ポール・マッカートニー 語録 1162 「Yesterday」の歌詞は母親との会話が・・・ | ポール・マッカートニー 語録

ポール・マッカートニー 語録

Paul McCartney In His Own Words

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 ポール・マッカートニーは自身のポッドキャスト

『A Life in Lyrics』で、ビートルズ「Yesterday」について

「これまで『亡くなったお母さんのことを歌った曲ですね』と言われたこともあったのだけど、僕はいつも『いや、違いますよ』と答えていたんです」

と、共同ホストで詩人のポール・マルドゥーンに伝えた。

 

「でも『Why she had to go, I don’t know, she wouldn’t say(なぜ彼女は行かなければならなかったのか、

私にはわからない。彼女は言ってくれなかった)』

という歌詞について何度も考えてみたんです。

母親ががんで亡くなった時、誰も何も言わなかった」

 

24歳の時に夢の中でイエスタデイのメロディーが浮かんで曲を

作りあげた。ビートルズの代表曲の1つでもある同曲は長年、

ロマンチックな別れを歌っているとされてきた。

 

しかし「青春時代や子ども時代を振り返って、

初めてその意味がわかるようなことがたくさんある」と述べ、

あるエピソードを振り返った。

 

“I said something wrong, now I long for yesterday

(間違ったことを言ってしまった、今は昨日が恋しい)”について、母親との会話を思い出して書いたものだと話しています。

 

「振り返ってみて、初めてそのありがたさが分かることってあるよね。はっきりと覚えているんだけど、母を困らせてしまって、すごくきまりの悪い思いをしたことがあったんだ」

 

「僕らは地元とは違っていて、母は上流階級っぽく喋っていた。母はアイルランド系で、看護師だった。だから、ストリートよりは上だったんだ。それで、批判されることもあったけど、自分

たちの考えていることのほうが上品だと母親はよく言っていた。ちょっとウェールズ系のところもあって、彼女は血縁があって、彼女の叔母であるディリスはウェールズ人だった」

 

「母が『ポール、彼が出かけるかどうか訊いてきて(アスク)

くれない?』というような(上流階級っぽい)口調なのは知っていた。それで僕は『アースク! アースク! って。アスクだよ、マム』と言った。母は少し狼狽していた。後になって

『あんなことを言わなきゃよかった』と思ったのを覚えている。それが心に残っていたんだ。そして、母が亡くなって、

『あんなこと……』と思ったんだ」

 

「母が亡くなったとき、“I said something wrong

(間違ったことを言ってしまった)”と思ったよ。

あのクレイジーで小さなことを思い出したんだ」

 

ポールの母メアリーは1956年10月に乳がん手術後の塞栓症に

より47歳で亡くなった。彼がわずか14歳の時のことだった。

ポールは、相手はきっと許してくれるだろうとわかっているそのような小さな瞬間を“2、3個”抱えており、その“Yesterday”的な瞬間をこすって消せる消しゴムがあればいいのにと思っていると語った。
 

「Yesterday」は、「大切な人との別れ」を嘆く様子が

描かれています。大切な人は恋人と思われていましたが、

ポールは以前にも、この曲は14歳の時に死別した母親への

想いを綴ったものだと述べていました。

今回のポッドキャストではこう話しています。

 

「だから、わからないんだ。こんなことあるかね? 

無意識のうちに(失恋の)女の子の歌詞の中に、

本当は亡くなった母親のことを入れてしまうなんてね? 

それは本当かもしれないと思う。

歌詞を見れば、なんとなくしっくりくるからね」

 

2024/02/26 amass NME JAPAN /27 billboard JAPAN

2024/02/27 ハフポスト日本版