笑う事がほとんどなかった 幼き日のたっくん
とうとう 狂ったか?と思うほど いつも笑ってる 幼き日のチュン君
そうです…
私の心は 徐々に チュン君に傾いていってしまったのです。
いや…もしかしたら 逃げたかったのかもしれない
何かが 違うと言う 漠然とした不安から
どちらにしても 酷い親だ
何度も何度も お祈りした。
『私の心をたっくんに戻して下さい。』と。
別に 私は特別 何かの宗教に信仰がある訳でも 何でもないのだが
しかし いつもニコニコ微笑んで
私が見えると嬉しそうに喜ぶ チュン君を見ると
私の心は チュン君にメロメロになった。
だからこそ 先に立てた 誓いを守るべく
私は たっくんに笑って貰おうと必死になった。
でも 頑張れば 頑張るほど 喜ぶのは チュン君ばかりで
たっくんの顔から 笑顔どころか 微笑すら見れる事は少なくなっていった
そりゃーそうなんです。
今 思えば自閉っ子にとっては 辛い事ばかりだったのだから
一日一笑 たっくんの笑顔
この目標を忘れた事はなかったが
たっくんと関わる事から逃げていた日もあった。
そして 自分を責める。
少しでも たっくんの笑顔を見たら これでよしって言い訳つけて
一人黙々と遊ぶたっくんに近寄る事をしない日も増えていた。
そして 又 自分を責める。
自分の心が醜くて醜くて 自分が怖くなった日は
『お願い 笑ってよ たっくん お願い
』
などと 泣き叫びながら たっくんにしがみつき 身勝手なお願いをした事もあった
そして その時 たっくんは…
とても迷惑な顔をして
私を引き離し
突き飛ばした
そりゃーそうなんです感覚過敏がありますから
しかし 当時の私は そんな事知るよしもない。
あ然とする 私
すると そこへ ちっちゃな ちっちゃな チュンが近寄ってきて
『マーマ ニコニコよ』
と 人差し指を頬にあてた ニコニコポーズを作る
私は いじらしいチュン君を見て オイオイ泣いた
ちっちゃなチュンは 私を慰めようと
『マーマ ニコニコよ』と 涙を浮かべて繰り返す。
ちっちゃな チュンでさえ 私を慰めるすべを 知っている。
しかし
たっくんは 傍らで起こっている 悲しげなシーンなど
見えない、聞こえない様に
ミニカーで 遊びだしたのだ
たっくんは 昔からとても 優しい子だ
愛情表現はあまりしないけど とても優しい子だ
でも その時のたっくんは 悪魔の子に見えた
普段のたっくんからのギャップが激しすぎて
ますます 悪魔に見えてしまったのだ
知らないと言う事は 本当に本当に恐ろしい事です。
私とたっくんは とても とても 遠回りしました。
私の弱さのせいで辛い思いを たくさん たくさん させてしまいました。
今は たっくんの愛をしっかり感じます。
私の愛も たっくんに届くように 毎日 愛を表現しています。
そして 私が今 心から願う事…
同じ様な事で 苦しむ親子が居なくなりますように…