自律進化組織研究所 (改 : 患者サービス研究所) -2ページ目

自律進化組織研究所 (改 : 患者サービス研究所)

結果にコミット! みずから活性化し進化する組織を実現します。

■離職を防止するためには、経営陣はどうすれば良いでしょうか?

  1. スタッフからの要望を責任を持って聞く
  2. スタッフからの要望を責任を持って叶える
  3. スタッフからの要望を叶え、叶えられないことは誠実に謝る
  4. スタッフからの要望を叶える責任を負わない。

=====

 

■防げるはずの離職が起きてしまうのは、

なぜか?

 

家業のため、

家族のため、

体調のため、

どうしても仕事を続けられない、ということもありますが、

 

「これまで通りではないとしても、

どんな形であれば続けられるか?」

という相談をした方が良い。

 

しかし、

そんな相談どころか、

あるいは

個人的な事情もないのに、

辞めてしまう、ということがあります。

 

こうした離職は、

本来、

「防げるはずの離職」

ということです。

 

こうした防げるはずの離職を防がないのは、

組織にとって多大な損失をもたらします。

 

  • 採用時の人事管理が無駄になる
  • 育成費用が無駄になる
  • 育成スタッフのモチベーションを損なう
  • 技能が蓄積しないのでサービスの質が向上しない
  • クライアントからの信頼が向上しない

 

・・・などなどそのロスは甚大です。

 

その欠員補充の際には、

  • 募集広告費用がかかったり、
  • 人材紹介会社へ多くの費用を払うなど、

 

費用面・心理面のとんでもなく大きな無駄が

何年も続いているとすれば、

経営としては、目も当てられない状態です。

 

離職が慢性化している組織では

「離職は仕方ない」

と、感覚が麻痺しているところすらありますが、

経営陣がそのような姿勢であれば、

他のスタッフを失望させていることは間違いありません。

 

いまいるスタッフの信頼も損なってしまうことによる

組織づくりにとっての被害は計り知れません。

 

■このような状況を振り返れば、

「スタッフに働き続けて欲しい」

と改めて思うことでしょう。

 

ただし、

「スタッフに働き続けてもらうためには、

スタッフの願いを叶えてやらなければならない」

と考えている人が多いのではないでしょうか?

 

コンサルタント業者が、

「従業員満足度調査」

を売って回っているので、

そんな感覚に陥ってしまうのも無理ありません。

 

しかし、

スタッフの満足度を調査したところで、

「給与や手当を増やして欲しい」

「休みを増やして欲しい」

といった待遇面の項目だけは誰もが

「Yes」

と回答する、という結果でしょう。

 

そして、お察しの通り、

お金も休みも、

要望する方は

「これ以上は要らない」

ということにはなりません。

 

単に

「贅沢をしたい」

「働きたくない」

という願望が必ずしもあるわけではなく、

 

「生きている時間は有限なのだから、

家族との時間を大事にしたい」

とか、

「これからますます生き難い時代になるので、

子供には、いかなる選択も

させてやりたい。

そのためにはお金があればあるほど良い」

といった、

思いもあることでしょう。

 

「自分自身、もっと勉強して

もっと世の中に貢献したい。

そのためには、

留学できる自由な期間とまとまったお金が

あったら助かる」

という尊い思いを持っている人もいるでしょう。

 

しかし、

言うまでもなく、

スタッフの要望に応じるには限界があります。

 

わざわざ満足度調査を行ない、

聞いたにもかかわらず、

要望は聞いただけで、

「その要望には答えられない」

という回答や態度を

組織が示すことになれば、

スタッフを失望させ、

組織とスタッフの関係を悪くするだけです。

 

なぜなら、

「スタッフから上がってくる願いを叶える」

という責任を

経営陣みずから負ってしまっているからです。

 

日本では、

長年の上意下達、

トップ・ダウンの思考が染み付いているため、

どうしても、

経営陣や管理職が、

あれこれと、負わなくても良い責任を、

わざわざ自分から負ってしまう傾向があります。

 

その重荷に苦しんでいる経営陣・管理職が

そこここに見られます。

 

この傾向を

みずから責任を負う病気

「負責病」

と呼んでいます。

 

■そこで、注意しておくことがあります。

 

経営陣は、

スタッフの離職を防ぐためには、

「スタッフから上がってくる願いを叶えてやれるとよい」

という誤解を

一刻も早く解くことです。

 

スタッフたちに要望を聞けば

筆頭に上がってくる休みやお金といった

「願い」

を叶えてあげることは限界がある、

どころか不可能です。

 

そんなことに責任を負っては、

スタッフの失望を買うことが明らかです。

 

まず、

従業員満足度調査などで、

自分たち経営陣が責任を負っているかのような顔で

スタッフの要望を聞いてしまうことが

第一の間違いです。

 

そして、その結果、

それを叶えることができない時に、

「それは無理だ」

と自分が回答することが、

第二の間違いです。

 

この2点で、スタッフは

完全に、

「この人たちが叶えてくれないのだ」

と理解してしまいます。

 

「自分の願いを阻んだのは、経営陣だ」

となれば、

そんな職場で勤め続けたいとは思えません。

 

離職するのは当然でしょう。

 

■では、どうすればよいか?

 

まず、

願いを持つスタッフたちと、

彼らを取り巻く環境や運命とが

向き合った間に立ち、

 

経営陣は、

スタッフの味方として、

その展開に立ち会うことが

まず重要です。

 

そして、その結果、

その願いが叶わなかった時に、

「自分も味方として断腸の思いだ。

なので、その代わりにできることは

やろうと思う」

とコメントすることが重要です。

 

この2点で、スタッフは

完全に、

「願いが叶わなかったのは、残念だが、

それは運命や環境のせい。

むしろこの人たちは自分たちの味方なのだ」

と理解します。

 

「叶うこともあれば叶わないこともある。

しかし、経営陣はいつも自分の味方だ」

となれば、

そんな職場は離れがたいものとなるのです。

 

離職しないのは当然でしょう。

 

つまり、

経営陣が、

「スタッフから上がってきた願いを叶えなければならない」

という呪縛から早く解き放たれた方が、

スタッフが、

経営陣に失望して離職にいたるということが

なくなる、ということです。

 

■パワハラやメンタル疾患が減らず、離職を根絶できないと悩む職場が少なくありません。どうにかしたいと切実に思っていることでしょう。

では、組織の首脳陣が、自分の価値観を実現する、思うような組織を実現するためには、どちらのタイプの組織運営が良いでしょうか?

  1. トップ・ダウン型の組織
  2. ボトム・アップ型の組織
 

 

=====

 

■思うような組織を創れるかどうか?のカギは、

「良いことは良い、ダメなものはダメ」

と言えるか?

と言えるでしょう。

 

とくに

「ここぞ」

という時にその明確な態度を表明できなければ

組織を一つの方向に導くことができません。

 

むしろ、

首脳陣がそれをできない組織が、

思うような組織になることはあり得ないことが

明らかでしょう。

 

しかし、多くの組織において、

これができていないケースが見受けられます。

 

■そして、

「良いことは良い、ダメなものはダメ」

と言い切れるためには、

強力な管理が必要であると考えがちかもしれません。

 

ところが、

実はその逆で、

「良いことは良い、ダメなものはダメ」

と言えるためには、

管理しないことが必要不可欠です。

 

管理しようとするほど、管理が効かないからです。

 

その理由を共有しましょう。

 

 

■表の左側が、

統制型組織、つまりトップ・ダウン型の組織です。

 

トップ・ダウン型組織は文字通り、

上意下達が原則です。

 

したがって、

スタッフを監視して評価するのは、

もちろん、上長の専権事項であり、

部下スタッフの主張に耳を貸すことはあってはなりません。

 

そこで、

上長が部下スタッフの働きぶりや、

マインドを確認するためには、

上長の方が現場に赴き、

スタッフの様子を見たり、

時には、

スタッフを呼んで面談をしたりと、

情報を取りにゆくことになります。

 

しかし、

夫婦間や恋人同士でさえ、

判らないことがあるのに、

それぞれに仕事を抱えている合間を縫って

技能やマインドを把握することは

極めて困難です。

 

まして、部下が7人も15人もいれば、

情報を取り適正に評価するなど、

不可能であるjことがわかるでしょう。

 

こうして、

上長の目が届かない部分が生まれると、

そこでは

スタッフたちが自分たちの居心地の良い場を

形成することになります。

 

そこには、

スタッフ同士の力関係が生まれ、

力のある者の声が通り、

ローカル・ルールがいくつも出来上がり、

特有の秩序のもとで

密室が出来上がるというわけです。

 

業務の質や、現場の状況などは、

上長が見ても判らないことがあり、

密室は首脳陣からアンコントローラブルな

聖域となってしまいます。

 

こうなると、

自分たちを評価する上長がにネガティブな情報をあげることが差し控えられてしまうので、

ミスやロス、クレームなども隠されてしまいます。

 

首脳陣は内情が判らないために、

ますます介入しにくくなります。

 

当然、状況をしっかりと確認することができないので、

「良いことは良い、ダメなものはダメ」

と毅然と表明することなどできません。

 

「良いことは良い、ダメなものはダメ」

と示せない状況では、

組織を思うような方向へ導くことなど

決してできないことが、

お判りでしょう。

 

このように、

トップ・ダウン型の組織では、

論理必然的に密室が生まれてしまうので、

バックルーム(密室)組織ということもできます。

 

さらに言えば、

目の前や足元がどんな状態かも判らず、

危険に満ちていることから、

「ジャングル型組織」

ということもできます。

 

■一方、表の右側が、

ボトム・アップ型の組織です。

 

ボトム・アップ型組織は文字通り、

スタッフ一人ひとりの主体性が中心なので、

依存したり

他人任せにしない自治主義が原則です。

 

したがって、

自分の価値観や存在の意義、

働きぶりを示すのも、

自分しかいません。

 

わかって欲しければ自己責任です。

 

スタッフが上長に観察され評価されるのを

待つことはありません。

 

現場の状況も自分の状況も、

自分の考えや思いも、

各スタッフが表現します。

 

上長が、

自分から情報収集に奔走する理不尽なしきたりに

従う必要はありません。

 

日々、現場のスタッフが提供する情報が、

上長のもとに流れ込んでくるからです。

 

おのずと

現場がガラス張りになります。

 

全方位からさまざまな情報が提供される

オープンな状況なので、

虚偽や誤解はただされるとともに、

一部のスタッフが

自分にだけ都合の良い環境を作ることができないので、

密室が生まれることはありません。

 

オープンで衆人環視のもとでは、

理不尽な言動はつねに是正され、

社会的コントロールが機能するからです。

 

こうした組織では、

ミスやロス、クレームは、

発生した後に隠されるどころか、

予防することが、

自分をアピールする材料となるので、

自主的に問題提起や改善提案が

挙げられるとともに、

事前に

予防策が積極的に講じられることになります。

 

それらの情報もまた、

誰がどんなことをしたのか?

常に発信され、

ガラス張りになるので、

誰からもそれぞれの内情が明らかに判ります。

 

こうなると、

首脳陣が、

「良いことは良い、ダメなものはダメ」

と明確に示すことができるようになります。

 

コンプライアンス上のことであれば、

首脳陣が表明しなくても、

現場のスタッフ同士で、判断することもできます。

 

したがって、

首脳陣は、その上で、

「どのような方向性に進めてゆきたいのか?」

を表明すれば良く、

まさに

組織を思うような方向に導くことが可能となります。

 

このように、

ボトム・アップ型の組織に徹すれば、

論理必然的に

スタッフ同士や部署同士の

目に見えない壁が生まれることがないので、

フィールド(公開)組織ということもできます。

 

さらに言えば、

視界を遮るものがなく、

どこで誰が何を思い考え、

どんな行動をしたのかが一目瞭然であり、

それに関心があれば

誰もが賛同したり、

応援に駆けつけることができる風通しの良い状況であることから、

「サバンナ型組織」

ということもできるでしょう。

 

■みなさんの組織では、

「上長が現場に介入できていない」

「ダメなものはダメと言えていない」

といったことはないでしょうか?

 

もし、そんな状態を脱却するならば、

ボトム・アップ型組織へと転換されることをお勧めします。

 

そのためには、

スタッフ一人ひとりが、

「自治主義」

を理解し、

自己責任で、考え話し合い行動する組織文化が

必要となります。

 

そんな自律型で、進化が生まれる組織を創るための

最短最速の方法が

「HIT-Bit®︎」

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■組織体質を変える場合、トップは最初に何をするべきでしょうか?

  1. 現在の組織体質の問題点を明確にする
  2. 現在の組織体質についてスタッフに話し合わせる
  3. さまざまな組織論を学ぶ
  4. 新たに目指したい組織の在り方を理念にして告知する
  5. 新たに目指したい世界観を明確にして体得する

 

=====

 

■組織体質を変えるということは、

組織文化・組織風土を変えるということなので、

言い換えれば、

「世界観を変える」

というイメージでとらえる方が良いでしょう。

 

 

文化が変わるのは、

日本語で話すのが当り前の日常を

英語で話すことが当り前の日常に変わるような

ものとも言えるからです。

 

 

いま一般的な指示命令体質を

自律進化体質へと変えるのも、

それくらいの世界観の変化だということです。

 

 

しかし、

わたしたちには、

驚くほど、指示命令体質がしみついています。

 

 

それは、

これでもか?と感じるほどです。

 

 

変える方法はシンプルで簡単ですが、

「最も重要な部分を180度変える」

ということだからです。

 

 

■ただし、

本当に自律進化体質を理解されている方々は、

新しい自律進化体質の世界観を聞いて、

まったく驚きません。

 

 

自律進化体質の世界界を知っている方々が

互いに話したときには、

「それはそうなりますよね」

「そうすれば、こんな反応がありますよね」

「その場合には、こんな展開になりますよね」

と、

 

 

あたかもかつて

自律進化体質の同じ職場で働いていたことが

あったかのように、

意見が一致する傾向があります。

 

 

それは、

自律進化体質の組織文化を究めれば、

おそらく

論理必然的に、

一つの答えに辿り着くからでしょう。

 

 

■そこで、

いま世間で一般的な指示命令体質と

自律進化体質の

ギャップを示してみましょう。

 

 

たとえば、

人事評価制度について、

「新たに評価基準を策定する」

ことになったとします。

 

 

●一般的には、

指示命令体質が基本的な思考となっているので

「策定委員会を設けて、そこで決める」

という発想が自然でしょう。

 

 

(1)○自律進化組織では、

「密室で決めることに抵抗を感じる」

ものですが、

反対に

「大事なことは密室で決める」

ということに違和感を覚えないとすれば、

それは指示命令体質です。

 

 

●その反面、一般的には

密室の委員会で策定しようとすれば、

「どんなに頑張って策定しても、

現場から不満の声が上がるのが憂鬱」

ということになるでしょう。

 

 

(2)○自律進化組織では、

「なにごとも密室で決めれば、

現場から不満が上がるのは当然。

なので、

議論のプロセスも結果も、

すべてオープンにすれば良いだけ」

と、論理必然的に考えます。

 

 

●すると、一般的には、

「そんなことをしたら、

もっと意見が上がって厄介なことになる」

と心配するでしょう。

 

 

「オープンにして、

だれがどんな発言をしたかが判ると、

批判が起こりかねない。

 

 

それが恐くて、

委員が意見を言えなくなってしまう」

ということも、

ごく自然に懸念される傾向があります。

 

 

(3)○自律進化組織では、

「オープンにすれば、

さまざまな意見が飛び込んでくるのは当然。

 

 

なので、意見がある人には、

『ではどうぞ参加してご一緒に話し合いましょう』

と呼びかけて

巻き込めば良いだけ、ということになります。

 

 

自律進化体質では、

そもそも、

「大事なことは委員会が密室で決める」

という発想はないので、当然です。

 

 

●一般的には、

「そんなことをしたら、

主張する声が大きい人に有利になってしまうのではないか?」

と懸念されるでしょう。

 

 

それは、

「密室で決めてゆく」

という指示命令組織の世界観にいるからです。

 

 

(4)○反対に、

「なにごともオープンにする」

という自律進化組織の世界観にいれば、

 

 

そもそもオープンにしているのですから、

声の大きな人の主張に疑義や問題があれば、

ただちに、

その他のみんなから意見が飛び込んできて、

是正されることになります。

 

 

●一般的には、

「そんなことになったら

収拾がつかなくなるのではないか?」

という心配することでしょう。

 

 

(5)○そもそも、

トップや管理職が

「収拾がつかなくなったらどうしよう」

と心配することがありません。

 

 

なぜなら、

自律進化組織とは、

自治組織ですから、

「収拾がつかなくなって困るのは自分たちだ」

と理解しています。

 

 

収取がつかないことを

上層部や誰かのせいにすることはないのです。

 

 

したがって、

上層部が

「収拾がつかなくなったらどうしよう」

と悩むこと自体が

自律進化組織においては、

「過保護」

というほかありません。

 

 

●一般的には、

「収拾がつかないじゃないか」

と現場のスタッフが

起こり出したり、

上層部に不満を向けたりする、

というイメージが浮かぶかもしれません。

 

 

これも、

「大事なことは上が決めて、下は従う」

という指示命令体質が染み付いているからこそ、

「ちゃんと決まらないのは上のせい」

という他責発想になってしまう

結果なのです。

 

 

(6)○自律進化組織では、

・なにごともオープンにし、

・参加も意見も自由にし、

・自分たちで決められるからこそ、

・他責発想ではなく自律発想となる

・・・ということです。

 

 

なので、

納得がゆくまで話し合いつつ、

自分たちが無用に困らない様に

妥結するところまで、

人任せにせず、

自分たちで進めてゆくことになるでしょう。

 

 

これが自律進化組織の世界観です。

 

 

■この

一般的な指示命令組織と、

自律進化組織の、

ギャップのやりとりをご覧になって

お判りのことと思います。

 

 

●が、指示命令組織の世界観、

○が、自律進化組織の世界観です。

 

 

わたしたちの中にも、

意外に、

●の指示命令体質の世界観からくる思考や言葉が、

自然に息づいていることが

感じられたのではないでしょうか?

 

 

一方、

自律進化組織の文化を理解する方々は、

○の自律進化体質の世界観からくる

思考や言葉が、

ごく自然に、

頭に次々と浮かんだことと思います。

 

 

■自律進化組織を創りたいならば、

まず、わたしたち自身が、

○の自律進化組織の世界観が当り前という感覚に

なることが大事です。

 

 

したがって、冒頭のクイズ

「組織体質を変える場合、トップは最初に何をするべきか?」

については、

 

[1]の「現在の組織体質の問題点を明確にする」

[2]の「現在の組織体質についてスタッフに話し合わせる」

[3]の「さまざまな組織論を学ぶ」

[4]の「新たに目指したい組織の在り方を理念にして告知する」

は、いずれも当りません。

 

 

最初にしなければならないのは、

なによりも

[5]の「新たに目指したい世界観を明確にして体得する」

ことに他なりません。

 

 

どんな場面でも、

「自分の目指す世界観では、当然、こうなる」

と、

トップが明確な組織文化を、

持っていることが必要です。

 

 

トップが、

世界観がグラグラしていては、

組織はもっとグラグラしてしまうことは、

言うまでもないでしょう。

 

 

そのように世界観を切り替えるには、

日々、リマインドしてくれる仕組みが必要です。

 

そのための最もシンプルな方法が、

1日5分のコミュニケーション・モデル

『HIT-Bit®︎』

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■経営者・上層部の多くの方は、たいてい現場に対して「もっと自主的に考えて改善してほしい」と期待しているようです。

しかし、現場が「それなりに充分やっています」と反論することが珍しくありません。

この水掛け論は互いの関係を悪くするだけで、モチベーションも生産性も低下させてしまいます。

では、むしろモチベーションと生産性を向上するには、どうすればよいでしょうか?

  1. 管理職が現場をしっかり見て様子を把握する
  2. 管理職が当該スタッフから聞き取り把握する
  3. 管理職が周辺スタッフから聞き取り参考にする
  4. 半期または通期の目標管理面談で問い質す
  5. 客観的に数値で把握する

=====

 

■世の中では、

価値観が多様化、複雑化し、

変化の加速化はさらに激しくなり、

激変の時代になりました。

 

飛ぶ鳥を落とす勢いで出店して

全国展開していたと思っていたチェーン店が、

あっという間に、

規模を縮小しているということも、

珍しくありません。

 

こうした社会背景のもとでは、

企業組織も

「変わるのが当り前」

という文化にならなければ、

生き残っていけません。

 

「昨年の資料を見てやればいいですよね」

という思考が当り前では、

もはや

「今年はまったく通用せず、大敗北を喫した」

という結果をつねに生み出すと言うことに

なってしまうからです。

 

■そこで、自律進化組織研究所では、

組織改革の依頼を受けた場合には、

まず、

「変わるのが当り前の時代なった」

という社会背景を学び、

危機感を共有するようにしています。

 

ここまでは、

「たしかにそうですね」

「自分たちで何かできることはあるでしょうか?」

という反応があり、

順調です。

 

しかし、

「では、どんどん変わってゆける組織にしましょう」

というと、

「いや、わたしたちは、

それなりに変えています」

という声が返ってくることが多々あります。

 

いよいよ現状を振り返ることとなり、

また、

いよいよこれまで以上の新たなアクションを求められることになるので、

どうしても、抵抗を感じるのも無理ありません。

 

「まだまだ足りない」

という経営陣と、

「充分やっている」

という現場とで、

摩擦が起きるのが、この段階なのです。

 

もちろん、

現場スタッフが面と向かって反論することは稀ですが、

明らかに不満は顔が見受けられる傾向があります。

 

「足りない」

「やっている」

の水掛け論を

そのままにして施策を進めようとすると、

双方の信頼関係を損なうので、

この取組そのものが無駄になります。

 

ではどうするか?

 

■水掛け論になってしまうのは、

原因はたった一つ。

 

主観の押し付け合いになっているから、

に他なりません。

 

つまり、水掛け論で傷絵付け合わないようにするには、

できるだけ客観的になるように

「ものさし」

を設けるということが必要なのです。

 

ところが、

「何が、どれくらい、行なわれている」

ということを、

客観的事実を挙げて釈明するということに、

多くの組織のスタッフは馴れていません。

 

そのため、

「このところ、かなり増えてきました」

「昨年以降、ずいぶんよくなりました」

「最近は、感謝の言葉をいただくことがあります」

といったざっくりとした話になってしまうのです。

 

しかし、これでは、

まったく客観的ではないので、

さっぱり伝わりません。

 

■そこで、使用しているのが、

冒頭の、

「『変わるのが当り前』診断アンケート」

です。

 

「わたしたち、何かあれば、みんなで相談して変えています」

と言う声がよくあり、

それは本当でしょう。

 

では、

「いつ、だれが、何を変えたのか?」

をたとえば半年遡って書いてもらいます。

 

ただし、

「変えた」

と言っても、2種類あります。

 

このままでは、ミス・ロス・クレーム・多大な負荷が

減らないので、

「なんとかしよう」

と言って変えるのは、

「是正」

です。

 

いわば、80点の業務を100点に戻そうとする意味での

改善なので、

「是正」

と呼んでおり、

業務をきちっとこなす上では、

むしろ

「やって当り前」

の変化です。

 

一方、

なにも問題はないけれど、

今以上に、もっと良くしようとして変えるのは

「進化」

です。

 

こちらは、

いま充分に合格点だが、

それを、120点、150点へを高めようという動きです。

 

「変わるのが当り前」

の時代においては、

常に前提条件が変わるので、

「是正だけをしていれば良い」

という考えでは致命的です。

 

むしろ、

「明日はどうなるかわからない」

という状況下では、

日頃からつねに

「進化」

できていることが必要でしょう。

 

■そして、

このシートを配布し、

半年を振り返ってもらってみると、

各部署の管理職が、

6つも挙げられないことが多い傾向があります。

 

部下が1人でも、

月に1つ、進化なり是正なりをしていれば、

6つは書けるはずです。

 

まして、部下が5人いれば、

30個くらいを挙げられなければ、

とても、

「わたしたち、ちゃんとできています」

とは言えないのではないでしょうか。

 

そして、

自律進化組織研究所では、

「変わるのが当り前の組織体質にしましょう」

を狙いとするので、

「部下1人当たり、

月に1つ、

進化なり是正なりをしている」

と言えるようにしてゆきたい、と

目標を設けるようになります。

 

■こうすることによって、

「いま自分たちがどこにいる」

という現在地確認ができ、

そして、

「いつまでにどこまで進む」

という目的地確認ができます。

 

しかも、

客観的な事実と数値によって、

進捗状況を検証することが可能となります。

 

ところで、

ここまで読まれて、

「現在地から目的地まで、

どのようにチームを引っ張ってゆき、

組織体質を変えてゆくのか?」

と思われた方もあるでしょう。

 

「そんな情報収集をつねにしなければならないならば、

とても不可能だ」

と感じる人もいます。

 

それらの一切が解消される方法が、

「HIT-Bit®︎」

です。

 

HIT-Bit®︎は、現場から、

「いつ、誰が、どんな発言・行動をした」

という情報が、自動的に挙がってきます。

 

その記録が蓄積するので、

その記録から主な情報だけをピックアップすれば、

半年間に進化や是正がどれだけ生まれたかを、

簡単に書き出すことができます。

 

HIT-Bit®︎をおこなっていれば、

半年後に、

再度、

「変わるのが当り前」診断アンケートを実施したときには、

あっという間に、

欄に記入してゆくことができるのです。

 

なお、この段階では、

進化と是正の数量と頻度の検証ですが、

 

これができたら、

次に、

そこに挙げられている進化や是正について

より質の高いものにするステージに入ってゆきます。

 

質の向上については、

また別の機会に述べます。

 

■以上の通り、冒頭のクイズ

「モチベーションと生産性を向上するには、どうすればよいか?」

について、

 

[1][の「管理職が現場をしっかり見て様子を把握する」

[2]の「管理職が当該スタッフから聞き取り把握する」

[3]の「管理職が周辺スタッフから聞き取り参考にする」

[4]の「半期または通期の目標管理面談で問い質す」

・・・は、いずれも主観による水掛け論の域を出ないので、

相応しいとは言えません。

 

したがって、水掛け論を脱却して、

お互いが現在地と目的地を確認し、

納得した上で前進するためには、

[5]の「客観的に数値で把握する」

ことが重要となります。

 

なお、HIT-Bit®︎については、

1Dayセミナーを開いています。

 

◆4/10(土) 13:30〜16:30

◆5/8(土) 13:30〜16:30

 

詳細と申込はこちらです。

 

■この変化の激しい時代、
「スタッフには指示待ちではなく、みずから考えてチャレンジできる視野と発想を持ってほしい」
と考える経営者・管理職が増えています。

では、従来の受け身型からチャレンジングな組織にするためには、どうすれば良いでしょうか?

  1. 指示・命令されていないことをやるように呼びかける
  2. 指示・命令されていないことが行なわれることを美徳とする
  3. 指示・命令されていなかった成果を高く評価する
  4. 現場からの声が自由に上がってくる仕組みをつくる

=====

 

■みなさんの職場は、
減点主義でしょうか?
加点主義でしょうか?

これらがもしも混在していると、
現場は混乱し、
力を充分に発揮することができません。

いずれか明確にしておくことで、
初めて一貫した組織づくりが可能となります。

もし、みなさんが
総力を発揮できる組織にしたいならば、
まず、上層部が、
この点を明確にしておくことをお勧めします。

 

■まず、左側の図が、
これまでのカルチャーです。

(1)減点主義の思想が広まっているのは、
日本では長らく、
変化が少ない世の中が続いたからでしょう。

(2)というのも、
変化が少ない環境であれば、
知見や技術が蓄積してゆくので、
「こうすればうまくいく」
ということが明確になってゆく結果、

組織においては、
それらに基づいて、
「決められたことをこなすことが、最も効率的かつ合理的」
となるからです。

(3)したがって、
業務についても、スタッフについても、
「決められたことが、しっかりとできているか?」
が評価される最大関心事となります。

(4)なお、知見や技術は、
充分に蓄積されたものが現場に用意されているので、
「業務がこなせていないはずがない」
つまり、
「原則として、こなせているはず」
ということが前提となります。

したがって、
「普通にやっていれば100点」
が基本となり、
「こなせていなければ減点」
という
「減点主義」
へと、論理必然的になってゆきます。

減点主義をスポーツで言えば、
ちょうど、
プロボウラーが、
「300点をいかに下回らないか」を競うような
緊張感が感じられるのではないでしょうか。

(5)指示・命令したことが
こなされているかを評価すれば良いので、
「業務の状況は上司が見にゆけば良い」
ということになります。

指示・命令をした上司が見るのが
もっとも確実だからです。

すると、スタッフは、
(6)決められたことをきっちり見られ、
評価されてしまうので、
おのずと、
「決められたことに専念し、
全神経を集中し、
余計なことはしないよう萎縮する」
こととなります。

その結果、スタッフは、
(7)「楽しくはないが、報酬は変動しない」
という状況に、
一定の満足を覚えることができるようになるでしょう。

これは、昭和の中後期の、
高度経済成長期に見られた
世の中の多くの企業・組織の文化ではないでしょうか?

 

■一方、右側の図が、
これから目指すべきと思われるカルチャーです。

いまは
(1)変化の激しい時代であることは
改めて言うまでもないでしょう。

(2)すると、
指示・命令を待っているようでは、
重大なことを、
見逃し・見過ごし・見落としてしまいますから、
つねに、
「決められたこと以外へのチャレンジ」
をすることが、
重要となります。

(3)となれば、
業務についても、スタッフについても、
「決められたこと以外に、
何がどれだけ話し合われ、実践されたのか?」
が、組織全体の方針でもあり、
そこを積極的に評価することが必要不可欠になります。

(4)こうした社会背景や組織文化のもとでは、
本来は、
「こうしていれば満点」
という概念は存在しませんから、

むしろ、
既成概念を超えて、
「予期しなかった言動があったほど、加点する」
という
「加点主義」
に、論理必然的にならざるを得ません。

加点主義をスポーツで言えば、
ちょうど、
環境も敵もその時々で異なる野球やサッカーに条件が似ていて、
「奇策に出てでも、1点でももぎ取る」といった精神や
「今回は、どんな大胆なドラマが生まれるのか」と大胆さを楽しみにするといった
ダイナミックさが感じられるでしょう。

(5)指示・命令したこと以外に、
「上司も予期しなかったことが、
何がどれだけ行なわれたか?」
は、
当然、上司が一方的に見にゆくことはできません。

上司の想定を超えたことほど価値がありますが、
想定を超えていることほど、
上司には予想できないからです。

したがって、
「業務の状況はスタッフがみずから自己申告する仕組み」
がどうしても必要になります。

なお、
良かれと思ってしたことや、
正しいと思って自己申告したことが、
マイナス評価を受けるようでは、
スタッフは萎縮してしまい、
チャレンジングな組織にはなりません。

なので、
「現場から自由に、のびのびと申請できる仕組み」
が必要となります。

すると、スタッフは
(6)決められたこと以外へと、
どんどん視野を拡大して行くことができ、
「積極的に挑戦する」
ことが当り前の風土になります。

その結果、スタッフは、
(7)誰かの指示や命令や、
他人の価値観を押し付けられることなく、

その反対に、
自分が関心を持ったことについて、
自分なりのこだわりでアプローチし、
自分の動機で発言し行動できるので、

これ以上に
「納得感」
を得られることはありません。

なお、
発言するのも行動するのも自由なので、
思うようにいかないときに誰かのせいだと考える
他責意識が生まれる余地がなく、

おのずと、
報酬も環境も自分が創っているのだという
「自律意識」
となります。

だからこそ、
誰かのせいにすることなく、
「自分の力を充分に発揮したい」
と心から思えるということになります。

 

■さて、
昨今は、多くの組織でも、
(1)変化が激しい
(2)決められたこと以外へチャレンジすることが大事
(3)決められたこと以外に何がどれだけ行なわれたかを重視する
(4)なので、加点主義も良い
・・・といった考え方は増えてきたようにも見受けられます。

ただし、
(5)業務の成果を現場から自由にのびのびと上げる仕組み
が、講じられている現場は稀でしょう。

右側の図における(5)が、
加点主義の組織にする上での
絶対条件だということです。

なぜなら、
これがなければ、
予期しなかった言動があっても、
それをとりこぼしなくすべてキャッチすることができないため、
公正公平に加点することができないからです。

そのため、スタッフが、
(6)視野を広げ、積極的にチャレンジすることもできず、
すると、
(7)納得感も自律意識も醸成されません。

ということで、
冒頭のクイズ
「従来の受け身型からチャレンジングな組織にするためには、どうすれば良いか?」
について、

[1]の「指示・命令されていないことをやるように呼びかける」
[2]の「指示・命令されていないことが行なわれることを美徳とする」
[3]の「指示・命令されていなかった成果を高く評価する」
・・・は、いずれも
スタッフのチャレンジを公平公正に評価することまではできません。

[4]の「現場からの声が自由に上がってくる仕組みをつくる」
ことが必要不可欠となります。

しかし、些細なことほど、
現場は報告を挙げづらい、ということがあります。

反対に、みなさんのような経営陣・管理職も、
あまりに些細すぎることを
なんでも挙げてこられても困る、
ということもあるでしょう。

 

■そこで、蓄積した情報を整理して、
適切な範囲で
自己申告できるようにするための方法が
『HIT-Bit®︎』
です。

HIT-Bit®︎を実施していると、
小さな違和感、わずかな気づきも
どんどん現場から上がってきます。

それが契機となって、
大小様々な改善が生み出されます。

それらのうちの価値のある言動だけを整理して、
現場から上げてくることを
仕組み化することが可能となっています。

そのため、
HIT-Bit®︎を始めると、まもなく、
現場からの意見がどんどん上がってくるようになります。

変化の激しい現代では、
こうした、
意見がどんどん上がってくる組織へと
一日も早く舵を切る方が良いように感じられます。

HIT-Bit®︎については、1Dayセミナー(オンライン)を開いています。
◆3/13(土) 13:30〜16:30
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詳細と申込はこちらの通りです。

 
 

■「組織体質を変えるのは難しい」と言われます。そのために、さまざまな施策が試みられていますが、「これだ」というものは稀でしょう。

では、まず第一に、どうすれば良いでしょうか?

 

  1. スタッフに目指すべき組織像についての教育を受けさせる
  2. スタッフを集めて目指すべき組織像を説いて聞かせる
  3. スタッフを集めて目指すべき組織像に近いクレドを作らせる
  4. スタッフを集めて目指すべき組織像の具体的なイメージを考えさせる
  5. 経営者・上層部が、目指すべき組織像を徹底して明確にイメージする

 

https://pcs-c.com/blog/2021/03/4230/

=====

 

■自律進化組織を目指すと、

現場の文化が変わります。

 

例えば、

みなさんも普段されていることと思いますが、

会議では、

役職者が、パワー・バランスを考えて、

なるべく率先して発言しないようにしているでしょう。

 

医療現場の場合には、

医師が、

なるべく率先して発言せず、

最後に意見を言うようにしている、

という配慮をしていることも多いでしょう。

 

ただし、

もっと真剣に自律進化組織を目指して、

それをさらに突き詰めるならば、

みなさんは、

「自分が一言も発言せずにこの会議が終わるのが理想だ」

ということを、胸の内に秘め、

「早くそんな会議が当り前になるようにしよう」

と、虎視眈々と目論みながら、

毎回の会議に参加する、

という組織文化になります。

 

■そして、その文化が浸透すると、

さまざまな委員会でも、同じようなことが

行なわれるようになります。

 

たとえば、品質向上委員会であれば、

年に数回、

外部講師を招いて品質向上の研修を行なうでしょう。

 

あるいは、

品質についての調査を実施して検証し、

部門を表彰することもあるでしょう。

 

または、

全社員に呼びかけて、

品質向上のための標語を募集し、

ポスターにして社内の各所に掲示したりするでしょう。

 

これが医療機関の

たとえば、接遇委員会であれば、

年に数回の接遇研修を企画したり、

 

患者満足度調査を実施して、

結果をグラフ化して掲示したり、

 

接遇標語を募集して、

優秀作品をポスターにして院内に展示するなどの

役割を担うことが多いでしょう。

 

品質向上委員会にせよ、接遇委員会にせよ、

一般的には、

「その作業をするのが、自分たち委員の役割だ」

と考えているのではないでしょうか?

 

しかし、自律進化組織を目指せば、

委員は、

「今だけは、

自分たち委員会がやっているが、それは本来の形ではない」

という思いを胸に秘め、

 

「近い将来、

 

研修であれ、リサーチであれ、標語の募集・掲示であれ、

何事であれ、すべて、

 

自分たちが行なうのではなく、

 

委員で有ると無いとを問わず、

部署を問わず、

職階を問わず、

多くのスタッフたちが、自律的に率先して行ない、

どんどん進化が生まれるようにしてゆきたい」

 

・・・と、虎視眈々と目論みながら、

それぞれの施策に携わる、

という組織文化になります。

 

■さらに、

もしみなさんが、

最大限に活性化した自律進化組織を目指すならば、

企業の役職者や医療機関の医師の立場の場合、

「自分が一切発言しなくても、

会議が行なわれ、

すべてがどんどん進んでゆく組織にしてゆこう」

と、

明確にイメージすることとなるでしょう。

 

同様に、

もしみなさんが、

最大限に活性化した自律進化組織を目指すならば、

みなさんの組織の中において、

企業の品質向上委員会や病院の接遇委員会が存在すれば、

その委員一人ひとりが、

「自分たちが一切企画しなくても、

関心のあるスタッフが自発的に、

研修を企画したり、

リサーチをやろうと言い出したり、

自分たちで標語を募集してみようと言い出すなど、

すべてがどんどん進んでゆく組織にしてゆこう」

と、

明確にイメージすることとなるでしょう。

 

もっと徹底すれば、

「何年後には、

この委員会が無くなっても、

スタッフたちがみずから、

このテーマを探究し、推進してゆく組織にしてゆこう」

といった展望を描くことになります。

 

■役職者、医師、品質向上委員、接遇委員が

このような意識を持ち、

当り前の感覚になると、

日常の発言に、

つねにその思想が滲み出てくることになります。

 

たとえば、

委員会は、事前に日時を告知して、

関心がある人は誰でも参加できるようになります。

 

たとえば、

これらの委員会に限らず、

あらゆる課題について、

気づいた人・関心がある人が集まって、

課題解決を模索してゆく

「テーマ起点型組織」

となります。

 

したがって、

「担当でもないのに口を出すな」

といった縦割り思想の言葉が聞かれなくなり、

「担当でもないのに提案してくれてありがとう!」

といった場面が美徳とされるようになります。

 

また、

「来月の定例会議で決裁をもらおう」

といった思考ではなく、

「できることなら、

手分けして、

この件に関心を持ってくれている関係者にアプローチして、

了解を取り付けてしまおう」

といったフットワークが当り前となります。

 

従来の、

事前に与えられた課題をこなして評価される組織ではないので、

「人事評価は、上席者がすべてするもの」

という考え方では成立しません。

 

そこで、自律進化組織では、

スタッフ自身が、

「自分は、あの件に関心を持ち、誰と、どのように話し合い、

施策を講じて、実践した」

といったことを、

みずから説明することで、

人事評価の材料を自分たちで整えるのが当り前、

ということになります。

 

スタッフは、

関心があれば、さまざまなことに関与するので、

「それはわたしの仕事ではありません」

という声は聞かれなくなります。

 

担当業務によって生じる縦割りの壁を

どれだけ超えられるか?が

大切にされます。

 

■従来型の組織、つまり指示命令組織では、

これらが、

ことごとく逆になっているということです。

 

そのため、

スタッフは依存的になり、

いつまでも自律進化組織にならない、という結果になっているのです。

 

「次の研修はいつですか?」

と、

必要な研修は、

待っていれば与えてもらえるものだ、と

まるでお客様のような感覚になってしまっているスタッフの声が聞こえてくるのも、

普段の、

役職者や医師や委員たちの

日常の思考が、

自律進化組織を明確にイメージできていないからです。

 

■したがって、冒頭のクイズ

「組織体質を変えるには、まず第一に、どうすれば良いか?」

について、

 

本来は、

トップが目指すべきゴールを明確にすることが重要なので、

[5] の「経営者・上層部が、目指すべき組織像を徹底して明確にイメージする」

が、まず第一に行なうこと、となります。

 

これに対して、

[1]の「スタッフに目指すべき組織像についての教育を受けさせる」

[2]の「スタッフを集めて目指すべき組織像を説いて聞かせる」

[3]の「スタッフを集めて目指すべき組織像に近いクレドを作らせる」

[4]の「スタッフを集めて目指すべき組織像の具体的なイメージを考えさせる」

・・・は、

いずれも、

トップのゴール像を明確にしないままで、

スタッフを感化しようとしている点で、誤りとなります。

 

■経営者、上層部、管理職が、

こうした

「自律進化が当り前」

という思考の習慣を持たなければ、

スタッフの依存化傾向は治ることはなく、

永遠に自律進化組織にはなり得ないのです。

 

みなさんの現場では、どうでしょうか?

■「もっと組織全体の成長を考えてほしい」
「もっと挑戦的になってほしい」
「目標達成にもっと真剣になってほしい」
・・・など、「組織の体質をより良くしたい」という経営者・幹部は少なくありません。

では、新しい組織体質を創るには、まず最初にどうすれば良いでしょうか?

  1. トップが「どんな成果を出してほしいのか」を全体に明示する
  2. トップが「どんな行動をしてほしいのか」を全体に明示する
  3. 管理職が「どんな成果を出したいか」相談する
  4. 管理職が「どんな行動をしたいか」相談する
  5. 成果や行動にフォーカスしない

=====

 

■組織体質は、
職員一人ひとりの価値観の総体です。

反対に、
ルールで縛ったのでは、
組織体質とも、組織風土とも、組織文化とも言えないでしょう。

ということは、
組織体質(組織風土、組織文化)とは、
ルールは無いにも関わらず、
スタッフ一人ひとりが、同じような価値観を持っている状態のことだと言えます。

ということは、
「組織体質を創りたい」
という場合、
「スタッフにどのような価値観を期待するか?」
ということを明確にする作業が不可欠となります。

 

■実は、昭和のトップ・ダウンが当り前の時代では、
スタッフの行動にルールを設け、
行動の結果としての成果を評価する、
・・・という組織運営がなされてきました。

そのため、我が国の多くの組織では、
「スタッフの価値観」
にフォーカスすることすら、ほとんどありませんでした。

ビジョナリー経営とかクレドづくりなど、
価値観を大事にしようということは提唱されてきましたが、
いずれも、
トップの価値観を起点とする発想の域を出なかったので、
本当に活き活きとした現場を実現した組織は
稀だったのです。

どうしても、経営者や管理職から
「どんな行動をするべきか」
「どんな成果を出すめきか」
ばかりが訴えられてきたので、
現場が元気になるはずがなかったのです。

 

■では、改めて、
「スタッフの価値観」
にフォーカスして、
「スタッフにどのような価値観を期待するか?」
を明確にしてゆきましょう。

そのためのツールが、
『組織体質づくりの可視化マップ』
です。

200306 組織体質づくりの可視化マップ-掲載用

以下に、
このマップの創り方を述べておきます。

 

■まず第一に、
「職員はどんなことを喜びとし
どういう時に幸せを感じて欲しいのか
という【感情の価値観】をまず想定してください。-①

仕事や職場における欲求といっても良いでしょう。

感情の価値観は、
時と場合によって簡単に変わるものではないので、
その価値観を持っているのは、
「常に」
ということになるでしょう。

 

■第二に、
そんな幸せが喜びを感じられるようにするためには
「どういうことを大切にすれば良いか」
という【思考の価値観】
を明確にしてください。-②

仕事や職場におけるポリシーといっても良いでしょう。

例えば、
人と接する時はこうするとか、
仕事に対してはここを大事にするとか、
こういう事は絶対に忘れないようにする、
・・・といった価値観です。

これは思考によるものなので、
普段から意識していることですが、
1秒も途絶えず、というほどでは無いので、
「普通」
ということになることが多いでしょう。

 

■第三に、
心の中の価値観を明確にしたとしたら、
では、
「それがどんな発言になるか」
「どんな会話になるか」
をイメージして、
【発言】を明確にしてください。-③

「そんな価値観があったら、こんな話し合いをするよね」
「そして、話し合いが、こんな展開になるよね」
と思い浮かぶ発言をどんどん書いてみましょう。

すぐにイメージできない場合は、
「こんな言葉が職場に飛び交うよね」
と、思い浮かぶ単語をまずは書き出してみると
その単語を話しているのが、
どんな状況で、どんな文脈かが、
イメージできることでしょう。

そして、
そんな発言は、
どれくらいの頻度で飛び交っているでしょうか?

スタッフ一人につき、
週に何回くらいであれば、
「わたしたちの大切な価値観を持っている」
と言えるのか?
・・・を考えて書いてみてください。

 

■さらに第四に、
そういった発言の中から、
「どんな行動が生まれて欲しいのか」
をイメージして、
具体的な【行動】を書いてみてください。-④

「そういう価値観があるからこそ、こんな行動が生まれるよね」
「こんなときにはこんなことをやるよね」
「こんなことを相談するよね」

あるいは、
「こんな企画を持ってくるよね」
「自分でこんな目標立てるようになるよね」
「こんな場面では、必ずこういう風にするよね」
という場面を想定して、
具体的に書き出してください。

そして、
そんな行動は、
どれくらいの頻度で実践されているでしょうか?

スタッフ一人につき、
週に何回くらいであれば、
「わたしたちの大切な価値観を持っている」
と言えるのか?
・・・を考えて書いてみてください。

 

■そして最後に、
そういった行動の結果、
すべてでは無いにせよ、
良い結果が生まれることでしょう。-⑤

「こんな場面では、こんな対応が飛び出すよね」
「こんな時には、みんながこうして、地域から喜ばれるよね」
「こんな状況でもこんな風にみんなが力をあせて取り組み、とんでもない成果を生み出すよね」
といった良い結果を、
具体的にイメージして、書き出してみてください。

そして、
そんな、価値観を体現した良い結果は、
どれくらいの頻度で実現しているでしょうか?

スタッフ一人につき、
月に何回くらいであれば、
「わたしたちはこの大切な価値観を持ち、
話し合い、
行動に移し、
それを良い結果として体現することが
組織風土になっている」
と言えるのか?
・・・を考えて書いてみてください。

 

■多くの組織で、
組織体質づくりが難しいとされているのは、
最もひどい場合、
⑤の良い結果だけを現場に要求しているからです。

結果だけを求められれば、
人は
結果を出すことだけに専念してしまうので、
ルールによって縛られた組織となり、
活き活きとした組織になることはありません。

指示した以上の結果が
生み出されることもありません。

そこまで完全な成果主義でないとしても、
世の中の多くの組織は、
④の行動をいつも現場に要求しています。

やらされ感が生じるのはそのためです。

スタッフの価値観を一顧だにせず、
行動だけを求められて、
人が活き活きと元気に働けるはずがありません。

 

■何より大事なのは、
スタッフの感情の価値観(①)を尊重し、
その次に、思考の価値観(②)を尊重することです。

ただし、
価値観は内心のことなので、
確認のしようがありませんから、
そこで、
外観できる発言(③)と、
行動(④)によって、
内心の状態を検証することになります。

そのうちの何割かが、
良い結果(⑤)となって、
いわゆる成果になるというわけです。

 

■仮に、
良い結果(⑤)が思うように生まれなかったとしても、
発言(③)や行動(④)が旺盛に生まれていれば、
いずれ良い結果(⑤)がたくさん生み出されることでしょう。

なぜなら、
発言(③)や行動(④)が旺盛に生まれているということは、
スタッフの胸の内に、
大事な感情の価値観(①)と思考の価値観(②)が、
しっかりと根づいていることの証だからです。

 

■したがって、冒頭のクイズ
「新しい組織体質を創るには、まず最初にどうすれば良いでしょうか?」
については、

[1]の「トップが「どんな成果を出してほしいのか」を全体に明示する」
[2]の「トップが「どんな行動をしてほしいのか」を全体に明示する」
[3]の「管理職が「どんな成果を出したいか」相談する」
[4]の「管理職が「どんな行動をしたいか」相談する」
・・・はいずれも、成果や行動にフォーカスしており、

「スタッフがどんなことを大事にしているか?」
というスタッフの価値観を
視野に入れていない点で、
「まず最初にすること」
としては、
不正解と考えます。

そして、むしろ、
[5]の「成果や行動にフォーカスしない」
ようにし、
「価値観」
にフォーカスすることが重要です。

なぜなら、
組織体質とは、
ルールによらないカルチャーのことである以上、
スタッフ一人ひとりの価値観を尊重する視点が
論理必然的に必要となるからです。

 

■ところで、
発言や行動が「週に何回」
良い結果が「月に何回」
とイメージして、
「数値を期待したところで、検証できるのか?」
という人もあるでしょう。

検証する方法があります。

ただし、もちろん、
職場の会話をすべて記録することはできません。

記録したところで、
その内容を分析してくれる人もいないでしょう。

またそもそも、
すべてを記録して欲しくもないでしょう。

では、どうするか?

 

■そのために有効なのが、
スタッフが、
毎日、
一人一言、
発言して帰る、
1日5分のコミュニケーション・モデル
『HIT-Bit®︎』
です。

HIT-Bit®︎を行なうと、
すべてのスタッフが、
日々どのようなことに関心を持ち、
どんな価値観を持ち、
どんな発言をして、
どんな行動をしているのか、

良い結果が出たことも出ていないことも、
自然に、毎日、
記録に残ります。

 

■HIT-Bit®︎を行なうことによって、
この「組織体質づくりの可視化マップ」を活用して、
「組織体質づくりが進んでいるかどうか?」
を検証することが可能となるのです。

もし、組織体質を変えたいと思うならば、
「組織体質づくりがどれくらい進んでいるのか?」
の進捗状況を測定・検証できる方法が必要です。

そのための最もシンプルな方法
『HIT-Bit®︎』
を参考にされることをお勧めします。

なお、HIT-Bit®︎については、1Dayセミナー(オンライン)を開いています。
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■自律進化組織を勧めていますが、「自立進化組織」と書いている方もあります。どちらが良いでしょうか?

 

  1. 自律のためには自立は欠かせないので「自立進化」が良い
  2. 自律と自立は大部分が共通しているので問題ない
  3. ほぼ同義なので、どちらでも問題ない
  4. 自律と自立は、まったく違う

=====

 

■かつて、

「自立」

は、非常に重要でした。

 

昭和時代には、

スタッフ各自が

与えられた業務を、

責任を持って遂行することが、

何よりも重要だったからです。

 

ただひいたすら、

造り続け、

売り続け、

それでも会社は成長し、

従業員は幸せになるとされていたからです。

 

なぜ、それができたか?と言えば、

外部環境の変化が

遅かったからです。

 

昨年と同じことをすれば、

ほぼ昨年と同じ成果を生み出せました。

 

なので、春になれば春闘があり、

ベースアップするのが当り前だったのです。

 

それが判り切っているのだから、

みな余計なことを考えず、

「与えられたことをこなしさえすれば良い」

自立が大切だったのです。

 

自分と与えられた業務だけを見ていれば良い時代

だったとも言えるでしょう。

 

なので、

「自分も自分の業務に責任を持つ以上、

他人に依存するなどもってのほか」

 

「他部署を頼ってはならず、頼らせてはならない」

あるいは、

「他部署に借りを作るな、貸しも作るな」

というカルチャーだったのです。

 

■いまは、どうでしょうか?

 

そうはいきません。

 

先月と同じことをしても、

同じ成果が得られるとは限らない時代です。

 

となれば、

「与えられたことをこなしさえすれば良いのか?」

という視点がなければならない、ということです。

 

自分と業務を取り巻く環境を見る視点が必要な時代

となったと言えます。

 

想定外の状況の変化が起これば、

「してはならない」

などと組織の中のルールに縛られている場合ではありません。

 

頼ることも、

頼られることも、

借りを作ることも、

貸しを作ることも、

柔軟にできる組織こそが、

スマートでしなやかで、

生き残ってゆけるでしょう。

 

具体的には、

「今月は他部署から人を借りて乗り切り、

来月は他部署に人を送り込んで、

その分の利益を出す」

といったパターンです。

 

あるいは、

「今年は思い切り地域を応援し、

来年は思い切り地域に協力してもらう」

という戦略もダイナミックな成果を上げるには、

極めて素晴らしい発想です。

 

これらは、

空間的な、視野の広さ、

時間的な、展望の長さ、

関係性の、視座の高さ

・・・などがあれば、誰でも考えを巡らせることができます。

 

みなさんの現場に、

そのような視点で考えているスタッフは、

何人いますでしょうか?

 

■このように、

「自立」

を大事にしすぎると、

トンネリングやサイロエフェクトに陥る危険があります。

 

トンネリングとは、

トンネルの中を猛スピードで疾走している時のように、

視界が極端に狭くなり、

周囲が見えなくなってしまう状態です。

 

サイロエフェクトとは、

専門領域に埋没して、

周囲の専門外とのコミュニケーションを

断絶してしまう状態です。

 

いずれも、

本人が視野狭窄に陥るのですが、

その結果、

自分自身が孤独や不安、恐怖、猜疑心、報われない虚しさなどに

囚われてしまうばかりか、

独善に陥るゆえに生産性の低下につながります。

 

だれも幸せになりませんが、

不思議と、

いつの間にかその病弊に陥ってしまうのが

人間なのです。

 

これが、

依存を許さず、

「自立」

を強調することの副作用です。

 

■反対に、

「今回はうちがそちらに依存します。

その分、来月は安心して依存してね」

と、

個人の担当や部署の役割の壁を超えたり、

今日、今週、来月の壁を超えたり、

俯瞰する視点を持てることが、

柔軟で強い組織になる要件となっているのが、

こんにちです。

 

コロナの影響がある今、

みなさんの現場からは、

たとえば、

「今月は、

うちの部署は思い切って休業にして、

あちらの部署をみんなで手伝いに行こう」

という大胆な話が出てきているでしょうか?

 

実施するかしないかは別として、

そうした視点と発想が

あるかどうか、が重要です。

 

医療機関であれば、

「状況が変わるまで、

この部署は、人手に余裕があるので、

みんなで、

あちこちの連携先の応援に行こう」

という話があっても良いでしょう。

 

みなさんの現場のスタッフが、

このようはしてにと発想を持って、

こんなふうに話あってくれたなら、

どんなに心強いでしょうか?

 

これが組織の柔軟性と本当の強さであり、

変化への対応能力でしょう。

 

■このように、

「自立しようか」

「自立せずにいようか」

「依存しようか」

「依存させてあげようか」

ということまで、

コントロールすること・・・

 

それが、

読んで字のごとくの

「自律」

です。

 

したがって、冒頭のクイズ

「自立が良いか、自律が良いか」

については、

[1]の「自律のためには自立は欠かせないので「自立進化」が良い」

[2]の「自律と自立は大部分が共通しているので問題ない」

[3]の「ほぼ同義なので、どちらでも問題ない」

・・・は、誤りとなります。

 

自律は組織を柔軟化し、

自立は組織を硬直化するので、

180度、異なります。

 

なので、最も重要な点において、

[4]の「自律と自立は、まったく違う」

が正答となります。

 

■上層部や管理職が、

余計なことに関心を持つスタッフに

顔をしかめたり、

スタッフが

「与えられたことだけを責任を持ってこなす」

といって殻に閉じこもっていられたのは

過去の時代です。

 

今の時代には、

「自立」

にこだわる必要はありません。

 

むしろ、柔軟に、

個人や部署や組織の枠を超えて、

「依存したりされたりを自律すること」

を、

みなさんのような上層部・管理職の方々が、

大歓迎する方が良い時代でしょう。

 

そのように柔軟であるほど、

タイムリーに選択と集中ができるスタッフだということなので、

おのずと生産性が高い組織でもあります。

 

 

■目標管理制度を導入しても、「形骸化している」という声が少なくありません。
当初目指していた「ボトム・アップ型組織になっていない」ということです。

その原因は、実は導入段階にあります。

では、ボトム・アップ型組織を実現するにあたり、目標管理制度の導入はどのように活かせば良いでしょうか?

  1. 目標管理制度の目的を、全スタッフにしっかり説明する
  2. 目標管理制度の目的を、まずは管理職にしっかり理解させる
  3. 目標を書く訓練を、何度も丹念に行なう
  4. どんな目標が望ましいか、スタッフ間で話し合わせる
  5. 他の組織で書かれている目標を学んで参考にする
  6. 目標管理制度の話をしない

=====

 

■目標管理制度を導入しようとする経営陣は、
ほぼすべての場合、
「スタッフがみずから目標を立ててチャレンジしてゆく組織をつくりたい」
という動機を持っているように見受けられます。

自発的に考え行動する、
すなわち
「自律進化組織」
を望んでのことでしょう。

一般的な表現で言えば、
「ボトム・アップ型の組織にしたい」
ということでしょう。

ところが、
目標管理制度の導入のプロセスはどうなっているでしょうか?

目標管理制度の権威と言われる学者の提示する方法も、
目標管理制度導入コンサルタントの提示する方法も、
出回っているビジネス書に書かれている方法も、
たいてい、
以下のような流れになっている傾向があります。

  1. まず、管理職に目標管理制度の目的を学ばせるために研修を行なう
  2. 手始めに、管理職が、自分の担当する部署の目標を、目標シートに書いて提出してみる
  3. 上席者が、管理職の目標設定面談を行ない、目標シートに書かれた目標を、より妥当なものにするよう指導する。この場合、目標管理制度導入コンサルタントが同席することもある
  4. 上記を何度か繰り返すことによって、管理職は次第に適切な目標を書けるようになる
  5. その次の段階として、各管理職が、自分の担当する部署の部下スタッフたちに、目標を書かせる
  6. 管理職が、部下スタッフの目標設定面談を行ない、指導する
  7. 上記を何度か繰り返すことによって、部下スタッフは次第に適切な目標を書けるようになる

概ね、このような運びになっているのではないでしょうか?

 

■ここまでで、すでにお気づきのことと思いますが、
この手順は、
目指していたボトム・アップ型組織と正反対の、
完全なトップ・ダウン型組織を作っていく作業に
なってしまっています。

なぜ、これが失敗になるのか?

まず、第一に、
「目標を書け」
と言われて書いている時点でトップ・ダウンが働いています。

また、
上席者が管理職に対して、
管理職が部下スタッフに対して、
目標の書き方を指導するという点で、
上から求めた目標を部下たちに書かせる作業において、
強力なトップ・ダウンが働いています。

その結果、目標を書かされる側は、
「上司がが認めてくれる目標を書かなければならない」
と考えるので、
ボトム・アップは起こらない風土になります。

下書きは本人が描くけれども、
そこに本人のモチベーションがありません。

それは、
上司に気に入られる目標を書いて、
上司の了解を取る
という機械的な作業となっています。

その結果、みなさんが感じた通り
「上層部が導入するにあたって、トップ・ダウンで進める気満々だ」
ということが管理職や部下スタッフに明らかに伝わってきます。

なので、やればやるほど、
組織がトップ・ダウン型組織にになっていく
ということです。

こうしてみれば、
このような進め方では(一般的ではあるものの)、
目標管理制度を導入したのに一向にボトム・アップ型の組織にならないのは、
むしろ必然としか言えないでしょう。

 

■ここからが本題です。

では、どうしたらいいのか?

上記の進め方で正しいのは一点。

管理職から巻き込むことは組織づくりには重要です。

ただし、
「管理職に目標管理制度の話をしない」
ことが重要です。

では、どうするか?

まず、
管理職に今の組織の現状をしっかりと理解させることです。

もちろん、集めて講義を聞かせるといった
研修ではない方が効果的です。

具体的には、
外部環境を見に行かせて、
制度的あるいは社会環境的に、
あるいは将来的に、

または、
競合他社の状態を見たり、
あるいは社会情勢などを見て、

「自分の組織がこれから安泰ではない」
ということを肌で感じてきてもらうことです。

つまり、最も重要なのは、
こうしたことによって、
管理職が強烈な問題意識を持つようになることが
何よりも重要だということです。

もし、
これが充分にできて、
管理職は強烈な問題意識を持つようになれば、
後は、おのずと自律進化組織になります。

実は、
目標管理制度を導入しようとしまいと
自律進化が始まるのです。

なぜなら、実際、
このように強烈な問題意識を持った管理職は
自分から、
「変えたい事ならいくらでもある」
という状態になっているからです。

「あれも変えたい」
「これも変えたい」
「こういう拠点展開をしなければいけないのではないか」
「そのためにはこういう人材を今のうちから集めなければいけない」
「ならば自分の過去の人脈をたどって人と会っておこう」

あるいは
「今いるスタッフたちにどんな教育をしたらいいか」
「教育を施す前に自分と同じ問題意識を持たせるためにはどうしたらいいか」
「外部のどんな情報に触れさせたらいいか」
「そのためにお金や時間を整備する必要があるならば、上席者に相談して決済を取り付けよう」
・・・といった想いや考えを持っているはずです。

 

■そして、
もうお判りのように、

このように強烈な問題意識を持ち、
自分なりにどんどん変えていきたいと思っている管理職であれば、
もし、みなさんが目標管理シートを渡したときには
「目標が書けない」
ということは、
起こりようがないのです。

むしろ、
「どれから書いたらいいですか?」
「書き切れないんですが?」
という声が返ってくるはずです。

その場合、目標管理制度のメリットといえば、
「各自が持っている問題意識を言語化し記録化することができる」
「なので、成果についての検証がしやすくなる」
という点になってくるでしょう。

そして、
このような組織こそが、
まさに
「自律進化組織」
にほかならないのです。

導入の進め方が正しければ、
導入ができた時点で、
すでに自律進化組織を実現している、ということになるのです。

したがって冒頭のクイズ
「ボトム・アップ型組織を実現するにあたり、目標管理制度の導入はどのように活かせば良いか?」
について、

[1]の「目標管理制度の目的を、全スタッフにしっかり説明する」
[2]の「目標管理制度の目的を、まずは管理職にしっかり理解させる」
[3]の「目標を書く訓練を、何度も丹念に行なう」
[4]の「どんな目標が望ましいか、スタッフ間で話し合わせる」
[5]の「他の組織で書かれている目標を学んで参考にする」
・・・は、いずれもトップ・ダウンの思考を浸透させることになるので、
妥当とは言えません。

反対に、
[6]の「目標管理制度の話をしない」
ことが重要です。

もし、管理職やスタッフが、
強烈な問題意識を持っていないのに、
目標管理制度という素晴らしいシステムを教えても、
活用されません。

それどころか、迷惑がられ、
不満を訴えてくる者もあるでしょう。

痛みを感じていない人には、
素晴らしい薬も不要なものなので、
捨てられてしまうのです。

反対に、
鋭い痛みを感じている人は、
誰かに指示命令をされなくても、
自分から、真剣に良薬を探したり、
遠路でもはるばる良医の治療を素直に受けに行きます。

同様に、管理職やスタッフが、
強烈な問題意識を持ったならば、
みずから、
さまざまなことを考え、
真剣に行動します。

そこに、みなさんが
目標管理制度というシステムを紹介してあげれば、
どんなに感謝されるか、知れません。

そして、
大いに目標管理制度を使いこなしてくれるでしょう。

 

■このように、
トップ・ダウンの発想を抜け切れずに
目標管理制度を導入すれば、
そのプロセスが、そのままトップ・ダウン型の組織風土を助長してしまうという
大きな「逆効果」を
もたらすことに、注意されることをお勧めします。

 

■このところ、コロナ禍の影響で、現場の疲弊やスタッフの離職に悩んでいる組織が少なくないように見受けられます。

その解決の鍵はコミュニケーションに尽きると考えられているようです。

では、どのようなコミュニケーションを設ければ良いでしょうか?

  1. 半期に一度みっちり行なう上司面談
  2. いわゆる1 on 1 ミーティング
  3. 目標を立てるための話し合い
  4. テーマを明確にした上での対話
  5. 盛り上がらなくても良い自然体の対話

=====

 

■昨今、コロナ禍の影響もあり、

これまで以上に、

「コミュニケーションが大事」

と言われるようになりました。

 

実際、思うようにコミュニケーションが取れないことで、

組織からスタッフの心が離れたり、

スタッフ間のチームワークが希薄になったり、

さらには、

メンタルを病んでしまう例や

離職に至ってしまうケースが増えていると言います。

 

一方、さまざまな理論やコンサルタントが

「コミュニケーションが大事」

「話し合うことが大事」

「お互いに褒め合うシステムが効果的」

と教えてくれているものの、

 

なかなか

抜本的な解決には至っていないように見受けられます。

 

なぜ、

改善効果につながらないのでしょうか?

 

■それは、

理屈では判っていても、

その通りに行動できない心理構造が、

わたしたちの中にあるからではないでしょうか。

 

たとえば、

「職場ではお互いに尊重し合えば良い人間関係になる」

と、誰もが頭では判っていますが、

現実には、

 

コロナ禍がなかった頃から、

ほぼすべての職場において、

そのあちこちで、

「人間関係が良くない」

という悩みが発生し、

離職が減らない状態が続いていたことからも判るでしょう。

 

■では、どんな心理構造を踏まえれば良いか?

 

まず

(1)人間は、目先のことにとらわれて

自分の本当の価値観を見失っていく

・・・という心理構造があります。

 

「本当は、大学に入り直したい」

「本当は、いまから留学したい」

「本当は、こんな資格をとりたい」

「本当は、娘の希望を叶えるため引っ越したい」

などなど、

「本当は」

という本心があるにもかかわらず、

眼前のことに追われて、

無数の社会的制約によって自分を諦めさせたり、

さらには

本心を忘れ去ってしまっている

・・・ということが、多々あります。

 

このように自分の本心を

穴を掘って埋めてしまう心理構造を、

「自己埋没」

とでも言えるでしょう。

 

次に、

(2)人間は、本心を打ち明けることに不慣れになっているがために、

自分にも他人にも自己開示を拒んでしまう

・・・という心理構造があります。

 

心に蓋をして生きているといっても良いでしょう。

 

それぞれの場に応じて、

本心を隠して

その場から求められる役割を果たそうとしてしまう

「ペルソナ」

とも似ています。

 

自分の本心に蓋をして、鍵をかけてしまう心理構造は、

「自己封鎖」

とでも言えるでしょうか。

 

しかし、

(3)人間には、

他人との対話や自分との対話を通じて、

自分の本当の価値観

つまり

「本当は、こんなことを大事に思っている」

という思いを取り戻したり、

再発見していくことができます。

 

その心理構造は、

あたかも地中深く埋没した宝物を掘り出すことに

通じるので、

「自己発掘」

「セルフ・マイニング」

と言うことができるでしょう。

 

そして、素晴らしいことに、

(4)人間は、

自分自身の本当の価値観を取り戻した時には、

目を輝かせ、

心が躍り、

活き活きとなって、

信じられないような底力を発揮することができます。

 

このように、、

「価値観の解放」

が実現できた時に、

とてつもないエネルギーとともに心が輝く

「スパーク」

のような作用が起きる、ということです。

 

■さて、

スタッフを活性化し、

組織の生産性を上げるために必要なコミュニケーションとは、

実は、

「どんな対話をするか?」

という言動ではなく、

「いかに価値観の解放を実現するか」

という心理構造の問題なのではないでしょうか?

 

言い換えれば、

スタッフ一人ひとりは、みな多かれ少なかれ、

社会的制約によって本心を隠し

「自己埋没」

しており、

 

強固な蓋をしてしまっているために、

ちょっとやそっとの対話では本心を打ち明けられない

「自己封鎖」

に陥っているのです。

 

なので、

その蓋を、

スタッフ同士で互いに

何度も、優しく、それとなく、少しずつ、ノックして、

お互いに徐々に開けてゆけば、

 

「そういえば、本当はこうしたかったかもしれない」

といった本心を

「自己発掘」

してゆくことができます。

 

そして、

その先には、

「実は、自分の本当にやりたいのはこれだった!」

「こんなふうに働きたくてこの職に就いたのだった!」

「こんなふうに働きたくてここに就職した!」

「本当はこんな自分でありたいとずっと思っていた!」

といった本心を取り戻し、

 

目を輝かせて

活き活きと振る舞う

「価値観の解放」

を実現することが可能となります。

 

■では、職場において、

どうすれば、

スタッフ同士で互いに

互いの心の蓋を

何度も、優しく、それとなく、少しずつ、ノックして、

お互いに徐々に開けてゆくことができるでしょうか?

 

もちろん、

月一回や週一回のミーティングではありません。

 

また、

互いの価値観に対して、

良い・悪い

必要・不要

緊急・不急

損・得

などのものさしでジャッジしてはなりません。

 

本心が強く清らかなものばかりではありませんから、

ポジティブなことであっても、

ネガティブなことであっても、

口にできる場でなければなりません。

 

スタッフ同士が

互いに安心してどんなことでも話せる

心理的安全性が確保されていなければならないからです。

 

そんな関係性が

一度や二度で形成されることはありませんから、

おのずと、

日々継続するコミュニケーション・モデルであることが

必要となります。

 

というわけで、冒頭のクイズ

「スタッフを元気にし、組織を活性化するには、

どのようなコミュニケーションを設ければ良いか?」

については、

 

[1]の「半期に一度みっちり行なう上司面談」

[2]の「いわゆる1 on 1 ミーティング」

[3]の「目標を立てるための話し合い」

[4]の「テーマを明確にした上での対話」

いずれも

コミュニケーションの手段についての選択肢です。

 

一方、

[5]の「盛り上がらなくても良い自然体の対話」

が、コミュニケーションの目的つまり

「価値観の解放」

をどうすれば引き出せるか?

のフォーカスしている点で、

正答と考えて良いでしょう。

 

そして、

そのためのコミュニケーション・モデルが、

自律進化組織研究所が提唱している

『HIT-Bit®︎』

です。

 

HIT-Bit®︎は、

1日5分、

一人一言ずつ、発言するだけです。

 

実際、

HIT-Bit®︎を実施した組織では、

「スタッフの表情が明るくなった」

「スタッフ同士の会話が増えた」

という変化がすぐに現れる傾向があります。

 

しばらく続けていると、

価値観が解放されるので、

さまざまな自発的な意見が飛び交うようになります。

 

普段、本人でさえ胸の奥底に抑圧していた本心を、

解放するので、

予期しなかったような意見、

思いがけない問題提起や改善提案が上がってきます。

 

さらには、

みずからそれぞれの想いのままに行動するようになるので、

まさに文字通りの

「自律進化組織」

となってゆきます。

 

では、HIT-Bit®︎とは、どんなコミュニケーションか?

 

1日5分、

一人一言ずつ、発言するだけです。

 

コロナ禍の下でも、

価値観の解放ができている組織では、

驚くほど、

現場が活性化しています。