自律進化組織研究所 (改 : 患者サービス研究所) -4ページ目

自律進化組織研究所 (改 : 患者サービス研究所)

結果にコミット! みずから活性化し進化する組織を実現します。

■経営者・管理職の方々から
「スタッフの意識をもっと高めたい」「スタッフの危機感がない」「スタッフに組織全体のことを考えてほしい」といった声を聞きます。
では、どのようにすれば、スタッフが変わるでしょうか?

  1. 課題について説明する
  2. 課題について考えさせる
  3. 課題について話合わせる
  4. 課題の解決策を出させる
  5. 状況を見せる

=====

 

■経営者・管理職の持つ、上記のような悩みは、
多くの組織に共通するものでしょう。

もしこれが解決されている組織が多いならば、
「うちの組織では、
スタッフ全員、考え方が経営者並みだ」
という声が、世間のあちこちから聞こえてくるはずだからです。

つまり、
スタッフとは、
「経営者・管理職ほど意識が高くない」
「危機感が乏しい」
「組織全体のことを考えることはない」
・・・というものだ、ということでしょう。

では、なぜそうなるのか?

それは、得てして
「人間は近視眼的になる」
性質があるから、ということができるでしょう。

人はどうしても眼前のことに関心を持つために
視野が狭くなり、
日々過ごすうちに、
目先の世界だけで完結してしまうので、
問題を感じなくなってしまう、という性質があるからです。

たとえば、現代の日本に暮らす私たちは、
「Wi-Fiが届かない」
ということにひどく不便を感じ、
日常生活やビジネスにおいて、
大いに不服を感じることでしょう。

しかし、
目先を離れれば、
世界には、
いまも1950年代のように
新生児の10%が命を落としている国もあれば、
1日1ドルで暮らしている人たちもいるのです。

良くも悪くも、
「人間は近視眼的になる」
性質があるということなのです。

 

■したがって、
スタッフの視野を広げるならば、
単に、
「意識を高くしろ」
「危機感を持て」
「組織全体のことを考えろ」
と言ってみても効果はありません。

今日の今日まで、いまの環境の中で、
それなりに幸せに暮らして来れているという
学習をしてしまっているからです。

では、どうすればよいか?

重要なのは
「何と比べるか?」
です。

つまり、
「もっと良い結果を生み出している組織と比べさせること」
です。

「自分が損をしている」
「このままでは不公平だ」
と感じると、
「もっと頑張らなきゃ」
と思うようになるでしょう。

あるいは、
「もっと悪い結果に落ちいている組織と比べさせること」
です。

「この組織と同じになったら大変だ」
「もっと頑張っておかなきゃ」
と思うようになるでしょう。

このように、比較対象を見せることによって、
いまの自分や自分の環境に対する課題を
ダイレクトに感じることができるのです。

その比較対象を見せずにあれこれ言っても、
スタッフに伝わるはずがありません。

「指導や教育で判らせよう」
などという発想は、横着極まりありません。

 

■スタッフを説得しようとしないほど、
スタッフに伝わるのです。

経営者・管理職が、
スタッフを説得しようとすればするほど、
スタッフには伝わりません。

「まったくピンと来ないことなのに、
この経営者・管理職は、
自分たちが気になることをやたらと説得してくる」
としか、スタッフの目には映らないからです。

こうしてみると冒頭のクイズにおいて、

[1]の「課題について説明する」
[2]の「課題について考えさせる」
[3]の「課題について話合わせる」
[4]の「課題の解決策を出させる
・・・は、いずれも、

スタッフにとっては、
経営者・管理職からの押し付けとなるので、
心に刺さることはありません。

上司がうるさいと感じて、
関係が悪くなることにしかならないのです。

したがって、正答は、
[5]の「状況を見せる」
となります。

経営者・管理職は、語らず、
ただただ、自分たちの置かれている状況を見せ、
比較対象と自分たちを比べさせることです。

すると、スタッフは、
「どうにかしたい」
と感じ、
「どうすればいいか」
を真剣に考えるようになるのです。

これが、
「課題が自分ごとになる」
ということでしょう。

課題が自分ごとになれば、
「自分たちがどんなに恵まれていたことか。
わがままをいっていてはいけない。
もっと頑張ろう」
と思うことでしょう。

あるいは、
「私たちがいかにリスクから目を離していたことか。
恥ずかしいので、もっと頑張ろう」

あるいはまた、
「他の組織ではいかにみんなが力を合わせて
良い成果を享受していることか。
このままではいけない。
自分たちももっと頑張らなければもったいない」

もしくは
「世間のみんながいかにもっと真剣かわかった。
自分たちが頑張らずに満足していたことが愚かだった。
もっと頑張ろう」
と感じるようになることでしょう。

 

■そもそも、
経営者・管理職などのリーダーの仕事は、
「部下を啓発すること」
と言えます。

檄を飛ばしたり、叱責することだと考えていたら、
部下の心が離れるだけで、
もう通用しない時代です。

そのかわり、部下に
自分の立ち位置をわからせることに
専念すると良いでしょう。

いかに蛸壺化しているか?
いかに独善化しているか?
茹でガエルになっているか?
いかに井の中の蛙になっているか?

・・・こうした視点を持って俯瞰できることを
「メタ認知」
とも言うようです。

わかりやすく言えば、
「俯瞰化させること」

それが、リーダーの最も重要な役割だと言っても良いのではないでしょうか。

スタッフがみずからの立場や組織を俯瞰化できれば、
おのずと、
「いまの自分にとって何が必要か」
「いまの組織にとって何が必要か」
を理解します。

その瞬間、
「スタッフの意識がもっと高くなる」
「スタッフの危機感が高まる」
「スタッフが組織全体のことを考える」
組織へと、変わることになります。

 

■ある組織で、リーダーを対象にリーダーシップ研修を実施することになったところ、
一人部署もあることが判明。
一人部署のリーダーはどうするべきでしょうか?

  1. リーダーシップ不要なので研修に参加しない
  2. 研修が面白そうなら参加する
  3. 参加してみて活かせることができれば現場で活かす
  4. 参加して必ずリーダーシップを発揮する

=====

 

■以前、
「フォロワーシップ研修は要らない」
とお伝えしました。

研修会社やコンサルタントは、
商品のラインナップが多いほど売れるので、
「リーダーシップ研修が売れるなら、
フォロワーシップ研修も売ってしまえ」
と考えて、
フォロワーシップ研修なるものを売り込んできます。

しかし、
フォロワーシップを学ぶよりも、
スタッフ全員がリーダーシップを学んで、
リーダー並みの広い視野、
フットワーク、
責任感、
柔軟な発想、
組織全体を視野に入れた思考を身につけた方が
はるかに生産性が高いことは明らかでしょう。

なので、
「フォロワーシップ研修は不要。
学ばせたいなら、
スタッフ全員にリーダーシップ研修を受けさせるべき」
となるでしょう。

 

■ところで、
そのリーダーシップ研修を企画する場合にも、
組織によっては、
「リーダーのところは一人部署だ」
ということが時々あります。

医療機関であれば、
「この科は、科長はいるものの、他は外部委託業者だ」
ということもあれば、
「新設部署なので、まだリーダー一人しかいない」
ということもあります。

企業であっても、
「このプロジェクトは、一人の社員が専従で取り組んでいる」
ということもあれば、
「付部長という肩書きになっているが、
実は、退職しで契約社員で働いているため、実質的には一人で活動している」
ということもあります。

こうしたケースでは、
組織の担当者が、
「この人には、部下がいないから、
リーダーシップ研修を受ける必要がないと思う」
と言うことがあります。

昭和の時代は、それで良かったでしょう。

決められたことをすればよいという時代には、
「部下を上手に動かすこと」
ができればよかったからです。

しかし、これからの時代は、
それでは通用しません。

これからは、激変の荒波を
柔軟かつ迅速に乗り越えてゆかなければなりません。

なので、
スタッフ全員が気づき考え話し合い行動する
「全員参加の総力経営」
ができなければ、生き残れないからです。

したがって、
部下を動かすことしか見えていない管理職では
組織が成り立たないと言うことです。

これからのリーダーは、
部下の力を引き出しさえすれば良いわけではありません。

 

■ならば、
これからのリーダーシップにおいては、
リードの対象は、
部下だけでなく、誰なのか?

そもそも、
総力を発揮するということは、
自部署のパフォーマンスだけを上げれば良いのではない、
ということは明らかでしょう。

つまり、
自部署を活性化しつつ、
他部署がより大きな力を発揮できるように
支援することも、
組織全体を視野に入れた思考があれば、
当り前のことです。

みなさんの現場のリーダーの中には、
他部署のパフォーマンスまで視野に入れて
日々働いている人が何人いるでしょうか?

一人部署であれば、
自部署を牽引する必要がないのですから、
なおさら他部署をサポートすることができるはず
ではないでしょうか。

みなさんの現場にいる
一人部署のリーダーで、
「自分は部署を持っていないのだから、
その分、他部署を応援して、
組織のパフォーマンスを最大化しよう」
と考えている人が、どれだけいるでしょうか?

あるいは、
一人部署であっても、
自部署なりの取組を進める中で、
「あの他部署を巻き込んで、
互いに協力し合うことで、大きく展開してゆきたい」
と、
まさに組織全体を視野に入れた
ダイナミックな展開を考えているリーダーは
いるでしょうか?

さらには、
「他部署からの理解と協力を取り付けて、
組織全体の力を引き出そう」
という発想を持っているリーダーが
みなさんの現場にはいるでしょうか?

さらにさらに、
「組織全体の理解と協力を取り付けて、
地域社会を巻き込んだ展開をすることで、
地域社会の潜在能力を引き出そう」
と考えているリーダーが
いるでしょうか?

 

■とくに医療機関であれば、
周辺の他の医療機関との連携によって、
まったく新しいプロジェクトを生み出したり、
それによって地域を変えてゆく、
という発想は、
経営者の方々にとっては、
まったく新しいものではないはずです。

企業においても、
他の企業との連動企画や、
地域を巻き込んだイベントなどを企画することは、
医療機関よりも柔軟にできるはずです。

つまり、リーダーシップの本当の価値とは、
その対象が部下だけではなく、
他部署でもあり
組織全体でもあり、
地域社会でもある時にこそ、
発揮されるものだということです。

まして、一人部署であれば、
部署を持たない分、
柔軟かつ身軽に、
他部署や組織全体や地域社会へと
リーダーシップを発揮して働きかけてゆくことが可能となるのです。

問題は、
今日も現場で働いているリーダーの中に、
そのような、
「組織全体を視野に入れた
ダイナミックな展開を考えているリーダーが、
いま、何人いるか?」
ということです。

もしかしたら、
「部署を超えて、あれこれ動くのは、混乱を招く」
と懸念する人もいるかもしれません。

「担当でもないのに口を出すな」
という摩擦が生じると考えてしまう感覚もあるでしょう。

しかし、
それは、
昭和の時代の縦割り文化の後遺症に他なりません。

激変の時代では、
「担当でもないのに、口を出すな」
ではなく、
「担当でもないのに、気づいてくれてありがとう」
「そちらの部署だから気づけたのだと思う」
「その発想、自分たちにはなかった」
と、柔軟に情報共有し、
脳細胞同志が互いにシナジーを伸ばし連携することが必要だからです。

むしろ、縦割りにとらわれず、
「横串を刺せることが重要」
とさえ、昨今言われているのは、こういうことです。

 

■そして、
もしリーダーシップを学ぶのであれば、
研修会社やコンサルタントが持ち込んでくる

  • 月並みな研修
  • すなわち、
  • 目標の管理
  • ノルマの管理
  • 面談方法
  • 評価方法
  • コーチングの初歩

・・・といったミクロな視点で構成された
技法を学ぶ座学に振り回されてはなりません。

それよりも、
「組織全体を視野に入れた
ダイナミックな展開を考える」
ことを目的としたリーダーシップ研修を
選ぶことをお勧めします。

というのも、
「組織全体を視野に入れた
ダイナミックな展開を考える」
リーダーになれば、
ミクロな視点で技法を学ぶということは、
リーダー自身が
みずから必要を感じて、
放っておいても、自分で勝手に学ぶようになるからです。

 

■したがって、冒頭のクイズ・・・

リーダーシップ研修について、
一人部署のリーダーはどうするべきか?
・・・については、

[1]の、「リーダーシップ不要なので研修に参加しない」
[2]の、「研修が面白そうなら参加する」
[3]の、「参加してみて活かせることができれば現場で活かす」
・・・はすべてリーダーシップの意味を矮小化していると言うことになります。

ぜひ一人部署のリーダーであっても、
さらにはリーダーのポストでなくても、
「ぜひ!」
と思うスタッフは、
[4]の、「参加して必ずリーダーシップを発揮する」
という認識で、リーダーシップ研修に臨めるようにすることが正答となります。

それはとりもなおさず、
スタッフ全員が気づき考え話し合い行動する
「全員参加の総力経営」
ができなければ、生き残れないからです。

そして、
全員参加の総力経営とは、
スタッフ全員が、
「組織全体を視野に入れたダイナミックな展開を考える」
ことができて、
初めて可能となるからです。

「全員参加の総力経営が大事」
「ボトム・アップ組織が必要」
「自走組織をつくれ」
・・・とは、しばしば言われますが、

「全員参加の総力経営を実現する」
ということは、
具体的には、このようなことでしょう。

 

■つぎの各項に共通する心理構造は何でしょうか?

組織づくりにおいても、知っておかなければ致命傷になる心理構造です。

  1. 健康診断の前に、ラーメンや揚げ物を控える
  2. 交通安全キャンペーン
  3. 接遇向上月間
  4. チームワーク研修
  5. 毎年恒例TQC活動発表会

=====

 

■健康診断は、

健康を維持するために受けるものであって、

健康診断の時だけを乗り切れば良い、

というものでもありません。

 

つまり、健康な体質を目的としているのに、

健康診断という一時的な催しを、

イベント化してしまっているために、

体質改善には、まったく効果がないものにしてしまっている、ということです。

 

せっかくの健康診断で、

大の大人がそうしていることは喜劇ですが、

多くの人が生活習慣病を悪化させ苦しんでいることは

悲劇です。

 

交通安全キャンペーンも、

春の交通安全運動キャンペーン期間中だけ、

事故が少なくしたいわけではありません。

 

春であれ秋であれ、

キャンペーン期間が終わっても、

すべての生活者が常日頃、

交通安全に対する高い意識を持つことが望まれているはずです。

 

しかし、

もし、キャンペーン後に、

交通安全に対する高い意識が持続しているのであれば

目的を達成していると言えますが、

そうでなければ、

イベント化していて、

体質改善にはつながっていない、ということです。

 

医療機関やホテル旅館業、外食業で

よく行なわれる接遇向上月間も、

本来の目的は、

いついかなる時にもスタッフが高いホスピタリティを持って

接遇できるようになることでしょう。

 

しかし、接遇向上月間で良い対応をしたスタッフが表彰され、

「では、また来年」

といって月間が終わっているのであれば、

それはイベント化であり、

体質改善にはなっていません。

 

企業において行なわれるチームワーク研修も、

本来の目的は

現場の日常においてチームワークが向上することが

求められるがために研修を導入していることと思います。

 

しかし、

現実には、

「研修は楽しかった」

「盛り上がった」

けれども、

職場に戻ればいつもの顔ぶれで、

現場は変わらない、ということが多々あり、

イベント化した研修で、

組織の体質が変わることはないということを知らされます。

 

TQC活動も、

毎年恒例の発表会が近づくと、

直前1〜2ヶ月で、

一部のスタッフが一生懸命まとめて

発表するということがよく起こります。

 

本来は、

一部のスタッフではなく全スタッフが、

直前1〜2ヶ月ではなく一年中、

品質向上に意識を向け、

つねに改善を遂げる組織体質にしたい、ということが

目的であるはずですが、

発表会をイベント化してしまっている、ということです。

 

■ここまでで、お察しのことと思いますが、

組織であっても身体でもあっても、

体質を変えたいならば、

「一時的なイベントでは不可能」

ということです。

 

しかし、人間の心理は、

どうしても

一時的で存在感のある施策の方が

「やった」

という実感を覚えやすいため、

つい、イベントに飛びついてしまい、

効能がないためにそれを何度も繰り返してしまう、

という哀しい習性を持っているのです。

 

体質とは

「常時の状態」

ということなので、

「常時できることを持続している」

という状態にならなければ、

「体質が変わった」

とは言えません。

 

ということは、

「常時、実践し続けることができる思考モデルまたは行動モデル」

である必要があります。

 

それは、

キャンペーンとか、強化月間とか、研修とか発表会といった

「手間のかかるイベントではない」

ことは確かです。

 

つまり、体質を変えたければ、

論理必然的に、

イベントではなく、

毎日できる手軽なモデルでなければならない、

ということになります。

 

■研修会社やコンサルタントは、

外科的なイベントの方が

クライアントにとって

「実施している!」

という実感を持ちやすい施策となるので、

「強化月間で理念が浸透します」

「研修をやりましょう」

「キャンペーンで変わりますよ」

「発表会で意識が高まります」

などと、

イベントを商品として持ち込んできます。

 

なので、

注意して選ぶことをお勧めします。

 

イベントで組織が変わることはありません。

 

そのことは、

世の中で何千万回もの研修が行なわれているにも関わらず、

「これで組織体質が変わった」

というものが現れないことからも明らかでしょう。

 

研修会社やコンサルタントが提案する

イベント商品に振り回されれば、

費用と時間と労力の浪費になるだけです。

 

■なので、

自律進化組織研究所では、

1日5分のコミュニケーション・モデルで、

組織の体質を変える方法を提唱しています。

 

毎日の、

負担にならないコミュニケーションによって

ある思考が

「常に」

「全員に」

リマインドされるので、

組織の体質が変わるというものです。

 

ある思考は、

「指示・命令をされなくても、

スタッフがみずから気づき考え話し合い行動する」

という思考です。

 

なので、確実に

自律進化組織へと体質が変わってゆきます。

 

それが、

『HIT-Bit®︎』

です。

 

その自律進化傾向についても

客観的に定量評価するので、

進捗が確認できるとともに、

より高度な自律進化組織を目指して

向上し続けることができるようになっています。

 

■イベントの繰り返しと、

それによる費用と時間と労力の浪費を卒業して、

「本当に、組織体質を良くしたい」

と考えるならば、

日常において持続できる手軽なモデルを選ぶことを

お勧めします。

 

HIT-Bit®︎については、

1Dayセミナー(オンライン)を開いています。

◆2/13(土) 13:30〜16:30

◆3/13(土) 13:30〜16:30

◆4/10(土) 13:30〜16:30

(いずれも同じ内容です)

 

1Dayセミナーについての詳細・申込はこちらです。

 

■いまは、いずれの組織でも、この難局を乗り越え、スタッフを楽にして希望を持てるようにしたいでしょう。しかし、コロナ禍でスタッフが疲弊している中、新たな施策を導入しようとすれば、現場からはいつも以上の反発の声が上がることは必至でしょう。

では、次のうちどのようにすれば、新しい施策を円滑に導入し、現場を楽にすることができるでしょうか?

  1. 強権的に、新しい施策を導入する
  2. どうすれば導入に賛成するか、条件を現場に訊く
  3. 新しい施策を導入するかどうかは現場に任せる
  4. まず、新しい施策の話はしない

=====

 

■昨年後半から、いくつかの医療機関で、

職員面談を行なっています。

 

厳密には、管理職面談ですが。

 

それらの医療機関は、

「コロナ禍の影響を受けて、

これまではイレギュラーな体制を敷いていたが、

いつまでもこれを異常事態だとしていては、

本来、重要としてきた組織運営もできない」

と感じて、

 

「そろそろ、

改めて組織づくりをしてゆきたい」

と考えました。

 

そこで、

「何から始めるか?」

という相談になります。

 

組織づくりの要は管理職ですから、

おのずと管理職が対象となります。

 

しかし、

「組織づくりとは教育研修だ」

という発想では、

自律進化組織は創れません。

 

まして、これまでコロナ禍でいつも以上の

心身の負荷を引き受けてきた管理職の方々に、

さらに、

教育研修を施しても、

受け止められるはずがないことは、

みなさんもご存知でしょう。

 

そこで、最初のステップは

必然的に、

「管理職を対象とした個別面談」

ということになります。

 

個別面談といっても、

わたしから伝えることは、ほとんどありません。

 

管理職の方々から

「聴くこと」

に徹する、ヒアリングです。

 

■もちろん、普段一緒に働いているわけでもない私が

「聴きますよ」

といっても、全てを打ち明けてもらえるわけではありません。

 

しかし、対象者の方々は、

通常時のヒアリングよりも、

明らかに多くのことを話してくれる傾向がありました。

 

それだけでも、

いかに普段、想いを吐き出せていないか、がわかります。

 

一昨年来の働き方改革によって、

「余計な残業はしてはならない」

ばかりか、

早めに出勤して患者さんの情報をとらなければ、

業務に差し支えるため、必要に迫られてしている

「早出残業さえも注意される」

という状況がありました。

 

さらにコロナの影響で、

対面での対話を極力減らすようになり、

月例会議も、かつての60分から15分で済ませるなど、

コミュニケーションそのものが自制されています。

 

まして、

「本当はこんなことで困っている」

「こんなことで悩んでいる」

「あれが悲しかった」

「これはわかって欲しかった」

などの感情を話すことなどは、

いっさい我慢せざるを得ない空気になっているところが

多いでしょう。

 

言ってみれば、職場環境は、

「自分の感情は出すな。黙って働け」

と命令されて、

いつも以上に負担が多い中、

何ヶ月も働いているようなものです。

 

これでモチベーションが下がらないはずがないでしょう。

 

あるいは、気丈に前向きな人ほど、

ストレス過多となり、

メンタルを病んでしまいます。

 

■したがって、

組織づくりをするにしても、しないにしても、

いま、

最も急がなければならないのは、

スタッフの方々の「想いを吐き出せる機会」を

設けることにほかなりません。

 

実は、その意味もあって、

それぞれの医療機関で、

まずは管理職の方々との個別面談を行なっているところです。

 

■面談の結果はどうだったか?

 

その一部を挙げてみましょう。

 

  • 離職を考えているという声をキャッチすることができた。
  • スタッフの方々が、「本当はこうしたい」という想いをもって、日々働いてくれている、という状況がわかった。
  • しかしながら、それを仲間と語り合う余裕もないとのこと。
  • そのため、「一緒に働いていても寂しい」という言葉も。
  • 互いのコミュニケーションがとれていないことから、毎日、大小さまざまな摩擦が起きているということ。
  • しかし、それを報告する相手も相談する時間もないので、解決されず、人間関係が悪化している例も。
  • せっかく、それぞれに患者さん・クライアントのために「もっとこうしたい」という考えがあるにも関わらず、互いに話し合えないので、まったく実践できていない。
  • 摩擦が起きている状況が上層部に上がらず、誰も是正しないので、現場では理不尽なことが放置されている。
  • 長く働いている人ほど幅を利かせてしまい、新しく入った人ほどどんどん辞める、という現象が続いている現場もあり。
  • 職員が退職を申し出てくるときは「急」であり、しかも決意が硬く説得しても「翻意しない」。

 

・・・こうした情報は、決して意外ではありません。

 

むしろ、典型的なケーズばかりでした。

 

そして、このように、スタッフの視点に立とうとするからこそ、

スタッフの想いを知ることができるので、

現場の関係調整に介入できたり、

離職を防止する方策を講じることもできるようになるのです。

 

反対に、面談に応じてくれた職員の方々からは

こんな声が聞かれました。

 

  • 話ができて、ずいぶんスッキリしました。
  • 上層部が考えてくれているのがわかって、良かった。
  • もう少し頑張ってみようと思います。
  • 相談できる相手がいなくて困っていたので、相談先をどう考えれば良いか、わかってよかったです。
  • 今の状態が続くなら、辞めようと思っていたところです。もう少し状況を見てみようと思えました。
  • もっとみんなと話すようにしようと思いました。
  • いろいろ意見を言っていいのですね。
  • トップの人たちは、誰も現場を理解するつもりがないのかと思っていた。できたら、自分からもっと接点を持とうと思う。

 

■多くの現場では、

こうした面談を通じて、

このように管理職の方々に

経営陣がこれまで以上に現場を大切にしようと考えていることが伝わったところで、

初めて、

改革のステップに入ってゆきます。

 

なので、冒頭のクイズは、

[4]の、「まず、新しい施策の話はしない」のが、

正しい最初のアクションです。

 

[1]の「強権的に新しい施策を導入する」は、

現場の

「現場を全然わかってくれていない」

という不満を生むので、大反発を招くこととなり、

大量退職にすら繋がると考えた方が良いでしょう。

 

[2]の「どうすれば導入に賛成するか?条件を訊く」も、

「導入することありき」が伝わることで、

現場の

「現場を全然わかってくれていない」

という不満を招くことには変わりないので、

「どんな条件を提示しても、賛成はしかねます」

という回答を引き出すことにしかなりません。

 

[3]の「新しい施策を導入するかどうかは現場に任せる」は

一見、現場を尊重しているので良さそうですが、

実務上は、

これはまったく意味をなしません。

 

現場は一人ひとりが余裕がないので、

気軽に周囲と相談する余裕もありません。

 

そのため、

新しい施策なる得体の知れないものを

「この余裕のない中、やってみましょうよ」

などと軽々に提案できない、というのが本音です。

 

なので、

「みんなに任せるよ」

といえば、現場からは、

「ありがとうございます。考えておきます」

という返事が返ってくるものの、

待てど暮らせど、

「みんなで相談しました」

「やることに決まりました」

といった返事が返ってくることはありません。

 

したがって、自律進化組織研究所の答案は、

[4]の「まず、新しい施策の話はしない」

となります。

 

まず、面談をして、状況や想いや考えを聴くことだからです。

 

新しい施策の話に進むのは、

その後です。

 

具体的には

管理職を対象とした

「管理職が楽になるための勉強会」

といった新リーダーシップ研修へと進むこともあれば、

 

実際に部下とのコミュニケーションを円滑にしてゆくための

『HIT-Bitプログラム』

へと進んでゆくこともあります。

 

この個別面談のステップなしに、

新たな施策に入ることには、

人間の心理構造を考えれば、リスクしかない、ということがお分かりでしょう。

 

■なお、

「吐き出させれば良いのであれば、

みんなを集めて話を聞いてやれば良いのではないか」

と考える方も、

経営者の中にはいました。

 

しかし、

「みんなの前では話せないこと」

もたくさんあるのが人間です。

 

というより、

「そのみんなの中に、わたしの悩みの元凶となっている人がいる」

ということもあります。

 

普段、吐き出せる場がなく

苦しんでいる、ということも多々あるのですから、

「ここだけの話」

をしゃすい環境を設けることが大切であり、

 

 

したがって、

個別に面談するという形になるというわけです。

 

■ところで、

個別面談では一時的なトリートメントにしかなりません。

 

本来は、

日常的に想いを吐き出せていなければ

健全な職場とは言えないのです。

 

では、どうするか?

 

そのための方法が、

1日5分のコミュニケーション・モデル

『HIT-Bit®︎』

です。

 

そのため

『HIT-Bit®︎』

を行なうと、

1~2ヶ月もすると、

対話が増えたり、

スタッフの表情が明るくなったり、

お互いに元気になれるので、

「楽しいので5分では終わらない時もあるんです」

と嬉しそうに話すスタッフも現れます。

 

どんなに残業を減らし

有給休暇を消化させても、

自分の想いを吐き出せない職場では、

周囲に味方がいることを感じられず

孤立化・独善化してしまうので、

スタッフは病んでしまったり、辞めてしまうでしょう。

 

『HIT-Bit®︎』のように

日頃から自分の想いを吐き出すことができ、

周囲がいつも味方になってくれる職場では、

健全な心で、驚くほど頑張れるものです。

 

『HIT-Bit®︎』については、

1Dayセミナー(オンライン)を開いています。

  • 2/13(土) 13:30~16:30
  • 3/13(土) 13:30~16:30
  • 4/10(土) 13:30~16:30

1Dayセミナーの詳細・申込はこちらです。

■いま、テレワークが増えたり、カンファレンスが減ったりしたことで、多くの職場において、スタッフの孤独感・孤立感が増し、ストレス増大・メンタルトラブル・離職増加が起きていると言われています。

そこで、昨今「雑談」が大切だと言われています。

 

では、職場においては、どんな雑談が良いでしょうか?

 

  1. 仕事のことを忘れられる雑談
  2. 自然発生して始まった雑談
  3. 自由に何でも言い合う雑談
  4. 設計された雑談

=====

 

■雑談がなぜ良いのでしょうか?

 

息抜きになるから?

 

仕事を忘れられるから

 

リフレッシュになるから

 

緊張しなくて良いから

 

・・・などなど、さまざまな説明が可能かもしれません。

 

しかし、

心理構造的には、

「価値観を解放」

できるから、に尽きます。

 

人間が生きてゆく上で、

身体にとって呼吸することが最低限の生命活動であるのと同じように、

精神にとっては、価値観を解放することが、最低限の生命活動だからです。

 

「価値観を解放する」とは、

言いたいことが言えてやりたいことがやれる、

ということであり、

自分の価値観の通りに振る舞えると言うことです。

 

しかし、我が国の職場では、

「経営者や管理職の価値観がすべて」

「部下スタッフは、自分の価値観をもたずに、忠実に、指示命令された責任を果たせば良い」

と、長い間考えられてきました。

 

自分の本心を抑えて、

義や忠に生きることが美徳とされてきたことは、

テレビでも、

「忠臣蔵」

が美談としてしばしば描かれてきたことからも、わかるでしょう。

 

■しかし、

たとえば、みなさんの職場が、

ある日突然、上司から

「お前の意見は聞かない。

言われたことだけをやれ」

と言われる、

価値観をいっさい解放できない職場となったら、

あなたは、

何日、出勤し続け、頑張れるでしょうか?

 

また、頑張り続けて、

心を病まない自信があるでしょうか?

 

反対に、みなさんの職場が、

ある日突然、あなたがどんな提案をしても、

上司がつねに

「お前の思うようにやってみろ!」

と言ってくれる、

価値観を自由に解放してくれる職場となったら、

あなたは、

どれほど、勇気と元気を得て、

自分の仕事に夢中になれるでしょうか?

 

これが、

「精神にとっては、価値観を解放することが、最低限の生命活動だ」

と考えられる所以です。

 

■ただし、価値観を解放できるためには、

条件があります。

 

その場に、

「心理的安全性があること」

が不可欠だということです。

 

「心理的安全性」

とは、

「安心して何でも言える環境であること」

です。

 

環境とは、人的環境すなわち、人と人との

「関係性」

です。

 

安心して何でも話せる関係性とは、

どんな関係性でしょうか?

 

それは、

  • 否定されない
  • 非難されない
  • 失望されない
  • 軽蔑されない
  • 反対されない
  • 憐れまれない
  • 邪魔されない
  • 無視されない
  • みだりに他言されない

・・・といった、

自分にとって不本意な受け止め方をされないと

安心できる関係性でしょう。

 

価値観の解放が、水門の開放だとすれば、

心理的安全性とは、

その水を堰き止めるものがない状態ということです。

 

したがって、

心理的安全性を築くためには、

お互いの発言に対して、

別の価値観によってその価値観を堰き止めないことが

必要ということになります。

 

言い換えれば、

「一切、ジャッジしない」と言うことでしょう。

 

わたしたちは、とかく、人の意見に対して、

ジャッジしがちです。

 

  • 必要か、不要か。
  • 緊急か、そうではないか。
  • 損になるか、得になるか。
  • 正しいか、誤っているか。
  • うまくいく保証があるのか、ないのか。
  • 好きか、嫌いか。

・・・などのジャッジです。

 

たとえば、会議では、

発言に責任んが伴う、ということになりがちなので、

ジャッジしなければならないことが多くなります。

 

なので、正式な会議の場は、

価値観を解放する場にはなり得ません。

 

したがって、

「雑談が大事」

とは言っても、

「価値観を解放できない雑談」

なら、やらない方が良いということです。

 

正確にいうと、

「雑談が大事」

というよりは、

「価値観を解放できる機会と関係性が大事」

ということです。

 

さりとて、

業務時間中は、

コミュニケーションと言えば業務連絡や伝達事項だけで、

終業後は帰るだけ、

となれば、

職場で価値観を解放できる場面は一切ありません。

 

だからこそ、意図的・作為的に

「価値観を解放する機会」

を設けることが重要となるのです。

 

■このような話題になると、

「うちは、そこそこ雑談もありますよ」

という方もあります。

 

しかし、それは組織づくりとは言えません。

 

というのも、

自然発生の雑談には限界があるからです。

 

その限界とは、以下の通りです。

 

  1. 完全自由なので、仲良し同士でしかしない
  2. 完全自由なので、心理的安全性が確保されない中が悪くなることもある
  3. 完全自由なので、ネガティブになることもある
  4. 完全自由なので、継続しないやめるのも自由

 

自然発生したものは、

自然消滅するものです。

 

発生をコントロールできていないことは、

消滅しそうになった時に、

維持・向上しようとしてもコントロールできないからです。

 

したがって、

組織マネジメントをするならば、

雑談をプロデュースすることが必要となるのです。

 

とはいうものの、

過度に介入すれば、

楽しい時間にならず、

意義のある雑談にはなりません。

 

■さて、冒頭のクイズについて

[1]の「仕事のことを忘れられる雑談」

は、リフレッシュにはなりますが、

仕事に熱中するモチベーションにはつながりません。

 

仕事がつらいもの、忘れたいもの、という前提では、

働く人が本当に幸せになることはないでしょう。

 

[2]の、「自然発生して始まった雑談」

は、維持・向上することができないので、

やがて自然消滅してしまいます。

 

また、必ずしも、いつまでも

組織にとって良い内容で継続されるという

保証もありません。

 

[3]の、「自由に何でも言い合う雑談」

のように、すべて自由とすれば、

発言の中にジャッジが混入して、

心理的安全性が損なわれてしまう可能性があります。

 

したがって、上記のような点に留意した人による

ナビゲーションのもとで行われる雑談であることが

必要となります。

 

なので、正当は、

[4]の、「設計された雑談」

と考えることが妥当でしょう。

 

さて、

では、どうすればよいか?

 

■それは、

完全に現場に任せるのではなく、

経営者・管理職が、

必要最小限の介入をする

・・・ということになります。

 

すなわち、以下の通りです。

 1. 原則自由の建前ながら、全員の参加を呼びかける

 2. ジャッジしない原則

 3. 自律的にするナビゲーター

 4. 継続することだけは揺るがない

 

雑談をプロデュースするための、

参考になれば幸いです。

 

さらには、具体的に、

  • だれが、
  • どんなふうに、
  • どんなことばで、
  • どんなタイミングで、
  • どんなステップで導入して、

・・・といった具体的な方法が重要ですが、

それは、また別の機会に紹介します。

 

さて、

「雑談が組織を活性化する」

ということが感じられたならば、

雑談をプロデュースして、

健全で活発でアグレッシブな組織文化を

自由に創ることができるようになりたくはないでしょうか?

 

その方法が、自律進化組織研究所が提唱している

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■「若手は難しい」「ベテランは変わりにくい」「中堅は難しい」と手を焼いているという話がよくあります。

ほかに、中途採用・生え抜き、男性・女性、未婚・既婚・子持ちなどなど、さまざまな条件によって人は異なります。

では、組織マネジメントをするには、基本的にどうすれば良いでしょうか?

  1. 年齢別に対応を分ける
  2. 勤務年数別に対応を分ける
  3. 職務等級別に対応を分ける
  4. 性格や性質別に対応を分ける
  5. 多く分類を組み合わせて百人百様の対応をする
  6. 対応を分類しない

=====

 

■組織づくりやスタッフ育成の話になると、

よく、

「若手はどうしたら?」

「中堅は?」

「ベテランは?」

と聞かれます。

 

対象に応じた対応をしたいと思うのもわかります。

 

しかし、実は、

カテゴライズするほど、

実践が難しくなるので、

効果的な取組からは遠ざかることを知っておいた方が良いでしょう。

 

また、そもそも、

相手の性質にこちらが合わせてあげるほど、

そこまで過保護にする必要があるのでしょうか?

 

■しかし、世の中には、

「相手をタイプ別にカテゴライズして、

タイプに応じた対応をする方法を学びましょう」

という理論やコンサルタントが存在します。

 

たしかに、身近なところでは

「あの人は病院型だから・・・」

という血液型分類を参考している人も少なくありません。

 

しかし、血液型のような根拠のない迷信ではなく、

研究に基づいたカテゴライズもあり、

研修やコンサルティングとして販売されています。

 

たとえば、

  • 交流分析
  • ハーマンモデル
  • NLPのVAK分析

などが代表的でしょう。

 

交流分析では、

人間には、

Parent、Adult、Childという3つの自我があり、

その組み合わせによってタイプが大別されるので、

そのタイプに応じて

対応方法を変えれば、

良いコミュニケーションが可能になると言います。

 

ハーマンモデルでは、

理性人、堅実人、感覚人、冒険人の4つのタイプに

大別されるので、

そのタイプに応じて活動の場を与えれば、

より良く活躍することが可能になると言います。

 

NLPのVAK分析では、

人間は、

視覚の影響を大きく受けるVタイプ、

聴覚の影響を大きく受けるAタイプ、

体感の影響を大きく受けるKタイプに分けられ、

そのタイプに合わせたコミュニケーションをとれば、

相手が需要しやすくなるので、

意思疎通が円滑になると言います。

 

みなさんの中にも、

「たしかに、そんな勉強したかも」

という方があるでしょうか?

 

しかし、ご自身が、どのタイプかを

覚えていれば上等ではないでしょうか?

 

つまり、みなさんが

「あの人とはうまくやりたい」

と想定していた人が、どのタイプだったか?

 

そして、そのタイプの人には、

どんな対応をすれば良いのか?

 

さらには、その対応の仕方をマスターして

いまもそれを実践しているのか?

 

と問われて、すべてYESと答えることができる人は

ほぼ、いなかったのではないでしょうか?

 

もっとも身近な血液型でさえ、

上司や部下や同僚が何型だったか、

それほど覚えてはいないことでしょう。

 

まして、その相手に応じた

コミュニケーションの使い分けを

常にできている人など、ほぼいないでしょう。

 

要するに、

「人をカテゴライズして、

そのカテゴリーに応じた対処法を学ぶ」

研修やコンサルティングには、

占いのようで楽しいので、

タイプ診断のその場では楽しく盛り上がるのですが、

その割には、

現場人間関係を良くする実効性が

それほど無いということです。

 

にもかかわらず、

なぜ、そんな研修が蔓延するのでしょうか?

 

それは、

参加者が「楽しかった」と感じ、

参加者からの評判が良ければ、

研修担当者としては、

非難を受けずに済むからです。

 

そこで学んだことを

現場で実践できているかどうか、

効果的かどうかは

別として、

「面白そう」

「なんとなく効き目がありそう」

占いと同じレベルで、

「やってみたい」

と思う人がいるため、

そこに漬け込む研修会社やコンサルタント会社があるからです。

 

■しかし、目を醒さなければなりません。

 

というのも、

そもそも、

「カテゴライズするということは、

本質的ではないアプローチをしていると言うこと」

だからです。

 

人間にとって最も本質的問題とは、

「死とは何か?」

「生きる意味とは何か?」

でしょう。

 

この問題から逃れられる人はいませんから、

人類全員に関わることです。

 

だから、この問題は、

誰に対しても、深く刺さります。

 

一方、たとえば私の住まいの

「東京都北区の人について」

「田端新町に住んでいる人について」

といったカテゴライズをすれば、

その投げかけは、

該当しない人々にとっては、どうでも良いことです。

 

深く刺さることもなければ、

いま田端新町に住んでいて深く刺さっていた人も、

いずれは引っ越してしまい、

刺さらない人になってしまう、

その程度のテーマなのです。

 

ということは、

対象者も今だけの話です。

 

そんな風に、カテゴライズして、

それぞれのカテゴリーに合わせた対応をするのは、

みなさん自身がたいへんなのではないでしょうか。

 

交流分析も、ハーマンモデルも、VAK分析も、

それぞれの科学者の研究によって生まれた

カテゴライズです。

 

もし効果的だと思うならば、

3つとも併用すれば

こんなに精度が高まることはありません。

 

そこで、

「あの部下は、

交流分析の結果、NPタイプで、

かつ、ハーマンモデルでいうD冒険人タイプで、

かつ、NLPのVAK分析によればV視覚タイプだ」

と分析して、

それに合わせた対応をするのでしょうか?

 

同じく、

「別の部下は、FCタイプで、

かつ、A理性人タイプで、

かつ、K体感タイプだ」

と分析して対応できるでしょうか?

 

さらには、その二人が参加している会議で、

二人に響くように話したり、

二人が折り合うようにとりなしたり、

といったことを、

現実にするのは至難の業でしょう。

 

■こうした分析によるカテゴライズだけでなく、

もし、もっと精度を上げたければ、

  • 田端に住んでいるから
  • 巨人のファンだから
  • 次男だから
  • 経済学部出身だから
  • 納豆好きだから
  • クラシックが好きだから

・・・などなど、

上げたらキリがありません。

 

どこまで相手に合わせるのか?


それは、どこまで過保護なのか?

ということでもあります。

 

そうした人の表層的な性質に合わせるほど、

響くコミュニケーションにはなりません。

 

■では、どうするか?

 

相手がどうあれ、

本質にアプローチすれば良いのです。

 

たとえば、

「働く意味」。

 

「カネのために時間を切り売りする仕事で良いのか?」

という投げかけです。

 

その前提で、

「もっと頑張ろう」

「もっとできることはないか?」

と意欲的になれるのでしょうか?

 

この問いは万人共通でしょう。

 

そして、同じ働くならば、

「この仕事お金じゃない」

「この職場理屈じゃない」

と思えた方が良い、ということも万人共通でしょう。

 

そして、

そうなるためには、

勤務先が何かを与えてくれるわけではありません。

 

スタッフ自身が変えなければなりません。

 

「では、あなただったら、どうする?」

 

この問いかけもまた、

若手も中堅も、一般職員も管理職もない、

万人共通です。

 

なので、

冒頭のクイズについては、

[1]の、「年齢別に対応を分ける」

[2]の、「勤務年数別に対応を分ける」

[3]の、「職務等級別に対応を分ける」

[4]の、「性格や性質別に対応を分ける」

[5]の、「多く分類を組み合わせて百人百様の対応をする」

は、いずれも

相手に合わせてあげようと過保護になるあまり、

カテゴライズの迷宮に遭難してしまうので、

好ましくない、ということになります。

 

そして、基本的には

[6]の「対応を分類しない」

ことを原則にした方が良いということです。

 

決して、

[1]〜[5]が不要というわけではなく、

まず、[6]を基本としてから、

さらに響くようにするために、[1]〜[5]を講じることは

より効果的になる、

ということをお伝えしておきます。

 

■このように、スタッフをカテゴライズして、

千差万別に対応を講じようとするほど、

それは、

相手にとって枝葉末節へのアプローチとなり、

過保護な組織となってしまうのです。

 

反対に、

すべての人に共通する、万人共通の対応を講じるほど、

本質的で深いアプローチとなり、

相手の心に響きます。

 

カテゴライズして

面白おかしく教えて、

知識が増えたような気がして終わる研修で、

研修会社を喜ばせる必要はありません。

 

「どうしたら若手にも伝わるのか?」

「どうすれば中堅スタッフにわかってもらえるのか?」

「ベテラン職員を変えるにはどうしたらいいのか?」

「既婚で

勤続が3年以内で

大学病院での経験が長く、

趣味は少なく

社交的なスタッフには、どうすれば良いか?」

というような過保護な発想で、

カテゴライズの迷宮に入って遭難するよりも、

 

「人は、どうすれば動くのか?」

「人は、どんな時に心が明るく元気になるのか」

「人がもっと頑張ろうと心から思える条件は何か?」

といった本質的で、

人間の価値観の根幹に迫る切り口で、

スタッフに働きかけることをお勧めします。

 

■世間で言われる「最強の組織」とは、
状況に応じて、必要な進化を遂げて、どんな変化にも対処できる組織でしょう。

そんな自律進化組織になるためには、何をすれば良いでしょうか?

  1. 自発的に進化するように教育を施す
  2. 自発的に進化するための研修を行なう
  3. 自発的な進化を表彰する
  4. 自発的な進化の数を部署毎に競わせる
  5. 進化を強要しない

=====

 

■みなさんは、
ご自身の組織を、
「どんな組織にしたいか?」
明確なイメージをお持ちでしょうか?

日常の業務でも、
「あんなにはっきりと伝えたのに、
うまく伝わっていなかった」
ということが、珍しくないのですから、

まして、みなさんが
「こんな組織にしたい」
というイメージを明確に持っていなければ、
言うまでもなく、
それが的確に現場に伝わり、
思うような組織が実現できるはずがありません。

もちろん、
「いつの間にか思ったような組織になっていた」
などということは起こりません。

なので、何よりもまず、
「こんな組織にしたい」
というゴール像を明確に描くことが重要です。

 

■そして、最近、しばしば聞くのが、
「最強の組織」
「最強のチーム」
というフレーズです。

では、
「最強の組織」
「最強のチーム」
とは具体的な、どんな組織・チームでしょうか?

それは、端的に言えば、
「スタッフ一人一人が、『もっとできることはないか?』と考える、
改善意欲の旺盛な組織」
ということができるのではないでしょうか?

なぜなら、

  • 技術や知識が優れていることも
  • チーム・ワークが良いことも、
  • 変化に強く柔軟であることも、
  • みなさんからの指示や命令に柔軟に応じられることも、
  • みなさんの相談に対してすぐに体制を整えられることも、
  • 必要な技術や知識を随時身につけることができることも、

・・・・これらすべて、
もし、みなさんの組織が、
「スタッフ一人一人が、『もっとできることはないか?』と考える、
改善意欲の旺盛な組織」
であったならば、
いずれも自動的に、解決してしまうことだからです。

したがって、
「スタッフ一人一人が、『もっとできることはないか?』と考える、
改善意欲の旺盛な組織」
言い換えれば、
「自律進化組織」
であることが、最強の組織であることではないでしょうか。

 

■しかし、
現実は、その反対、つまり
「変化を好まない」
スタッフが多く、
進化できずにいる組織がいかに多いことでしょうか。

典型的なのは、
永い職員も多く、
それぞれがやりやすいようにやっている、
と言うケースです。

現場の目の前のことに収まってしまっている、
ということです。

そんな現場では、
ローカル・ルールが作られていて、
部署の外からの介入も受け付けず、
内部から変わることにも消極的になっていて、
「もっと質を高めよう」
という意欲は乏しい傾向があります。

「うちは、そんなことはない」
と思う方は、
現場の旺盛な改善意欲や言動を見える化して、
表現できるようにさせれば、
上層部がそれを評価することができるので、
現場職員の改善意欲をさらに高める、という
好循環を生み出すことができます。

もし、
改善意欲が乏しい場合には、
積極的に問題提起や改善提案を引き出す働きかけをして、
その意欲や言動を見える化して、
検証することが大事です。

そして、検証を通じて、
意図的・作為的に、
現場からの問題提起や改善提案を引き出すようにすれば。
自律進化組織へと変化してゆくことができます。

 

■改善意欲が旺盛ではない場合、それはなぜか?

その原因は、ひとえに
「コミュニケーションの総量が少ない」
ことに尽きます。

コミュニケーションが少ないと、
「最小限の業務をすれば問題がない」
という文化が結果的に醸成されてしまうからです。

たとえば、
コミュニケーションの総量が少なければ、
終業時間に、
「今日はどうだった?」
という投げかけがあったとしても、
それは
「業務は無事済んだ?」
という意味になってしまいます。

必要最低限のコミュニケーションでは、
業務の確認が最優先だからです。

もし、これを毎日繰り返し、いつも
「業務は無事済んだ?」
という確認だけがなされる現場であれば、

みなさんでさえも、
「業務だけをすればよい」
「業務以外に何をする必要がある?」
という思考が習慣となってしまうのではないでしょうか?

かくして、進化しないのが当り前の、
「指示命令組織」
が出来上がるわけです。

一方、終業時間に、
「今日はどうだった?業務は無事済んだ?」
だけでなく、
「今日も何かあったでしょ?」
と投げかけたらどうでしょうか?

その一言は、
「1日働いていれば、業務にも業務以外にも、
何かあるよね?」
というメッセージとなります。

もし、これを毎日繰り返し、いつも
「業務にも業務以外にも、何かあるよね?」
と、発言を引き出してくれる現場であれば、

スタッフはみな、
「業務だけではない」
「業務や業務以外をより良くするのが当り前」
という思考が習慣となります。

おのずと、
進化するのが当り前の、アグレッシブな
「自律進化組織」
が出来上がります。

そうすれば、
問題提起や改善提案が引き出されることで
その意欲や言動が見える化されるので、
検証することが可能となります。

そして、検証を通じて、
意図的・作為的に、
現場からより多くのの問題提起や改善提案を
引き出すことができる
自律進化組織を実現することができるのです。

 

■したがって、冒頭のクイズ、
自律進化組織になるためには、何をすれば良いか?
については、

[1]の、「自発的に進化するように教育を施す」
[2]の、「自発的に進化するための研修を行なう」
[3]の、「自発的な進化を表彰する」
[4]の、「自発的な進化の数を部署毎に競わせる」
・・・の、いずれもが、
スタッフにとって、
「進化を強要されている」
ために息苦しいものとなり、
そこから変化が生まれても、それを自発的な進化とは言えません。

[5]の、「進化を強要しない」
が、正当です。

進化を強要せずに、
「進化しても良いし、しなくても良い」
という前提を与えているからこそ、
「1日働いていれば、業務にも業務以外にも、
何かあるよね?」
と聞き続けたときに、上がった意見は、
自律進化となるのです。

業務上の進化も上がることもあれば、
業務以外の、
つまり視野の広い、
立場にとらわれない、
さまざまな制約を超えた問題提起や改善提案が上がる、
アグレッシブな組織となります。

 

■みなさんの現場は、
つねに進化することが当り前の、
アグレッシブな組織でしょうか?

そしてそれは、
みなさんの意図的・作為的な働きかけ、
つまりマネジメントによるものでしょうか?

自律進化組織づくりを可能にする
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■ビジネスや医療の現場で、
「これ意味ある?」という会議が毎月行なわれている、ということが多々あります。
このような「形骸化」が起きないようにするには、どうすれば良いでしょうか?

  1. 議題を絞る
  2. 事前に議題を共有しておいて全員が意見を持ち寄る
  3. 課題共有、提案、討議、採決など、会議の着地点を決めておく
  4. 議事録を残し、意味がある会議だったか検証する
  5. 議題以上に、重要なことを確認する

=====

 

■毎月の会議が、
いつの間にか義務化している、ということがよくあります。

法律やISO、病院機能評価の要件を満たすためもあって
毎月会議を開催しているものの、
当人たちは、
「今月の会議は何をしようか?」
と話し合っている、という場面を
みなさんもしばしば見受けるのではないでしょうか。

そこで話し合われるのは、
「昨年はどうでしたっけ?」
「議事録では、こうでした」
「そういえば、去年はそうだった」
「今年は、コロナの影響もあるので、そこまでやらなくて良いのでは』
「そうですね、みんな他にもいろいろと忙しいので、簡略化しましょう」
といった、
寂しい限りの話し合いになっていることが多いでしょう。

結果、
せっかくみんなで集まっているにも関わらず、
場当たり的に話し合ってしまい、
大して実のある会議になっていない、ということです。

これこそ、
「形骸化」
そのものです。

こうした形骸化は、
世の中のそこここで起きています。

「なぜ、形骸化が起きるのか?」
と思うでしょうか?

実は、その

「なぜ?」

という発想を切り替えなければなりません。

 

■すなわち、
「なぜ、形骸化が起きるのか?」
とは、
「本来は、形骸化しないはずだ」
という認識が原則になっているからです。

人間の心理構造を考えればわかると思いますが、
人間は、もともと、
つねに目の前のことにとらわれる傾向があるのです。

それが防衛本能であり、
生命活動にとって必要なのですから、
目の前のことに集中しがちになるのは、
むしろ当然です。

なので、
「人間は、原則として、目の前のことにとらわれる性質がある」
という前提に立つことが自然だということです。


つまり、

「原則として形骸化する」

のか人間だ、ということです。


■一方で、
目の前のことにとらわれ、
何をしても形骸化しやすい性質があるものの、
そのために、
「大局的な視点を忘れ、
本当に意味のある施策ができていないゆえに、
実のある話ができていないなどの無駄を生んでいる」
という問題を感じている人も少なくありません。

では、「形骸化」が起きないようにするには、
どうすればよいでしょうか?

形骸化を防ぐ方法は、実はシンプルです。

そもそも「形骸化」とは
「心を忘れて、形にとらわれている」
「魂を忘れて、骸にとらわれている」

それは、
「価値観を忘れて、行動にとらわれている」

ということであり、
本質を言い換えれば、ズバリ、
「目的を忘れて、手段にとらわれている」
ということにほかなりません。

要するに、
「形骸化とは目的を忘れること」
そのものなのです。

 

■ということは、
形骸化しないためには、
つねに目的を忘れない、ということに尽きます。

したがって、対策もまたシンプルであり、

必然的に、
「常に目的を振り返ればよい」
ということになります。

毎月の会議の際にも、
毎回、冒頭で目的を確認して、
「どんな長期計画があり、
そのもとに、どんな中期計画があり、
そのもとに、今年はどこを目指していて、
その中で、このチームが何をしようとしていて、
その流れにおいて、今日何を話し合うのか?」
を、きちっと提示し直して、

最も高い視座でマクロを俯瞰するところから、
おりてゆき、
最も目の前のミクロな話題へと移るようにするのです。

そして、
会議が終わる際にも、

もう一度、
「今日の会議で話し合ったことは、
このチームのミッション、
今年の方向性、
中期計画、
長期計画の中の、
どの部分について、どこまでゴールに向けて前進した」
と確認します。

そして、
「次回も、このチームが各論を話し合うのは、
これらの長期・中期・今年の文脈の中でする活動の一環なのだ」
という念を押して解散するのです。


自分たちの居場所を

マップで確認し、

俯瞰して自分自身をドライブすれば、

ロスやストレスにみずから迷い込む事は

起きないのです。


■なので、冒頭のクイズにおいて、
[1]の、「議題を絞る」
[2]の、「事前に議題を共有しておいて全員が意見を持ち寄る」
[3]の、「課題共有、提案、討議、採決など、会議の着地点を決めておく」
[4]の、「議事録を残し、意味がある会議だったか検証する」
・・・は、いずれも、
「その議題ありき」
のミクロな視点から脱却できていないことから、
形骸化、または形骸化する恐れを内包しています。

そして、マクロな視点を持ち、
「そもそも、その議題でよかったのか?」
と俯瞰できる視点が重要なので、
[5]の、「議題以上に、重要なことを確認する」
が、正答となります。

多くの組織の現場においては、
毎月の活動をとりあえず行なえば、
今年の計画も進んだはず、ということにしてしまっているのも
実は、ロスやストレスの温床となっています。


そして、

そのことに気づかずに、
「つつがなく行なわれていればよい」
という運営をしているところがたくさんあるので、
注意した方が良いでしょう。

 

■このように話すと、
「そんなことをしなくても、分かりきっている」
「それは、年度初にトップから宣言されているから大丈夫」
「毎回の会議で、そんなことをする必要があるのか」
といった声が上がります。

しかし、
それが本当にできていれば、
世の中で、
形骸化など起こっていないはずです。

「そんなことをしなくても、自分は大丈夫」
と考えるのは、
重症の思い上がりと言わざるを得ないでしょう。

頭でわかっていても、つい目の前のことにとらわれてしまうのが、人間です。

それは、上述したように、
生理的・防衛本能的、生命活動的に、
「人間は、原則として、目の前のことにとらわれる性質がある」
からにほかなりません。

それが人間だということを知っている以上、
「自分は大丈夫」
という非科学的で思い上がった自信にあぐらをかくことなく、


その「人間は形骸化し方である」性質を

織り込んだルーティンを設計してしまうことが
最も確実な解消策だと言えるでしょう。

■組織を良くするために、会議で新しい提案をすると、ネガティブな意見が挙がって、通らない、ということがあります。これでは、大きな改革ほど、実現できません。

では、どのようにすればよいでしょうか?

  1. 文句を言わせないだけの資料を準備する
  2. できるだけ必要な手間や費用がかからない小さい案にする
  3. くじけずに何度も会議に挙げる
  4. ネガティブな人には持ちかけない

=====

 

■役員会で

「新たな取組をしよう」

と提案しても、

さして意味のない反対にあって進まない、ということが有るでしょう。

 

それぞれ自分の課題を抱えている役員からは、

「うちから人は出せない。

誰がやるのか?」

「費用はどれだけかかるのか?

費用対効果のエビデンスを出せ」

「うまくいく保証はあるのか?」

「何かあったらどうするのか?」

・・・などなど、

否定的な意見、

よく言えば慎重論ばかりが上がることになります。

 

およそ肯定的な意見は出てきません。

 

まして、

人材や費用を上乗せしてまで

「応援するぞ」

「わたしも関わるぞ」

という意見など、まずないでしょう。

 

こんな会議をしていては、

毎月、時間が無駄になるだけです。

 

しかし、世の中の多くのビジネス・シーンで、

こうしたことが

日々、大真面目に繰り返されています。

 

ある意味、

喜劇的でもあります。

 

■何故、こんなことが起きてしまうのか?

 

それは、

「会議を因数分解していないから」

にほかなりません。

 

会議で提案してから可決されるまでには、

実は、

A. 問題提起(客観的アプローチ)

B. 問題提起(主観的アプローチ)

C. 改善提案

D. 改善案の比較検討(客観的アプローチ)

E. 改善案の比較検討(主観的アプローチ)

F. 採決

・・・といったステップが

一般的には含まれています。

 

A〜Bまでは、

問題を共有するステップです。

 

医療現場で言えば、

診察をして、病因を明確にする段階です。

 

もし苦痛を感じていない患者さんであれば、

苦痛もしくは将来の問題を共有してもらう段階にあたります。

 

つまり、

「なんとかしなければ大変だ」

という

行動の「目的」を形成するステップだと言うことです。

 

客観的なデータを見せただけでは、

ピンとこない人もいるので、

このまま放っておけばどんなに悲しい人生になるか、

「大好きな晩酌もできなくなる」

「旅行にも行けなくなるかもしれない」

「車椅子生活になれば、大好きな温泉にも一人では行けない」

「娘の結婚式にも出られるかわからない」

などの主観に訴えることが必要なこともあるでしょう。

 

こうして、

「何とかしなければいけない」

と、行動の目的が形成されて、

人は初めて

「では、どうしたらいいのか?」

という話題に関心を向けることになります。

 

そこで、ようやく、

C〜Eの、「手段」を選択するステップに進む準備ができる、というわけです。

 

ただし、

「こんな治療をします」

と一方的に決められてしまうと、

納得感がありません。

 

自己決定した実感がないからです。

 

そこで、

改善提案としては、

いくつかの選択肢を提示することが望ましいでしょう。

 

そして、手際良く進めるならば、

挙げたいくつかの選択肢のそれぞれについて、

長所と短所をまとめた一覧表を提示すると良いでしょう。

 

まずは、客観的な事実について

比較検討を行ないます。

 

それでも、

価値観は人それぞれなので、

好き嫌いや、

タイムリミットに対する意識、

危機感の濃淡の差があり、

それを無視して進めれば、

やはり納得を得られません。

 

なので、次に

主観にアプローチして比較検討するステップが必要となります。

 

それぞれの勝手なフィーリングが働くこともあれば、

単に、根負けして

「ならば、みなさんに任せます」

という結論になることもあるかもしれません。

 

ともあれ、意思を固めてもらい、

ようやく

Fの「採決」に至る、ということになります。

 

■この、AからFまでのステップを

一度の会議でなんとか進めてしまおうとするならば、

こんなに横着なことはありません。

 

通るはずがないのは当然でしょう。

 

「痛いでしょ?

では、来週、この手術をします。

同意書にサインしてください」

と言っているようなものです。

 

いつもセミナーなどでもお伝えしているように、

責めて、

A~Bの「目的」フェーズと

C〜Eの「手段」フェーズとは

分けておいた方が、はるかに円滑に進むことでしょう。

 

■ここからが本題です。

 

ただし、一番困るのが、

このように進めても、

「目的が刺さらない人もいる」

ということです。

 

とくに役員クラスになると、

固定観念があったり、

個人的な利害やこだわりが働き、

容易に価値観が変わらない、と言うことがあります。

 

高齢でなくても、

想像力が乏しく、

「なんとかなるんじゃないですか?」

「いずれ、様子を見て考えましょう」

と、さっぱり危機感を持てない人もいます。

 

想像力はあっても、

「そこまで気をつかわなくて良いのではないですか?」

「それくらいは我慢してもらいましょう」

などと、

関係者への良くない影響を問題として感じることができない

自己中心的な発想の人もいます。

 

このように、簡単には

「目的が刺さらない人もいる」

ので、

丁寧に進めても、

やはり否定的な意見が挙がって、

ブレーキをかけられてしまう、ということがあるのです。

 

では、どうするか?

 

■それは、

「ブレーキになる人を入れずに話を進める」

ということです。

 

「この件は役員会で」

と考えると、

役員全員に参加してもらうことになり、

役員の中にもブレーキは居て、

その人も同席することになってしまいます。

 

あるいは

「委員会で」

と考えると、

委員全員に参加してもらうことになるので、

やはりブレーキが同席することになるでしょう。

 

「経営企画室で」

ということもありますが。

経営企画室のスタッフだからといって、

全員がアグレッシブな考え方で、

前向きで協力的なわけではなく、

ブレーキも混じっているものです。

 

それをわかっていて、

敢えて、役員、委員、経営企画室といった肩書きで招集して

ブレーキをかけられてしまうのは、

得策ではありません。

 

■そこで、

「この課題に関心がある人」

を募って、プロジェクトチームを編成することです。

 

こうすれば、

関心もないのに招集されて、

余計な口出しをしてブレーキになるような人は、

そもそも、

混入することがありません。

 

そこに参集するのは、

関心がある人、

口先だけでない人、

役員でも委員でも企画室でもないのに

「関わりたい」

と考えて参加してくれる人、

つまり、

「野心的に行動する人」だけです。

 

こうすれば、

役員会がうかうかしていれば、

プロジェクトチームがやってしまう、

ということになります。

 

委員会がまごまごしているうちに、

プロジェクトチームが進めてしまいます。

 

経営企画室が動かなかったのに、

プロジェクトチームの方が企画してしまいます。

 

組織としても、

こうした方が、生産的です。

 

一般的には、

「会議でどう説得するか」

を考えがちで、

プレゼンテーション・テクニックを磨いたり、

ロジカルシンクや論法を学んだり、

パワーポイントの作り方を身につけたり、

話術やコーチング技法、

ファシリテーション、

アサーションなどを使おうとする傾向がありますが、

その場のやりとりで、

(しかも大勢いる中で)

(しかもその人同士の見えない力学が働く中で)

人を説得することなど、

容易にできるはずもないのです。

 

会議でなんとか説得しようとするのは、

ロスが大き過ぎる、

ということに気づいた方が良いでしょう。

 

とすれば、どうするか?

 

そもそも、

ブレーキを取り除いて、

もはや負けようのない会議になるよう、

「顔ぶれを変えてしまう」

ということです。

 

■これまでは、

「これに関することは、担当部署で」

という考え方が普通でした。

 

「担当部署でもない者が、口を出すな」

というのが常識だったでしょう。

 

いまは、

組織内の壁に遠慮している場合ではありません。

 

これからの時代は、

スタッフ同士が気を遣っている間に、

外部環境がどんどん変化したり、

他のフットワークの軽い企業・組織に出し抜かれたりして、

取り返しのつかない手遅れになってしまうのです。

 

なので、

ネガティブな意見や

ネガテイブな意見を言う人を

最初から、

話し合いの場から排して、

野心的で行動する人たちが、

どんどん動くことが必要です。

 

■また、

いますぐ変えることができないとしても、

長期的には、

役員にも委員にも経営企画室にも、

「変えたいことならいくらでもある」

という

「野心的で行動する人」

を登用してゆくことをお勧めします。

 

みなさんの現場の経営陣・管理職は

どうでしょうか?

 

「変えたいことならいくらでもある」

という

野心がある人ばかりでしょうか?

 

■ある病院では、人事評価制度を導入することにしたところ、
現場や労働組合からの反発があり、退職する職員まで現れました。

しかし、当・自律進化組織研究所が関わって進めたところ、
2ヶ月後には、
「ぜひ制度を導入してほしい」という声が大勢を占めるようになりました。

そうなったポイントは次のうちのどれでしょうか?

  1. 一人一人説得して回った
  2. 制度についての説明会を何度も開いた
  3. 労働組合と交渉して承認を取り付けた
  4. 強制的に評価する制度をやめた

=====

 

■人事評価制度であれ、
目標管理制度であれ、
上層部が
「導入する」
と言えば、
現場スタッフは大抵、反発します。

「今でも充分頑張っているのに、
今以上に求められるものが増えるのか?」
と感じるからでしょう。

あるいは、
「上層部の求める型に
強制的に嵌め込まれてしまう」
という息苦しさを感じることもあるでしょう。

「ますます管理が厳しくなる」
と思うのも無理はないでしょう。

上層部の方は、
「この組織をもっと良くしよう」
「今以上に頑張った人が報われるようにしてあげたい」
と思うからこそ、
人事評価制度を
導入しようと考えるものです。

また、
「もっとスタッフが活き活きと働き、
パフォーマンスを上げたくなるようにしてあげたい」
と思って
目標管理制度を導入することが多いでしょう。

上層部が良かれと思って
制度を導入しようとするにも関わらず
現場からは反発が生まれるのは、
残念なことです。

 

■なぜ、摩擦が生まれるのか?

それは、導入しようとする上層部の側が、

実は大きな間違いを犯しているからにほかなりません。

間違いとは何か?

人事評価制度によって評価されることが
「被用者である以上、義務だ」
と考えていることです。

目標管理制度に組み込まれることが、
「この職場で働く従業員としての、義務だ」
と考えていることです。

「スタッフが納得して働けるように」
「スタッフが活き活きと働けるように」
という目的であれば、
スタッフから頼まれてもいないのに制度を導入したり、
それに組み込まれる義務を課すのは、
お門違いでしょう。

「スタッフのため」
といいつつ、
頭ごなしに導入するので、
反発が生まれるという構図になっていることを考えれば、
強制すれば反発が生まれるのは
必然としか言いようがありません。

このように、
どんなことでも大事なことは上層部が決めて、
現場に口出しさせず、
強制的に進めてゆく、という文化は、
まさに、昭和の時代に培われ、
わたしたちの身体の隅々にまで染みついている
「指示命令体質」
にほかなりません。

指示命令体質の上層部が、
人事評価制度や目標管理制度を考えているので、
「強制的に導入する」
ということをしてしまい、
かえって
スタッフからの反発や不信を招き、
挙げ句の果てには退職まで起こしてしまうのです。

スタッフのためだったはずが、
辞めなくて良いスタッフが辞めてしまったのでは、
本末転倒も甚だしいでしょう。

ここまで読まれて、
「人事評価制度は強制でやるものじゃないの?」
「目標管理制度は強制でやるものじゃないの?」
「強制でやらなければ、できないんじゃないの?』
と思った人もいるかもしれません。

それが
「指示命令体質」
です。

 

■自律進化体質においては、
「どのように評価されるか?」
はスタッフ自身が考え、みずからアピールするのが当り前です。

自分にとって都合の良い人事評価制度が導入されるならば、
それに参加すればよく、
「もっと違った方法でアピールしたい」
ならば、
自分なりのアピールをすれば良いのです。

自分が目標を立ててチャレンジするにあたって、
目標管理制度が都合が良ければ、
それに参加すればよく、
「そんな制度では、自分のパフォーマンスを表現しきれない」
と思うならば、
別の方法でアピールすれば良いのです。

あるいは、組織が導入した制度と、
自分独自のアピール方法を併用して、
より説得力のある自己表現をすれば良いのです。

たとえば、
自分を最も高く評価してくれる人物に来てもらって、
上席者と会ってもらうという方法もあるでしょう。

自分が最も活躍できた現場に
上席者を連れて行って、実情を直接見てもらうという方法もあるでしょう。

地域のコミュニティを作って、
業務外で地域や関係者との連携を図ってきたならば、
そのコミュニティに、
上席者にも参加してもらう方法もあるでしょう。

そのコミュニティの社会活動の中で、
イベントを行う時に、
上席者にも登壇してもらい、当事者の一人になってもらっていれば、
さらに深く理解してもらえるでしょう。

その講演を収録して
VTRをYouTubeにアップするなどして
参画してもらった事実をおおやけにすれば、
もはや、その上席者は、
「部下の頑張りぶりが見えない」
とは微塵も思わないでしょう。

 

■このように、自律進化体質においては、
「自分をどう評価されるようにするか?」
は、スタッフ自身の権利でしかありません。

それがわかると、
上述のように上席者を巻き込むことはできなくても、
せめてできるだけ、
「きちっと表現しよう」
と思うようになります。

したがって、冒頭のクイズにおいて、
「全員を強制的に人事評価制度に組み込む」
ことを前提とした選択肢である
[1] の 「一人一人説得して回った」
[2] の 「制度についての説明会を何度も開いた」
[3] の 「労働組合と交渉して承認を取り付けた
・・・のいずれも不正解です。

「どのように評価されたいか?」
を選ぶのは、スタッフ個人の自由であるという前提であるとする
[4] の 「強制的に評価する制度をやめた」
が正解です。

具体的に、どのように進めたのか、気になるでしょうか?

いつ、
どこで、
どのように、
誰に、
誰から、
どんな材料をもって、
何回、
どれくらいの頻度で、
働きかけたのか?
・・・といった
大多数のスタッフが反発していた組織が、
わずか2ヶ月で、
「ぜひ、導入してほしい」
「ぜひ自分も制度の適用を受けたい」
と賛成に転じるようになった具体的な進め方については、
いずれ機会があればご紹介しましょう。

 

■ともあれ、
上層部・管理職が指示命令体質の感覚で進めようとすれば、
現場からは反発が起き、
反対に、自律進化体質の感覚でアプローチすれば、
現場がみずから動き出す、ということです。

自律進化組織を創るための最もシンプルな方法が、
『HIT-Bit®︎』
です。

HIT-Bit®︎には、
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