首都高、それはもはやステータス。
前回はこちら↓
ZX-12R ちょっとしたオイル滲みから~エンジンOH!?~その2
腰下が組み終わった。
後はヘッドを待つのみだが、
その間にメンテの一環としてウォーターポンプの改善。
この車両は同軸でオイルポンプも駆動している。
トロコイドとインペラを同調させるとはまた面白い構造だ。
これだけの高回転エンジン、冷却圧送を重視すればギア比を落とすが
それだとオイル圧送能力が落ちる。
なので通常は別軸にして回転を個々で管理するパターンが一般的だが
その高回転時は速度も出ていると想定し
外気送風を受けるラジエター能力に移行いていく考えだろう。か。
中は見ての通りだ。
いくら防錆入りだとしても常に水に浸かっていれば
こうなるのは必然だ。
ケース内と遮断するメカニカルシール。
どの車両もこの交換は難儀する。
そんな時、連絡が来た。
加工ヘッド、完了。
メーカー値178psに対抗できる仕様だ。
今まで12RでエンジンノーマルのPCセッティングだと
後軸160ps辺りが妥当。
クックック。
このエンジンならアクセルを開ける恐怖を味わえるだろう。
バルブ清掃。
バルブ擦り合わせ、フェース確認。
マニュアル上、IN0.5~1.0 EX0.8~1.2
この数字だけでもチューンドエンジンと言わざるを得ない。
アタリ幅が1mm以下を指定するエンジンはそうない。
カムアングルもそうだが、
12Rのエンジン設計は相当攻めてると言える。
シートカットはアタリ幅だけに捕らわれず
なるべく外に位置するのがいいだろう。
巷のビッグバルブはシートカット対応が多い。
例で言えば49mmから50mm~辺りに変更か。
これもシートカットをミスれば
ノーマルバルブと何ら変わらなくなる訳だ。
クックック。
ビッグバルブを組んだ?
逆にスモールになってなければいいがな。
無事にインストール。
次はピストンだ。
当然の様に、違いはある。
量産工業製品ならアタリマエだ。
ピン自体も同じ事。
当店の測りが高性能で無い為、2本で差異を判断する。
これの組み合わせでバランスさせていく。
その数gで何が変わるのか?
クックック。
「造る」と言う事はその小さい積み重ねだろ?
組みこんでいく。
リップが生きてると、シリンダーは入れやすい。
ヘッド積載。
スルーボルトは交換だ。
冷却の要、サーモスタットも改善したい。
なにせここは車載したら交換は不可。
と思った方がいいだろう。
なぜなら高熱にさらされる部分で5mmボルトだ。
バルブクリアランスを取り、無事に完成した。
後は車体に載せてもらい
次は実車を預かることになるだろう。
なにせ単体での作業だ。
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RS-M