それは…
チュン君は
ライオン

と言う事。
ことの発端は チュン君が3歳くらいの時の事。
家族でアフリカンサファリ

その日はあまり混んでなく、すんなりと
サファリパークのジャングルバス

ジャングルバスでは、人間が檻に入った状態で
肉食獣に餌を与える事が出来たり、
通常より動物達に近づく事ができるのだ。
そして、いよいよメインイベントとも言うべき
ライオン ゾーンに突入。

私達は事前に各自に分けられていた生肉をトングでつまみ

人間檻から我先に突き出す。
すると、ゾロゾロとライオン達が肉を目がけて小走りに走り寄る。

その中でも、いかにもライオンキングなお方が、
私達の肉を目がけて走ってきた!!

しかし!

目の前に来た時、ライオンキングは急停止し、

目を見開き、驚きの表情でチュン君を凝視したまま動かなくなってしまった

あれ?肉…食べないの??

肉を目の前でヒラヒラさせるも、キングはチュン君に釘付けだ。

え?こっちは餌じゃないよ?

と、チュン君を移動させるも、やっぱり、驚きの表情でチュン君を目で追うキング。

チュン君が子どもだから美味しそうなのかな~と思ったが
キングの表情は、餌を狙う獣の目ではなく
「あれ?自分、そっちで何してるん?

みたいな、キョトンとした驚きの表情で、チュンに何かを言いたげである。

それから、チュンを前後左右に振り回してみたが、←いいのか?
キングは、チュン君に釘付けのまま、肉を食べる事なく見送ってくれた…。

あれは、一体なんだったのだろうか…

そして、その後も、動物園などで、
ネコ科の肉食獣の前に行くと
突然起き上がって、チュンを何とも言えない表情で見つめる猛獣が続出

ただひたすら見つめ返すチュン君を
あんたは いったい…

そんな事は、小さい頃だけだったけど、
ライオン疑惑の発端となるに十分な事件だった。
そして、日々、観察していると、
ますます、ライオン疑惑は濃厚になってくる。
チュン君は、爪研ぎがとってもお好き。
私が、いらなくなった爪のお手入れセットをあげた時は、
この上ない喜び様で、こっちが驚いたぐらいだ…。

そして、
あらゆる所でマーキングする。

新しい場所に行くと、意地でもトイレに行って用を足さなければ気が済まない
例え、振り絞ってでも…

私が猫と猫じゃらしで遊んでいると、
我慢できずにチュン君が横から入ってきて玉取りしてしまう…

足音を立てない。

動きが異常に俊敏で驚く。

現在、バスケ部のチュン君、
ルールやチーム戦略や、サインが覚えられず、
上手くいかない事が多いが、
本能で動き出したチュン君は恐ろしいものを感じる。

さっきまで、目の前に居たのに、
いつの間にか、必ずボールの行く手に移動していて
みんなが「いつの間に!?

そして、ボールという獲物をさっさと奪いさっていく。
しかもドリブルさえも音が殆どしない。

それから…、
一旦何かに集中したら、視野が一気に狭くなる。
まさに子鹿


いわゆる望遠鏡でズームアップした状態になるのだ。

なので、文字を読む時も、その文字の前後左右は一切 目に入っておらず、
逐字読みとなってしまう。

そして、ちょっとでも気を緩めると、どこを読んでいるのか分からなくなる。

当り前だ。

その一文字以外は一切見えてないのだから、
ページの中のどの辺りというおおざっぱな位置も分からないのだ。
バスケの時も、ボール以外見えてない状態になると、
仲間達をも蹴散らしてしまい、大変な迷惑をかけてしまっている。

そして、急に触ったりすると威嚇してくる。
家では、目が合うとすぐに威嚇モードに入るので、
「私は、敵か獲物か?

そして、何よりも、
言語を認識する能力が限りなく低い。
まあ、要するにディスレクシアという事だが。
でも、私は、これがチュン君の野性的な能力の全ての答えだと思っている。
彼を見ていると、本物の生きる能力に長けた男って感じがする。
そして、彼の優しさは、
言葉や態度ではなく、
自分自身が動き、働き、示し、掴んだ物を与える優しさなのだ。
私は、こんな彼を見ていて
彼がディスレクシアで良かったと神に感謝する。
彼には、言葉なんかが必要じゃない、大きな能力を感じているのだ。
魔法の定規で読み飛ばし、読み間違いを防ぎましょう。