

 

 

毎日でも行きたいくらい、本当に素晴らしいお店だった。

 

 

 

一緒に行った人も、みんなそのお店と料理を褒めてくれた。

私の大好きなそこが褒められると、何だか自分が褒められるようで、私まで嬉しくなった。

 

 

 

***

 

マスターには、引っ越すことは一切言わなかった。

しかし、あと残りの予約が1回、となった時、マスターから電話がかかってきた。

 

 

 

 

「ごめんなさい、突然。

会話の内容が聞こえてきていて、もしかして、と思い気になって電話させていただきました。

 

 

 

 

遠くに行かれてしまうんですか?

 

 

私は、引っ越す予定だということ、次にお店に行くのが最後だということ、そして、これまでの感謝を伝えた。

 

 

 

マスターは、

 

「そうですか。とても寂しいです。

次回も、精一杯おもてなしをさせていただきますね。

 

と言った。

 

 

 

***

 

いよいよ、最後の予約の日になった。

いつも通り、1品1品素晴らしい食事を楽しんで、残り一品となった時、マスターが私に言いにきた。

 

 

 

「あぁ。終わってしまいますね。」

 

しんみりしたのが苦手な私は、いつも通り「全部とってもおいしいです!」とだけ言った。

 

 

 

***

 

 

コースの最後のメニューも食べ終わり、幸せいっぱいの気持ちでお会計をお願いすると、マスターが言った。

 

 

 

 

「今日のお会計は結構です。」

 

 

 

マスターは続けた。

 

「私からの餞別です。

これまで贔屓にしていただき、本当にありがとうございました。」

 

 

何度も払います、払わせてください、と言ったけれど、マスターは受け入れなかった。

 

 

 

 

かわりに、

 

「また食べにいらしてくださいね。

 

どうかお体に気をつけて。」

 

と言った。

 

 

 

***

 

たくさんいわゆる「いいお店」には行くのだけど、今のところ、あのお店を超えるお店に出会える気はしない。

 

そして、またあのお店に行くのを楽しみに、今日を過ごしている。