音楽には、役割があるらしい | 毒を喰らう占い師・紅弦Worldへようこそ

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私はたぶん、音楽が好きなんだと思う。

だからといって「音楽なら何でも好き」 
というわけではなさそう。

なんだよ、またナゾナゾか?って感じで
自分がどんな音楽を
いつ、どういう状態で聴いているのか?を考えてみた。

かなり無意識に使い分けているようだ。
最近、その分析が少し面白くなってきた。

たとえば、作業中に流す音楽。
これは「大好きな曲」とは少し違う。
あまりこちらに強く入り込んでこないものがいい。
こちらの感情を大きく動かさないものがいい。
作業をしている自分の隣に静かにいるけど、
存在感はあるやつ。

以前、Vega4などを作業用BGMにしていて、
「気持ちを持っていかれることがないので邪魔にならない」
と感じたことがある。

これが私にとっての「日常の音楽」なのだと思う。
長く一緒にいても疲れない。
こちらを振り回さない。
でもちゃんと、そこにある。


一方で、MåneskinやThirty Seconds to Marsは違う。
この人たちっていうか、この人たちの音楽は、
作業中には選ばない。
パワフルで、エンタメ性が強くて、
ものすごく惹きつけられる。
惹きつけられるというより、意識を持っていかれる。
作業しながら聴いていると、
「いや、今はそっちじゃないから!」ってなるぐらいには。
だから、作業中には向いていない。

ところが、ふと考えてみると、
私はこういう音楽を、
嫌いという理由で避けているわけではない。

むしろ好きだ。
大好きだぁぁあ!ダミアーノ!

そして、ものすごく聴きたくなる。
なぜだ?

「なぜなぜ分析」を繰り返してみたら、
どうやらこのタイプの音楽は、
私にとって切替スイッチの役割をしているらしい。

何かを変えたいとき。
気分を変えたいとき。
今までの状態から、一度別の場所へ移動したいとき。
そんなときに、MåneskinやThirty Seconds to Marsのような
「強い音楽」が効く。

つまり私は、刺激をいつも欲しがっているわけではない。
必要なときに、刺激を使っている。
これは、ちょっと面白い発見だな。


そして、ここで困った存在がいる。
The Rasmusである。
このバンドは、どこに分類したらいいのかわからない。

感傷的な声。少し陰のある音。
それなのに耳馴染みはよく、
メロディはとても自然に入ってくる。

意図して「聴こう」と思って聴くこともある。
でも、作業中に流れていても別に困らない。
むしろ、よく聴く。

日常の音楽でもあり、鑑賞する音楽でもある。
スイッチになることだってある。
 「これは日常用」
 「これは鑑賞用」
 「これはスイッチ用」
と分類しようとすると、The Rasmusは
どうしてもはみ出してしまう。
全知全能の神なのか?あん?

そこで、ふと思った。
そもそも、境界なんてないんじゃないか。


日本人が認識する虹には色がある。
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。
でも、赤と橙の間に線があるわけではない。
色は少しずつ変化している。
私の音楽の好みも、きっと同じなのかも。

「日常の音楽」と「スイッチの音楽」の間に、
はっきりした境界線があるわけではない。
その日の気分や、自分の状態によって、
同じ音楽の役割が変わる。

作業中なら背景だった曲も、
終われってから聴けば
「やっぱり好きだ」と思ったりする。
何かを変えたい時に、
同じ曲がスイッチになることもある。

音楽が変わるのではなく、聴いている自分が変わる。

なのでThe Rasmusがどちらにも所属するのは、
The Rasmusが特殊だからというより、
私自身がそんなふうに
音楽を聴いているからなのかもしれない。


人間関係も少し似ている。
ずっと一緒にいて疲れない人。
何も話さなくても同じ空間にいられる人。
たまに会うと猛烈な刺激をくれる人。
何か目的があるときに、ものすごく頼りになる人。

どれが「一番大切」なのかという話ではない。
役割が違う。
長くつきあう人と、目的によって時々タッグを組む人。
どちらも人生には必要だ。
音楽も、それと同じなのかもしれない。

毎日そばにいてほしい音楽もあれば、
「よし、ここから変えるぞ」
というときに召喚したい音楽もある。
そして、その間を自由に行き来する音楽もある。


私は音楽を「好きか嫌いか」だけでは聴いていないのだ。
今の自分に、どう作用するか。
それを無意識に感じ取っている。

だから、作業中に聴ける音楽が「一番好き」なのかというと、
そうでもない。
ものすごく好きだけれど、
Måneskinは作業中には聴けない。

特別に集中して聴かなくても、
ずっと生活の中に置いておける音楽がある。
何かを変えたいときに、
猛烈に力を貸してくれる音楽がある。
どれも私にとって必要な音楽だ。
ただ、出番が違う。

「音楽の好み」というものは、
ずいぶん立体的なものなんだな。

好きな音楽を並べて、
自分の好みを分類しているつもりだったけど
実際には、音楽を通して
自分自身の状態を知っていたのかもしれない。

今日は静かに隣にいてほしいのか。
それとも、背中を蹴飛ばしてほしいのか。
その時の自分によって、必要な音楽は変わる。

これからもたぶん、いろんな音楽を聴く。
虹の色に境界がないように。

私の中にも、きっとはっきりした境界はない。
その曖昧さごと楽しみながら、今日も何かを聴いている。


あー、うまくまとまったな。



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9月27日(日)沼津駅アントレ2階『えにし屋』


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