一部しか知らないのに、知ったような口をきく、
ということは、よく耳にする批判である。
しかし、
自分のことでさえ自分にもわからないのだから、
自分以外のことなんてわかるわけがない。
逆に一部を知って、
全てを知ったような口を聞けるのは、
なかなかすごいことなのだ。
というわけで、今日は一部を知って、
全てを知ったような口をききまくっていくことにする。
仲良しのちびっ子Aが、
今、太宰治の「人間失格」を読んでいるそうだ。
>Aはとても頭がいい子
以下、Aと私とのラインのやり取り。
私→A
A→私
私は、「人間失格」というタイトルは聞いたことがあるが、
実際に読んだことはない。
そして読むつもりもない。
>え
しかし、今、世間は夏休みである。
夏休みといえば、読書感想文である。
>嫌な予感
そこで、今回、
Aから得たこの本についての情報
「生まれた時から失格」だけをもとに、
人間失格の読書感想文を書いてみようと思う。
>以下、とんでもない茶番です
まず、読書感想文を書く前に、
いい読書感想文というものを学ばなければならない。
参考にしたのは、こちら。
青少年読書感想文全国コンクール。
https://www.dokusyokansoubun.jp/list.html
去年の最優秀優秀作品を読むことで、
傾向と対策を知るのだ。
小学校低学年、中学年の昨年の最優秀の感想文を読んだ。
小学校低学年の部の最優秀作品
https://www.dokusyokansoubun.jp/text67rd/stei.html
小学校中学年の部の最優秀作品
https://www.dokusyokansoubun.jp/text67rd/styu.html
その上で、私のよい読書感想文についての研究結果はこれだ。
(1)1文目に、この本を読んだきっかけ
(2)本の登場人物と共通の経験
(3)この本から得た学び
(4)自分の今後へとつなげる
以下、これを盛り込んで、
読んだこともない本についての感想文を書いていく。
「人間失格」を読んで
(1)※本を読んだきっかけ
私がこの本を読もうと思ったのは、
主人公の名前「失格」が、
偶然にも私と同じ名前だったからである。
>Aに教えてもらった「生まれてきた時から失格」という情報から、失格は名前と判断
(2)※本の登場人物と共通の経験
私は、これまで、この名前で数々の辛い思いをしてきた。
それは、この本に出てくる「失格」も同じだったようだ。
主人公「失格」が全科目でカンニングをして、
義務教育の小学1年生を留年したとき、
友達、先生たちは、主人公「失格」に対して「人間失格」と言った。
私は、主人公「失格」の気持ちを考えると、悔しくて仕方なかった。
この名前のせいで、人格の全てを否定され、ネタにされ、馬鹿にされる。
しかし、人ごとではなかった。
なぜなら、私も、小学2年生を留年したからである。
今、私は、8回目の小学2年生である。
小学3年生の壁は高い。
(3)※この本から得た学び
もっとも、私は何一つ諦めていない。
それは、この本の主人公「失格」をみて、
私も諦めてはいけないと学んだからである。
主人公「失格」は、周囲の人から、
「人間失格」という、人格をも否定する発言に対して、こう言い返す。
「人間って何?」
さすが、小学1年生で留年するだけのことはある。
主人公「失格」は、人間が何かを知らなかったのだ。
(4)※自分の今後へとつなげる
私の今の目標は、義務教育を修了することである。
しかし、この本に出会う前の私とは違う。
今の私には、この本の主人公「失格」という、仲間がいる。
今後の人生、私は、
どう頑張ってもひとりぼっちにはなれないようだ。
完璧な読書感想文ができた。
>本当の情報が一つもない