ある日 学校から帰ってきたチュンが
暗い声で 私にこう尋ねました。
「ママ~、靴下が 短かったら ケンカ売りよう事になると?」
は~?
靴下~?ケンカ~?
なんじゃ そりゃ~??
聞いてみると、
チュンのはいていた 靴下が短いと言って
体育の先生に
「ケンカ売ってんのか~!?」
と どつかれて チュンは尻もちをついたそうだ。
なんじゃ…そりゃ…?
靴下が 短いって何?
たしかに 規定には 短すぎるものはダメとは書いてあった。
だから 足首が隠れるぐらいの長さのものを
私が 買った。
あれじゃ ダメなのか?
あれで ダメなら ハイソックスか?
それは それで キモくないかい?
いや しかも…
ケンカ売ってるって… 売り方小さくね?
私は かなり 返事に困ったが 正直に
「ケンカは売ってる事には ならないと思うよ…」
「じゃあ どうして 先生はあんな事言うと?
靴下が 短かったら 何が起こると?」
いや…
靴下が 短くても 地球が破滅する事はありません…
「多分… チュン君が
わざと校則違反をしてるって思ったんじゃない?」
(わざとか どうかは 教師なら分かるだろうに…
せめて… 何度か注意したけど聞いてくれないとかの理由なら まだしも…)
「でも そうだとしても、靴下の長さが 何の関係があると?
短かったら 何がダメになると?」
いや…だから…
何もダメにはならないと思う…。
何かがダメになるなら 今頃 何の決まりもない 小学生は絶滅の危機だろう…
答えようがないから正直に
「子どもが 怖いんじゃない?子どもを信じるのが。
ちょっとでも 他の子と違う所があったら何かが起こりそうで
怖いんじゃない?
だから 小さい事まで みんな同じにしたいんじゃない?
同じにしちゃえば 違いを探すだけでいいから 楽だし。
だから 靴下の長さで 何かが変わるとか
足に良くないとかの理由はないと思うよ。」
それを聞いた チュン君。
「ああ だから 先生はチュン君が 嫌いなんやね~。
みんなと同じように 字とか書けんし~」
………
日本の教育界は 靴下の長さにこだわり続け、
みんな同じにこだわり過ぎて
大切な 何かを無くしてるんじゃないでしょうか??