こんにちは。
今回は、私（中栖）が怒りやイライラ・不安などの
強い感情に囚われた最も苦しい状態から
どうやって抜け出したかの体験談を
３回に分けてご紹介します。
私は今から18年ほど前に夫と死別し、
その後うつとパニック症と診断されてからおよそ10年の間、
心療内科に通院しながらカウンセリングを始め
さまざまな心理療法を試し、自らも学ぶことによって、
少しずつ回復し、ひきこもり状態から抜け出すことができました。
最初の一年ほどは本当に酷い状態でした。
一日24時間の内、18時間から20時間の間
寝続ける日々が数ヶ月続いたり、
何も食べれず眠れずのため病院に点滴に通うのですが、
支えてもらわなければ歩けない状態が続くこともありました。
本当に危うい状態だったと思います。
今ではおかげ様で
ダンスを思いっきり踊り、
ヨガで心地よく身体を動かすなど、
初対面の方に病気だったことなどを話すと
「とてもそんなふうに見えない」と驚かれたり
「どうやって乗り越えたんですか？！」と聞かれたり。
ダンスレッスンでは
「先生の笑顔を見るだけで楽しくなります♪」
と嬉しいお言葉をいただいたりするまでに回復しました。
しかしそんな私も、実はここ数年前までは
なかなか手放せない、厄介な感情に
悩まされる日々を送っていました。
肩凝りや腰痛という身体の症状も
なかなか改善されなかったのです。
うつとパニック発作を発症したのも
死別だけが原因ではないと自覚し、
生育環境やさまざまの被害体験によって
根強く残る思考のクセが、
怒りや不安・イライラなどの強い、手強い感情を
更に厄介で手放しにくいものにしていたことも
心理学を学ぶ中で理解していました。
そう、頭ではわかっていたのですが
実際にそうした状況になると、
感情の荒波に理性という”考え”が追いつけるはずもありません。
もちろん、病状が最も酷かった頃に比べると
格段にそのような感情に翻弄されることも
少なくなってはいたものの、
根本的な解決には至らず、気がつけば
子どもとの関係や、その他の人間関係において
適切な対応ができずに結局途方にくれている、
そんな日々を送っていました。
そして・・そんな時、ついに出会ったのが
”マインドフルネス”という心理療法です。
私が最も敬愛し師とあおぐ方からの情報で、
さっそく説明会に参加したその時
「あぁ、今の私に必要なのはこれだ！！」
というふうに思ったことを今も鮮明に憶えています。
マインドフルネスとは・・・
今起きていること、感情や思考などに良い・悪いの判断や
干渉をせず、ただ観察し、気づくこと。
今の自分をありのままにみていること。
・・なのですが、
つまりどういうことかというと、
私が長年悩み苦しんできた、
強い感情に翻弄され囚われることから解放されるための、
言わば「心のエクササイズ」なのです。
そう、本当にラクになるためには、
ゼッタイに必要な、方法だったのです。
確かに、18年前当時の私にとっては、
心の中に渦巻き溜まりに溜まった感情を
否定や批判、評価をせず”聴いてもらう”
のはまず最初に必要なことでした。
そんなふうに、”本来の意味で”聴いてもらう
ことによって、誰もが生まれ持つ当然の権利である
「人として尊重されること」を体感し
安心感や自信を取り戻すことができました。
傷の手当てができたのです。
そして同時に、なぜ怒りや不安、イライラを
こんなにもこじらせてしまうのか、
”心のしくみ”を知ることによって、
「こうなるのは私が悪い」
「人として劣っている」
ということではないんだと実感できました。
必要以上に自分を責め、
罪悪感に苦しむことも少なくなっていきます。
どちらも、とても大切な、必要な作業でした。
そしてどちらも、それを提供できる専門家は
そんなにいないと思うので、
それができる方にめぐり逢い、
その本質を直接教わることができたことは
とても幸運なことだったと思います。
その体験があればこそ、今こうして生きている
と言っても過言ではありません。
本当に、救われました。有り難かったです。
しかし・・・
今思えばやはりそれでも、十分ではなかったんです。
…なぜなら、これからも人生は続きます。
”これまでのこと”に一応の整理がついたとしても、
生きていれば次々といろんなことが起こります。
そんな中、土台となるものがこれまでのままで
これから起こることに対応できるかというと、
元気な人でも生き辛い世の中です。
当然、そうはいきませんでした。
生育環境や被害体験などにより
身に付いた思考のクセは、
時には非常に切迫した状況で、
存在を脅かされるような恐怖、
あるいはとてつもない悲しみを感じ
それに押しつぶされ壊れてしまわないよう、
自分を必死に守るために身につけたものなので、
そう簡単に変えられるものではないんですよね。
人生の中で繰り返し反復することにより
強化されてもいます。
やっと安心することができ、
自分がわるいのではない、と実感できたとしても、
それで考え方のクセまでが一夜にして変化する訳ではありません。
これまでずっと反復強化してきた考え方、ものの見方を
変えるためには、日々の練習（エクササイズ）が必要でした。
右利きの人がすぐに左手で、右手と同じような器用さで、
食べよう、書こうとしてすぐにはできないですよね。
余裕のある時ならできるかもしれませんが
急いでいる時やとっさの時には
やはり慣れている方の手が出てしまうでしょう。
利き手のように使うには練習が必要です。
同じことで、
心のしくみを知ってある程度応用もでき、
コミュニケーションのスキルを知っていても、
それがすぐに使えるかというとそうはいかないです。
とっさの時、強い感情に襲われた時、
想定外の出来事が起こった時には特に。
それを対応可能にしてくれたのが、
日々の心のエクササイズ、マインドフルネスです。
もっと具体的に言うと
マインドフルネスで得られる”気づきの力”。
思考や感情、身体感覚など、
私たちは、気づいているようでいて、
実は多くのことに気づいていないのです。
（それは、「自分には考え方のクセ（認知の歪み）
があると知っている、それに気づいている」
ということではないんです。）
そしてまさにそのことが、
自らを苦しめ、縛り付けていたのです。
～～こちらに続きます。
①頭ではわかっていても、できない本当の理由
こちらの講座は終了しています
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～思考のクセに気づく～
■私たちを苦しめ翻弄する怒り
～原因や扱い方、癒しに変える方法～
■怒ってはいけないとわかっていても
いざとなるとできないのはなぜ？
■不安の正体
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