3端子電源ICは目的の電圧が作れるのでとっても便利だったが、最近はあまり
使わなくなってしまった。
リニアレギュレーターはノイズが少なく発信に気を付けていればとてもお手軽
なのだがいかんせん、効率が悪いのだ。
入力からの電位差がすべて熱損失になってしまうのが欠点だ。
他の外し品や買い置きストックを合わせると30個近く貯めてしまった。
ご注意:自作充電器は発火発煙の危険があるので自己責任でね。
可変電圧が作れるLM317が手持ちで多くあるので何か作れないかと思案。
買い置きしている鉛蓄電池がラボに多くあるので定電流で安全に充電できる回路にしてみた。
LM317データーシート通りで、抵抗とコンデンサー数個なので簡単です。
R1は電位差1.25Vで計算するので
抵抗値 R=1.25V/1.25A=1Ω
ワット数 W=1.25V×1.25A=1.5W
手持ちの5Wのセメント抵抗で良いようだ。
R1は公式回路でなぜか0.2Ωだが、データの式通りだとMAX1.2Aで計算すると約1Ωになる。
0.2Ωだと6.2A流れてしまうのだが。
どちらが正しいのかわからないが、LM317は1.5Aで作動するリミッターがあるので0.2Ωでも
良いのかもしれない。
いつものKiCadで基板設計する。
最近Ver8.0に上げてからGNDベタ除外エリアを認識できない場合があり
デザインルールチェック機能が正常に動作せずちょっと面倒な事になった。
ネジ穴をGNDから絶縁するのでベタ除外にするのだがなぜか塗りつぶされ
る事があるのだ。
手持ち放熱器が2種あるので採寸しそれに合わせて2種作成しました。
完成3Dイメージはこんな感じ。
いつも通りJLCPCBに注文した。
発注から10日程度で届く。
心配していたヒートシンクも採寸通りでぴったり収まりました。
1種5枚を2ドルで作れるので格安です。
送料も1ドルなので円安でも合計600円未満。
1枚あたり100円ちょっとでこのレベルの基板が作れるのは嬉しい。
組み立ても簡単。
電圧設定の可変抵抗はスムーズな調整ができるよう多回転型にしてあります。
ACアダプターは中古数百円で入手しやすいノートパソコン用19V 3.5Aがちょうど良い。
他のACアダプターでも損失を考えて16V~20Vに収めた方が良いだろう。
調整は、無負荷状態で電圧を13.7Vに多回転ボリュームでセットする。
負荷抵抗を繋ぎ1.5Aまで負荷をかける。
先のR1抵抗問題があるので1Ωと0.2Ωをそれぞれ試す。
1Ω抵抗だと計算通り1.25AがMAXだった。
0.2Ω抵抗だとリミットのかかる1.5Aまで流れているようだが、逆流防止
のダイオードの損失で1.4A程度がMAXになるようだ。
R1は公式回路通り0.2Ωでよかったようだ。
だが1.5A連続で流すとヒートシンクはかなり熱くなる。
10分の負荷テストで60度超えの熱を持つ。
バッテリーに繋ぐと最初はMAX流れるが、バッテリー電圧が上昇してくると徐々に
電流が絞られてすぐに1A以下になるので実使用の場合発熱はそれほど心配はいらないのかも。
そのまま13.7Vに近づくとは微弱充電で終了する。