カオスなラテン文学[サテュリコン]をネタばれしたい | キャシーのヒマな人のための痛いブログ

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身の回りのお気に入りのものとか勝手に紹介して自画自賛とかします

 

 

 

 

 

サテュリコンとは

 

 

1世紀のローマ帝国で書かれた小説で

 

世界で最初のピカレスク小説

 

と言われている

 

 

 

岩波文庫の説明文によると…

 

美貌の少年奴隷をはさんで争いながら

南イタリアを放浪する二人の青年を中心に,

好色無頼の男や女が入り乱れる

小説『サテュリコン』はまさに

古代ローマの爛熟が生み落した「悪の華」だ.

とりわけ,奴隷あがりの成金富豪が催す

《トリマルキオンの饗宴》の場面は古来有名

 

 

 

ほほう

興味深い

 

 

男色と不道徳な登場人物

 

そのような下世話なお話が

約2000年前の文学として存在するって!

 

 

そういうの好物

 

 

 

先日読んだラテン語の世界という本に

有名なラテン文学のひとつとして

紹介されていて

 

 

この下世話なあらすじに

俄然興味が湧いたわたくしは

 

慌てて図書館で借りて読みましたよ!

 

 

 

本まず作者のご紹介

 

 

これを書いたと言われている

ペトロニウスという人は

 

悪で有名なネロたんの宮廷で

 

趣味の権威者と呼ばれていた。

 

 

あらゆる遊びをやりつくした

ネロたんは

 

ペトロニウスが勧めるもの以外は何も

心を惹くものとも 粋なものとも

考えなくなった

 

とか

 

 

細かく引用はしないけど

 

タキトゥスの年代記の記載から

わたしが想像したペトロニウス像は

 

 

輝かしいキャリアを修めながら

あらゆる遊びも知っている

 

 

通で粋なおっさん

 

 

ずるいタイプの人間やな

 

なんかこの人

ふざけてるけど実は博学で

仕事も出来て

なんでも持ってるな…

 

 

って人いるよね

 

 

そういうおっさん

とわたしは解釈した

 

 

この通なおっさんが書いた

ゲスな小説

 

それがサテュリコンである

 

 

さて

自分でも整理するために

ここから少しネタばれするね!

 

 

わざわざ自分では読まないであろう

 

という人も

このネタばれ読んで

 

カオス感じていってほしいよw

 

 

 

本登場人物

 

主人公エンコルピウス 

(覚えづらいので以下Eくん

美少年奴隷を飼ってる学生
美少年奴隷Gちゃんを愛してるけど
作中ちょいちょい他の人とも性的関係を持つ
でも性的不能らしい 
 
 
アスキュルトス(以下友達Aくん
主人公Eくんの友達 学生 巨根
Eくんと美少年Gちゃんを度々取り合う
実はEくんとも以前は性的な関係だった模様
 
 
ギトン (以下奴隷のGちゃん
美少年奴隷16歳くらい
基本は主人公Eくんの所有物である模様
でも美少年だから他の人も寄ってきちゃうの
 
 
エウモルポス(以下エロジジイ)
自称詩人
初対面の主人公Eくんにいきなり
自身が狙った美少年を
如何にして少年の父親にバレずに
体を奪ったか
というなぞの武勇伝を語りだす。
筋金入りのエロジジイである
 
 
 
はじめのパートは主に
EくんAくんGちゃんで旅をしながら
 
奴隷のGちゃんを
主人公Eくんと友達Aくんが取り合うことの
繰り返しである
 
 
その後
友達AくんにGちゃんが奪われ
ケンカ別れしたところに
 
エロジジイが登場する
 
 
 
岩波文庫の説明文にもあったけど
この小説で一番有名なのは
 
トルマキオンの饗宴
 
という場面である
 
 
主人公Eくんと
友達Aくんが招かれた
 
成金のおっさんの
狂った晩餐会
 
 
トルマキオンの饗宴だけに
フォーカスした
解説付きの本も出ているけど
 
ぜーんぜんおもしろくない
 
解説は大変助かるし
興味深い
 
饗宴は確かに
ひっちゃかめっちゃかではあるが
 
 
この小説のカオス感は
トルマキオンの饗宴のシーンだけでは
 
全く伝わらない!
 
 
 
みんな
読むなら先にサテュリコンを
通しで読める本を読んでくれよな
 
 
 
わたし的に
この本の楽しかったところは
 
 
急にブチギレる登場人物
急に勃発する大乱闘
急に始まる酒盛り
そして急に仲直り
急に性行為
 
みたいなとこ
 
 
 
え?なんであなたが急にキレる?
 
え?なんで急に女性に体奪われてる?
 
え?きみら元々やらしい関係なの?
 
え?なんで急に晩さん会?
 
え?この乱闘って元々何が原因?
 
 
って度々なるのよwww
 
 
 
 
もともとの小説は
現存するものの倍以上の長さが
あったと言われ
 
残っている部分も
ところどころ失われているので
 
話が飛び飛びになっているのだけど
 
 
このカオスは
 
飛び飛びになったから
話がひっちゃかめっちゃかになっている
 
のとは違うと思う。。
 
 
もともとひっちゃかめっちゃかなんだ
 
 
 
ということで
わたしの好きな意味不明乱闘シーンを
ひとつご紹介するね
 
下矢印
 
主人公Eくんが
友達Aくんに奴隷Gちゃんを奪われ
 
失意の底に出会ったエロジジイを
 
なぜか自身の宿泊中の宿にお招きする
 
 
(※ジジイと宿で再集合する前に
奴隷のGちゃんを銭湯で再発見し
友達Aくんに見つからないように
連れて帰る)
 
 
そして宿を訪ねてきたエロジジイと
一緒に食事をする
 
 
しかしジジイが
 
奴隷のGちゃんにあからさまに
好き好きアピールをするもんだから
 
 
主人公Eくんはブチ切れ
 
自分が宿に招いたくせに
 
「もう帰って」
 
とジジイにお願いする
 
 
ジジイは言われた通り部屋を出るが
 
急に外から部屋の鍵をかけ
 
主人公Eくんを一人 部屋に閉じ込め
 
ちょうど部屋から出ていた奴隷のGちゃんを
探しに走り去ってしまう。。
 
さすがエロジジイ
 
 
一人で部屋に閉じ込められた主人公Eくんは
 
なぜか
 
もう死のう。。
 
となり
 
部屋のベッドを壁に立てかけ
枠にひもをかけて
 
首を吊ろうとする
 
 
そこへエロジジイとGちゃんが
帰ってきて
 
 
Gちゃん
 
一人で簡単に死ねると思わないでー!
先に死にたいと思ったのは
ぼくのほうだよ!
 
 
みたいなことを言い
恋愛芝居が繰り広げられる
 
 
Gちゃんは
エロジジイの付き人から
(ほぼ空気だった付き人が急にここで登場)
カミソリを奪い取り
 
自分に突き刺す
 
 
主人公Eくんはびっくり仰天して
大声を上げて
Gちゃんのカミソリを奪い取り
 
自身もあとを追う
 
 
 
が、実はカミソリは練習用の
切れないカミソリだったので
 
これっぽっちもダメージを受けていなかった
 
 
エロジジイと付き人は
切れないカミソリだと知っていて
この茶番をぼんやり見ていたw
 
 
でも主人公Eくんは
死んだ気満々で部屋に転がっていたw
 
 
そこへ宿の人がちょうどやってきて
 
 
は?なにしてんの?
つかなんでベッドを壁に立て掛けたよ?
さては宿代を払わず
逃げるつもりだったな!
 
 
と怒りはじめると
 
 
そこでなぜか!
 
エロジジイがブチギレ
 
なんでおまえがキレる…
 
 
宿の男の顔面を思いっきり平手打ち
 
 
ここで試合開始
 
 
宿の男も酒が入っていたので
勢いで土瓶をエロジジイの顔面に投げつけ
 
 
エロジジイがおでこを割られてわめくなか
土瓶を投げつけた男はいきなり逃走w
 
 
さらにぶちぎれたエロジジイは
燭台をつかんで男を追い
 
ボコボコにして恨みを晴らした
 
 
すると
この騒ぎを聞きつけ
 
他の客やら召使など大勢集まってきたのだが
 
 
 
 
ここで主人公Eくんが取った行動とは…
 
 
自室のドアを閉じ
ジジイを締め出し
 
さっき奪われそうになったGちゃんを独り占め
(全然ジジイを助けない)
 
 
逃げ場を失ったエロジジイは
集まってきた人たちに仕返しされ
 
さらに大乱闘
 
 
その間
Eくんは部屋に閉じこもり
 
ジジイがムチで打たれる様を
扉の穴からニヤニヤ眺めていた
 
 
 
?????
 
 
うん
話の筋が全然わからない。。
 
部屋のレイアウトを変えたばっかりに
あらぬ疑いをかけられた主人公のかわりに
 
ジジイは怒ってくれたように見えたが…
 
でも急にブチギレることもなかったとも思うけど
 
 
 
乱闘になったら
助けてくれた風のジジイを見捨て
 
ニヤニヤその様子を観賞する主人公。。
 
 
 
すると
次は最初の恋敵 友達Aくんが
奴隷のGちゃんを取り戻しに登場する
 
え?おまえも来たのか…
ますます収拾つかなくなる予感。。
 
 
友達Aくんは
役人風の人と登場し
 
行方不明の少年を探していて
見つけたものには賞金を与える と振れ回る
 
 
行方不明の少年とは
もちろんGちゃんのことである
 
 
主人公Eくんは
Gちゃんをベッドの下に隠すのだが
 
ここでエロジジイが
 
へっへっへ
チクってやるわ
おまえが隠してるってチクってやるわー!
おまえはそうされて
当然の仕打ちをわしにしたんやー
 
ええわたしもそう思います
 
 
となり
主人公Eくんはジジイに泣き付き
勘弁してもらって
3人で旅に出る
 



 
うん
 
まあこんな具合に
 
 
なぜなぜどうして

 
が止まらない話
 


急な宴会や
急に女の人に体を奪われたり
急な乱闘
急な仲直り
急な恋愛芝居(しぬしぬ詐欺?)
 

みたいなのが繰り返されます
 
 
興味があったら是非読んでほしいです
 
 
純文学などを
下世話な目で読んだりするのが
好きな人にはオススメだよw