NEC RC-9801 | がけっぷち人生向上ブログ

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2019年12月にYahooブログから引っ越してきました。
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先日の記事でちょこっと登場したRC-9801のご紹介です。
 
今ではDOS/V互換機って言葉さえ死後になってますけど、
1980年代中旬~1990年代前半までの日本のパソコン市場の一位はNECのPC-9800シリーズでした。
 
といっても大手メーカー各社が色々なパソコンを発売されている中、
各社色々な方向性のパソコン、周辺機器、パソコン環境を模索している時代でした。
 
現在の様に誰でも扱えるOSで統一されている時代でもなく、
通信の世界においても、現在の様な無線ネットワークさえ現実になかった時代。
 
そんな環境の中で東京23区限定の有料無線通信サービス対応パソコン。
 
それが「RC-9801」でした。
 
イメージ 1
本体性能としては、当時発売されていたPC-9801NS/Eより僅かに劣りますが、
386SX(12MHz)、ハードディスク搭載モデルはありませんでしたが、その特徴は一見して判断できる、
本体左側の無線アンテナ。
 
無線データ通信システムに対応させる為に、無線用モデムを搭載し、従来固定されていたモジュラーケーブルとの接続を無線という形で初めて実現した98シリーズのパソコンでした。
 
当時、本体内蔵型の有線モデムはメーカーオプションとして販売されていましたので、
インターネットなどがなかった時代でもパソコン通信端末として活躍しているパソコンが多かったと思います。
 
そんな時代の中、地域限定とは言え無線通信サービス対応パソコンとして発売されたRC-9801
 
当時の資料の中には、「パソコン使用時でもデータ受信が可能な自動受信機能を搭載」とか、
「テレターミナル通信サービスによる双方向データ通信を実現」とか、夢の膨らむような文字が沢山。
 
ちなみにテレターミナルといいますと、
「データ専用の有料無線通信サービス。’91年3月現在、日本シティメディア㈱が東京23区ないでサービスを提供しています。 データの送受信は、無線基地局であるテレターミナル基地局およびパケット交換を行なう共同利用センターを中継して行なわれます。ただし、サービス区域内であっても、電波の伝わりにくい・・・」
 
と説明書きがあるように、現在の携帯電話のように無線機局の整備が一番の課題でした。
 
 
主要ターゲットは、マスコミ関係者、電気・ガスのメンテナンス工事関係者、金融・保険、運輸業と当時の関係資料には書かれています。ただし、各業界において、それに相応しいソフトウェアの開発をしないと、せっかくのテレターミナルも生かして使うことは出来ません。
 
 
最終的にRC-9801は1モデルで終了しましたが、
後年、携帯電話、PHS電話の普及に伴うデータ通信が普及するまでこういった製品が発売されなかったと思うと、その存在意義は大きかったと思います。
 
 
 
 
あっ!ちなみにモデム部は9600bps、無線データ通信サービスは別途有料サービスです!