本当にたまたまテレビの番組表で見つけた。
妻亡きあとに〜近藤正臣 郡上八幡ひとり暮らし〜
という番組。
俳優の近藤正臣が岐阜県の郡上八幡に引っ越して今はひとり暮らししている様を追いかけたドキュメンタリー。
近藤正臣で印象深いのは大河ドラマ「真田丸」での本多正信役。
真田丸のキャストはどれもハマっていたのだが老獪な策略家というイメージの本多正信はビタハマりだった。
そんな彼は奥様と2017年に自然豊かな郡上八幡に移住。
しかしその後奥様が認知症を発症しその介護をしつつ自身も腰を痛めて手術したりとハードモード。
ついに奥様も2023年に亡くなり"ひとりやもめ"となる。
さすがに生きる気力も失いかけるが地域の人たちの支えもあったりで日常を取り戻す。
自宅に訪れて鍋を振る舞ってくれる女性、気にかけて川に連れ出してくれる釣り仲間、稽古をつけている郡上節ガールズバンドなどまわりの人たちとの交流によって活き活きしてくるのが伝わってくる。
※郡上ガールズバンドのインスタより拝借
華やかな芸能界とは対極にあるようなロハスライフ。
そんな中でとても印象深い言葉があった。
「おしっこなんか漏らしたことがないのに漏らすと不思議な気持ちになるよね。わあ、新しい体験って。こんなのはじめてだよ。それが年寄りにはつぎつぎとあらわれる。新しい発見と思ってるから退屈しない」
年をとってちょっとずつできなくなることが増えてきてだんだんと自信がなくなってため息も出そうなものだが、彼はそれを「発見」と言う。
なかなかのパワーワードだ。
ただ衰えることを受け入れるだけではなくて、そこからまた意味を見出すこの発想は衝撃だった。
そして最後にこう言っていた。
「欲という欲がどこかへ行っちゃってた。でもおかげさまで、この頃お腹がすくようになったの。もうちょっと生きてみようかと。軽くね。一生懸命とかじゃなくてね」
この「軽くね」というのがまたいい。
「お腹が空いたから何か食べよう」って当たり前のようで年をとると「生きる」ということに対して意外と重要なファクターかもしれないと感じた。
欲にまみれて溺れている今の自分もいずれ欲は薄れていくのだろうか。
想像がつかない。
何気なく録画してみた番組だけどいろいろ考えさせられた。
老いることに対して何か今までよりもポジティブな感情を持てるようになったことはとても意味深い。
彼が感じている領域に到達するにはもうちょっと先の話かもしれないが、年をとることは必ずしも悲観するものでもなさそうだなと感じた次第。
ただ受け入れていくだけじゃつまらないね。やっぱり。














