パブロフのブログ -5ページ目

恋色空模様

通常のリアルタイム形式ではなく、話数形式になってます。
その話数形式の中で大体三つ、前中後編で構成されていて、
前編はヒロインと仲良くなる話がメイン、中編は今回の一番メインの部分である主人公達が通う学園の廃校問題について、最後の後編が各ヒロイン達のルートになっている感じです。
文量的には、大体1~8話が前編、9~20話が中編、21~23話あたりが後編、という風に書けばわかると思いますが、共通の部分がものすっごく長いです。
しかも、中編から後編への切り替え方が結構急なものになっているので、ここ当たりは賛否両論あるんじゃないでしょうか。
主人公は、家事から日曜大工まで何でもこなせる万能タイプ。頭も切れるため策士的なポジションで、物語の中でも知略を張り巡らせるシーンが多々あります。
ただし、考えすぎるところと事なかれ主義な部分もあるので、ヘタレ全開なシーンも結構あります。罵られるのが好きな方は逆にこういうところで喜ぶのかしら?(ぉぃ


伊東美琴
主人公の義妹。
感情表現が下手なのもあるのですが、負けず嫌いというか、嫉妬深いところがあるので、すぐに喧嘩腰な感じに。
体が弱いのだけど、それを気にされるのを嫌うところがあり、物語の中でも何度かその話題が出てきたりします。
美琴のルートはその展開にも驚きますが、お互いに気持ちに気づくのが遅すぎるくらいなのが特徴。
美琴ルートはルートに入ってからも廃校問題で浮き彫りになったある問題に焦点を当てたままで話が進んでいきます。
ここでも、主人公とその周りの友人たちが力を合わせて解決をしていく感じ。
ここでも主人公の策士的なポジションは変わらずで、美琴はそんな頑張る兄を支えていくのが印象に残っています。


篠原聖良
風紀委員に所属している主人公と同い年の女の子。
唯我独尊で傍若無人な性格だが、弱い者いじめは決して許さないし、頭も切れる天才肌。ただ、性格だけが、ね? あと、トンファー使いでもある聖良はかなり強いです。戦闘力的な意味で(ぁ
聖良のルートは割りと普通にイチャイチャしてる感じ、かと思ったら思わぬところからトラブルがやってきます。あとこのルートは人ってここまで嫌味な人間になれるんだ、とある意味感動するほどイラッとくる展開が待ってます。ここは人それぞれだと思いますが、少なくとも私はさすがにこれはやりすぎ、とちょっと思いました。
あとは、色んなキャラの信念とか、信じる道、それのぶつかり合いだったり、不器用な聖良に合わせた感じにお話がまとめてあります。ここは読んでいてちょっと面白かった。


内海静奈
生徒会長であり、主人公の一つ上の先輩。
容姿端麗、頭脳明晰、品行方正の三つが揃っているお嬢様。ただ、少し世間知らずかつ天然なところがあり、主人公を困らせるところも何度かあります。あと、そういう天然なところで悶絶させられたシーンが何度かありました(天然な子大好き
静奈のルートは、お嬢様ならではの問題がお話の焦点になります。主人公も、廃校問題のときには格好良かったのですけど、ここでの一時的なへたれっぷりがまた何とも言えない感じで。。
ただ、結局は色んな人から背中を押され、お姫様をさらう王子様的なお話になって終わり。最後はそれに影響されるように周りの人達も幸せになって終わり。ただ、さすがに一軒家は無理だと思います(気になる人は是非プレイを


加納佳代子
主人公のクラスメイトで、人との関わりを拒絶している女の子。
とあることから、主人公と知り合い、それ以降徐々に人と触れ合うようになっていく。
しかしながら、廃校問題の最中に起きたある事件が切っ掛けとなり、佳代子の口から彼女の過去を知ることになる。
その過去を知っても佳代子と歩くと決めた主人公。徐々に恋人らしくなっていき、恋人にならではの悩みなどに苦悩しながらも、お互いのペースで道を歩んでいく二人。
そんなとき、二人に忍び寄る黒い影が、佳代子をまた孤独の道へと引きずり込んでいく……
と、無駄にあらすじっぽく書いてみました。


服部彩
主人公のクラスメイトで幼なじみ。
ワンコのルートが一番恋人っぽいと思います。
何ていうか、本当に安心して読める。主人公の切れ者っぷりも味わえるし、二人とも成長していくのがよくわかる。
ちょっと他キャラに比べてレビューの量少ないですけど、このルートが個人的に一番好きです。彩かわいいよ彩。


物語が長いのが唯一の難点ですが、その部分のマイナス要素を含めても良作だと思いますので、是非とも一度プレイしてみると良いと思います。

星空のメモリア

オーソドックスな学園物ADVです。
シナリオは全体的にまったりほのぼのでキャラの掛け合いも割とテンポが良いので、読んでいて不快になることが少ないと思います。
共通ルートが比較的長めで、各ヒロインの秘密みたいなものが見え隠れしながら進んでいきます。
これが各キャラルートでどんな風に見えてくるのか、そしてそれに対して主人公がどう動くのか考えて楽しみながらプレイができました。


南星明日歩
主人公のクラスメイトで元気っ娘。
実は主人公が昔に雲雀ヶ崎にいた頃から知っていた。ので、一応幼馴染? 幼馴染+ふーりんという凶悪なコンボです。
付き合うようになってからがなかなかに初々しくて楽しかったです。
だけど、明日歩が抱えている“本当の気持ち”それがとあることが切っ掛けで浮き彫りになり、二人は別れることに!? 
明日歩が父親と喧嘩することにもなったりと色々な問題が起きたりもします。
けど、最終的には全部解決するので良かった良かった。是非とも解決までの展開を色々と先読みしながらお楽しみ下さい。


姫榊こもも
こさめの双子の姉。生徒会役員を努めているツンデレさん。照れ隠しに蹴りが飛んできますが、そこがまたいい(ぁ
お姫様抱っこのところもよかったですが、付き合い始めてからのイチャラブっぷりの方が個人的にはよかったです。
こもものお話で、星天宮についてとこももとこさめ二人の昔話についても色々とわかります。こさめルートでもわかりますが、星天宮との絡みを考えるとこももルートの方が良かった気がします。
ルート入ってからはこももの強さに驚かされますが、弱さを見せたときのこももの可愛さったら、もう、もう……! 最後はこもものその強さから全部解決します。
だけど、個人的にはこももと主人公二人の終わり方でも良かったかなぁと。


姫榊こさめ
こももの双子の妹。主人公のクラスメイトで、結構腹黒。だけど性格がおっとりまったりなのでそこまで腹黒さは感じません。
こさめが照れているときのチョップが可愛かったのと、姉と違って弱さが目立っていたのが印象的だった。姉と逆な感じってことですね。
最後はこさめが自分自身の弱さを知ることで前向きになって、そこでお話が終わる感じ。あんまり最後が思い出せないという事実に今気付いたのでまたあとでやろうと思います。


蒼衣鈴
主人公の一つ下の後輩。無口だけど毒舌。
他人との付き合いに線引きをし続ける衣鈴に、主人公と妹がずっと声をかけ続ける。
他人との線引きには衣鈴の過去に原因があるみたいで、その過去の思い出が中心となるお話なのですが、なんか途中から一気に話が飛んだような感覚になります。
それと、このルートは色々と驚く展開が待ってます。特に衣鈴とくっつくあたりのところでびっくりします。
千波ルートをやる前に衣鈴をやると楽しめるんじゃないでしょうか。


小河坂千波
主人公の一つ下の妹。
基本的にアホっ娘はダメです。
千波ルートは家族の関係がお話の焦点になってます。
主人公達がお世話になっている叔母とのお話もあって、本当の家族とは、というちょっとだけ哲学的な話もあったりなかったり。
あとこのルートをやれば千波が単なるアホの子じゃないってわかる。


「星空のメモリアEternalHeart」が発売されてますので、気に入った方はこちらも合わせて買ってみるといいんじゃないでしょうか。

少交女

ヒロインの四人はそれぞれに魅力があって可愛いですが、
まあ性格的に微妙に絢音と遥は苦手な部類で気に入ったのは凛と柚ですね。
特に柚は最初から一身に期待を集めていただけのポテンシャルは見せてくれました。
全くもって無垢な女の子に性的イタズラを繰り返すことで開眼させていくという展開はまあばれるばれないは別にして結構好みでしたし、
反応は薄いんだけど振る舞いやちょっとした顔色から段階を追って少しずつ心を開いてくれる部分の書き方は中々に上手く機能していたと思います。
凛も確かに最初はツンツンしている割に全く中身が伴ってなくてどうかって感じでしたが、
きっかけはどうあれ少しずつ努力することに目覚めていって、その過程で主人公のことも見直していく流れは唯一といっていいほどシナリオ的構成を感じさせましたし、
基本的にはいい子なのでデレはじめてからの可愛さは格別でしたね。
立ち絵に関してはかなりやっつけですね~。差分も少ないし。
お気に入りは柚の正面向き普通の顔、笑顔、びっくり顔、凛の照れ顔、笑顔、絢音の小悪魔顔くらいかな。
一枚絵はどんなシチュでもそつなくきちんと場面の雰囲気、その時点のヒロインの心情を反映した丁寧な出来で、
量も充分にあるのでまずは満足の水準ですね。
まあ演出は雰囲気作りに特化している印象ですが、その点では上手く出来ているし、
日常シーンのあれこれを期待する作品でもないからいいのかなと。
システムも必要最低限は揃っていますし、まあ問題はないレベルです。
共通部分も20分くらいなのであとは一人当たり2~2,5時間くらいと思っていれば間違いないです。
まあ好きな人には好きなのは絶対に確かでしょうけど、かなりストライクゾーンが狭い作風であるのは間違いないですね。

のーぶる☆わーくす

基本的にお嬢様を扱う作品としては身分違いの恋なんてイメージを助長するために庶民派主人公が配役されることが多く、この作品もその類ではありますが、
本物のお坊ちゃんの身代わりでというところに関係性を進めていく上での葛藤や齟齬が色々と発生して、
単純なテンプレ的な展開だけに惰性で雪崩れ込むのを上手く押さえ込んでいるかなあというのが大まかな印象です。
無論基本は萌えゲーの教科書的イベントが多いんですけど主人公の感じ方と対応の差異が相手方のお嬢様に対してもいい意味で波及しているような部分が多く、
また学園設定が巧みなおかげで本当に常識知らずのお馬鹿な子ってのが全く出てこないのも読み手にとっては楽が出来る部分ですね。
そんな風に設定から丁寧に読み手にとって違和感や不快感が発生しないように注意が感じられる話の進め方をしており、
それでいてボリュームもそれなりにあるのでホントありがちな展開が多い割にはさほど退屈を感じずに日常イベントを楽しめる作品に仕上がっているなあというのが素直な感想ですね。
シナリオに関しては、まずは入れ替わりという設定をそれぞれに上手いタイミングで使えているなあと。
元々知っているヒロインも数人いるのですがそういう場合は周囲との関係性の変化のアクセントに使われたりと、
構成に軽く変化をつけることで近似を避けるように努力しているのは感じられます。
そして、相手は基本お嬢様なので身分違いの恋という部分も当然クローズアップはされますが、
この作品の場合大人がきちんと大人をしていると言うか、
本気であることが伝われば頭ごなしに関係を否定したりという頑ななことをせずに今後の努力次第という前提条件はつけながらも基本的に本人達の気持ちを汲んだ決着に導いてくれるので、
関係性の破綻に繋がる負のイメージのイベントがアクセント以上にはならず、
結果としてイチャラブイベントの尺をきっちり確保できている、というのが最大の特色かと。
どうしたって、身代わりに関する様々な問題をクリアしないとヒロインと恋愛関係には踏み出せないため、
気持ちを自覚するまでの距離感の縮め方、自覚してからのもどかしい状況、
それを乗り越えて晴れて恋人になれてでもまだ身代わりは続けているから忍ぶ恋のように秘められた状況と、
そんな中で人目を盗んでイチャイチャして仲を深めていく様子などそれら一つ一つがかなり丁寧に描写されており、
すごくヒロインに愛着が持てる作品になっているのではないかと思います。

Hello,good-bye

それぞれのヒロインにまつわる謎、主人公の出生にまつわる謎、そして根底に蠢く政争が向かう先の果てなど、
伏線めいた出来事が散りばめられた中々に見事な導入ですが、しかし正直物語の盛り上がりとしてはこのへんが最高潮だった機もしなくもないってのが正直なところです。
すぐりシナリオでは主人公の幼少の出来事の一端について、棗シナリオでは守乃を舞台に引き起こされようとしているクーデターの事象について、
メイシナリオではその更に裏にある世界の思惑とそれを推進する人物についてがメインのテーマとなり、
その中でヒロインとの刹那の関係性が燃え上がるというイメージになっています。
ただ全体的に説明不足、盛り上がり不足、説得力不足で、すごく簡素に終わってしまう印象は強いんですよね。
なまじヒロインのキャラ造形が良く、しかしそれを単純な萌えゲーでない世界に投入することで飢餓感的なヒロインに対する欲求を高めることにはまずまず成功しているだけに、
シナリオとのメリハリがもっとしっかりしていればより素晴らしかったのにとは思うんですよ。
そして三人クリアするとコハルシナリオに入れるようになりこのシナリオで一応綺麗に全ての謎が解けるわけですが、
土台となっているのが現実性の薄いSF的なものを主体としているためポンとご都合的に取り出された感じがしてどうにも唐突感が強く、
コハルというヒロインが持つ悲劇性そしてタイトルから連想させるこの出会いの尊さが伝わりにくいんですよね。
現実性の薄いものを如何にありそうにみせるか、そして一見関連性の薄い出来事を如何に必然の流れだと思わせるか、
この作品はそういう物語を繋ぐ説明的な部分がかなり手を抜かれている印象で、
その分まとまりはいいのに迫力を欠くという切ないことになってしまっている気がしますね。