てことで、最近またイラストかきかきを再開しました。

仕事が繁忙期になると、
休日にどこにも外へ行きたくなくなり→家にいる→ゲームorイラストを描く。


繁忙期じゃないときは基本、外でコスプレパラパラしてます。今割と人気ですよ←


そんなことより、ではではイラストー
相変わらずモンスター娘ばかり書いてます。イエイ







後一枚R-18があるのですが自主規制キリッ

←のpixiv欄からご覧くださいー。
辺りは暗く、古臭い書物の匂いがする。

開いた真っ白いページには、今まで僕が見てきた光景が、文字として記されているのだった。


「…」

そのページを濡らす、雫が頬を伝う。

そのまま、自分の無力さを嘆くように、膝から崩れ落ちそうになる。

「ずっとそばにいられなくて、ごめん、ベル…」



こんこんと、玄関を叩く音がして、アルマエルマが入ってきた。

僕からしてみればとても懐かしいアルマエルマの存在。

五年ぶり、でも、この世界は先へ進んでいる様子はない。

「ごめんなさい、ルカちゃんを置いてけぼりにしちゃって…?どうしたの、ルカちゃん?」

頬を伝う涙の跡を見たアルマエルマが、ぎょっと驚いていた。

「ううん、何でもない…」

心配そうに僕を見つめながらも、机に開いていたページを見つけるアルマエルマ。

「あら、これは…?メモ帳か、何かしら」

それにしても、古いわね、と文字列で埋められたページを見て言う。

「メモ帳…?」

このページを見て、メモ帳というなんてどういうこと、だ?




「アルマエルマ、この本って、何か書いてある?」

「ないわよ?」

見えて、ない、のか…?

もしかして、この物語が見えるのは、僕だけなのか。

この物語を知っているのは、この世界で、僕だけなのかもしれない。

もう、ベルや、エレノア達はこの世界にいるかどうかもわからないし…。

「ちょっと疲れて眠くて」





「…そう、じゃあ、魔王城に戻りましょうか」




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ぼんやりとした映像が、浮かび上がってくる。


お願いします、薬を、薬を、くださいっ!!!!!!!!!!!

少年の、悲痛な叫びが聞こえてきて、目を開ける。

見慣れたのんびりとした風景とは似合わない、ボロボロの服に身を包んだ少年が、扉を激しく叩いていた。

中から聞こえてきたのは、少年を拒絶する言葉。

「これは…」

その少年は紛れもなく、僕だ。

ルカだ。

「お母さんが、お母さんが病気で、もう…」


それでも返事はなかった。


助けなくてはっ!!

僕が、僕ならできる、僕なら母さんを、助けられる。

咄嗟に引き止めようとして、触れたはずの僕の指はしかし、ルカの体を通り抜けた。


「あっ…」

気づいた時には、僕の目の前に息絶えた女性の姿があった。

そのすぐそばで、泣き崩れ落ちたぼく。








―――――「…また、僕は何もできずに…」

二度も、二度も母さんを殺してしまった。

その現実を目に前にして、涙が溢れてきた。


ベルや、エレノア達もこんな風にして、死んでしまったのなら…。


僕は本当に、無力だ。


――カ、ルカっ!


僕を呼ぶ、ベルの声が聞こえた気がする。

あぁ、僕もついに、幻聴が聞こえるまでになってしまったのか。

もう、僕が存在している世界にベルは、いないというのに…。

手を伸ばして、彼女の頬へ触れた気がした。

「べ、ル…生き、て…いて…。」


声になったのか、音として空気を揺らしたのかさえわからない。




うっすら、濡れた瞼を開くと、グランベリアが僕をのぞき込んでいた。

「グラン、ベリア…?」

いつの間にか、僕は寝てしまっていたらしい…。

そういえば、グランベリアと会うのも、五年ぶりに、なるのか。

久しぶり、その一言を口にしてしまいそうになって、引っ込む。



「今、何と言ったの、だ…ルカっ!」

グランベリアは必死な形相で僕へ掴みかかってきた。

「ええ、えっと、グラン、ベリア?」

寝ぼけまなこな僕は、判断能力が著しく低下している…。

「違う!その一つ前だ!!」


「一つ前…」
というと、僕が起きる以前の言葉。

ベル?ベル…?


「ベル、って言ったとお、思うけど」

「なぜだ…なぜルカが、その名を…」

驚きで言葉が続けられていないグランベリア。

その様子に、僕もある可能性を見出す。

「もしかして、もしかして!グランベリアはベルを知っている!?」

グランベリアだって龍人だ、何か、ベルについて知っていて当然だと思うが…。

「ルカが言う、ベルというの者の、種族は何だ…?」

「グランベリアと同じ、龍人族」

驚きと、そして確信を得たのか、ゆっくりと息を漏らした。

「…ベルは、私の」



「私の母の名前だ」


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NEXONでこれから開始されるオンラインゲームで「Tree of savior」というタイトルがあるのですが。

これがかなり、面白そうです。

世界観とかは、タイトル通り、 樹を主体にしたのんびりとした世界で。


ゲームの雰囲気なんかはラグナロクオンラインににています。

開発元が一緒なので当然ですがっ!!


精神的後継作品となる予定なので、ぜひみなさんチェックしてみて!

今クローズテスター募集やってるので、応募してみてねっ!!!

私もやりたくてウズウズしてます
いや…今、ベルのお姉さんに事情を聞いたんだ。やっち、まったよ」

顔をあげてこちらを見ないエレノアに対して疑問を覚える。

「…この状況は、俺が作り出しちまった」

「…説明、して」

ベルは怪訝な表情でエレノアを見つめ、僕も突き飛ばすような言い方になってしまう。

「ベルのお姉さんは、石化していたんじゃなくて、自分から石化したんだ」

「な、なぜ?」

「自分の体内に感染している病原菌を活動させないためだったんだ」

「そんな!?ていうことは、集落の龍族が死んだのは、病原菌のせい…!?」

すると、ベルのお姉さんはゆっくりと起き上がって、こちらを悲しそうに見つめた。

「…こんなことになってしまって、私ばかりが生き残るなんておかしいわ」

「今は何とか持っているにすぎないけど、いずれ…」

薬剤師の俺がいるのに、病気一つ治せないないなんて、今まで俺は何をやってきたんだ…。

そう愚痴を零すエレノアに、先ほど冷たい態度をとってしまった自分が悔しい。

「エレノア!まだあきらめちゃだめだよっ!エレノアは薬剤師じゃないか。
きっと、治療薬が見つかるはずさ」

「体調を改善して、抑制することならできるはずだが…」

今は抑制している状態だから、ベルのお姉さんは生きていられるのか。


「だったら抑制し続ければいいじゃないか。完全に治すことはできなくても、
命を繋げることができるはずだ」

僕の言葉に唖然とする二人、しかしエレノアだけは驚いたように目を見開いて、そして力強く頷いた。

「そうだ、そうだ…っ!その手が…!それなら、俺にだってっ!!」

エレノアは立ち上がって、僕と視線を合わせた。

「ルカ、俺はやる。やってみせる、お姉さんの命を繋げて見せる」

僕は笑顔で頷いて見せる。

ぜひ、エレノアにやってほしい。


「待って、あたしの意思は…?」

みんなの意識が前を向いた中で、冷たく凛とした声が辺りを支配した。

「あたしは、生きていたくない、龍殺し病原菌を持ったまま、なんて…」

「姉貴…」

当人の意志を一番尊重しなくてはいけないんだ…。

「私は、私はっ!!…姉貴に生きていてほしい。たった一人の家族だし。
死ぬか生きるかの選択肢で、死ぬなんていう愚かな選択は許さない!」

眉間にしわを寄せてベルはそう言い放つ。

「ベル…あなた成長したわね…」

その言い草に怒るわけもなく、ベルのお姉さんは驚いていた。

「突然行方不明になって、突然帰ってきたりする姉貴とは違うから」

鋭い視線で姉を射抜くベル。

「…そう、少しだけ生きてみようかしら…」

弱々しく零した言葉を、それでも僕達が安堵するには十分だった。

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―夜。

死んでしまった龍人達のお墓を作っていると、いつのまにか暗闇に包まれていた。



「今日はこれぐらいにしよう、俺はベルのお姉さんにつきっきりで看病しなきゃいけないから、先行くぞ」

エレノアも多少は手伝ってくれたのだが、やはり、いつ容態が悪化するかわからないためソワソワしていた。

集落の真ん中で休憩していた僕とベルだけが取り残された。

「ルカ、ルカがいた世界はイリアスがいないんだよな」

突然、そんなことを切り出すベル。

しかしこの雰囲気、いつかどこか過ごした時間。

「うん」

「それでグランベリアやアルマエルマ、エルベティエやたまも、そして魔王であるアリスも仲間だったんだな」
五年も過ごしてきたのだ、そんな未来話をしたこともあったな。



「…急にどうしたの?」

「ううん、そんな未来の世界もあるんだなって思ってさ。だったらこれから先、希望が持てるだろ」


希望が、持てる…?

「もしかして、イリアスが最終的にはいなくなる世界ができるっていうこと?」

でも、それは僕が過去へ行っていない時の話だから、本当にわからないぞ。

「それもあるし、グランベリアっていう子は、龍人なんだろう?」

「うん、そうだね。とっても強い龍人の戦士だ」

「――じゃあ私も強くなる」

ベルはくすりと笑いを零したけれど、僕にはなんだかよく、わからなかった。

「私、ルカが好きだ」

「へぇーそうなん、…だ…?」

軽く流そうとして、今言い放った言葉の意味だんだんと わかってきた。

「ずっとずっと好きだ。今でも好き。五年間好きでたまらなかった」


「…ベル」

「返事なんてしようとしない!、ルカにはまだ、向こうの世界で残してきた事があるだろう」

「あいったっ」

そう言われて、デコピンを喰らうと僕は多少よろけてしまった。




思えば、ベルと過ごした日々は、向こうにおいてきた仲間達よりも、長い。


「五年間、ずっと一緒にいた仲間なんて、いたか?」


僕は横に首を振ると、嬉しそうにほほ笑んだ。

「じゃあ、私はルカの一番になれた。それだけで十分だ」

「一番?何の一番…?」











「今この時、一番、ルカと一緒に過ごした、仲間」





「…そうだね」

「ルカは未来から来たんだから、いつか
向こうに帰るんだよな」


その問いを、僕は少しだけ目をそらして、沈黙を保つことでしか返せなかった。


ベルの隣にずっといるという約束をしてから。

ずっと僕の心を縛り付けている鎖のようなもの。


――それは嘘。

「わかっている。だから、今じゃなくてはだめだって思った、アルも旅立って。
ルカが未来へ帰ってしまうんじゃないかと不安だった。でもこれだけは言えたから…」

「ベル…ごめん、そんなに気負わせてしまって」

ベルは「ううん」と首を横に振った

「ふふ、だったら、責任取ってもらわなくてはいけないな」

「えっ」

突然、ベルの暖かい掌が、僕の頬を包み込みこむ。

「んんっ!?」

無理矢理ベルの方へ向けられて、僕達の顔が触れ合う寸前。
「なっ…」

僕の身体が段々と薄くなっていく。

その光景を目にして、ベルは静かに口を開いた。

「…私とルカは、結ばれる運命では、ないのか」

じっと、鼻と鼻が触れ合うぐらいの距離で、悲しそうに僕を見つめるベル。

「ルカ…」

名残惜しそうに見つめるベルには、なんとなく状況がわかっているようだった。

いや、いつかこうなる日が来ることをわかっていたからこそ、こんなにも冷静なのだろうか。

「ちょ、ちょっとベルなんでそんな冷静なの!?どう、いう状況…」

両手を見ると、向こう側が見えるほど透けてしまっていた。

えぇ、僕消えるの!?どうなるの!?

「原理はわからないが、未来へ帰れるんじゃないのか、その方がどうしてか、私にはしっくりくる」

段々と体が消えていく中で、まるで記憶に刻み込むかのように、優しく見つめるベル。

「こんな、中途半端なところで!ベルや、エレノア、ベルのお姉さんを置いていけっていうのか…そんなの…ないだろう…」


透けている両手を握りしめているつもりなのに、そんな感触すらだんだんと消えていく。

「ルカ、この世界は元々私達でどうにかしなくてはいけなかったんだ」

頬に当てていた両手を、僕の肩にのせてじっと見つめるベルに対して、僕は首を横に振った。

目元で熱くなって、視界がぼやけていくのがよくわかる。

「…僕は何もできなかった。いつも唐突で、突然で、出来事がいきなりやってきて、でも…っ!!
何とか今まで解決したつもりだったのに…。

今回は傍観者でしかなかった。みんなが動いて、変化していく出来事を見ているだけだった。
何一つ、変えられなくて…」

「違う、ルカがいなければ私達は生きてないはずだっ!ルカは十分…」


「グレスさんは死んでしまって
グレスさんの奥さんも死んでしまって…。
アルは旅に出たまま、この先どうなるかわからないし…。
アルの妹だって、どうなっているのかもわからない。

エレノアとベルお姉さんもこの先、どうなるかもわからない!!
ベルだって、あの病気に掛かってしまうかもしれないっ!

何もわからない、何も救えないまま。それでも頑張ってもがいていたのに。


やり残したことがないなんて、嘘だ。
嫌だ、未来へまだ、帰りたくない…こんな…こんな…」

強く握りしめた拳は震えているはずだろう、見えなくて、この世界に存在していたことさえ消えていくようだ。

僕が向こうへ帰ったら、ベル達から僕という存在が消えてしまったら。

そんなの、悲しすぎる、なぁ…。

「ルカ…私はあきらめない。あきらめないから」

鋭くて、それでも温かみがある視線を受けても。僕の口から出るのは、懺悔のようなモノばかりだ。


「こんな、中途半端なところで終わるなんて、嫌だ、いや、だ…」







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辺りは暗く、古臭い書物の匂いがする。

開いた真っ白いページには、今まで僕が見てきた光景が、文字として記されているのだった。


「…」

そのページを濡らす、雫が頬を伝う。

そのまま、自分の無力さを嘆くように、膝から崩れ落ちそうになる。

「ずっとそばにいられなくて、ごめん、ベル…」