ポール・マッカートニー 語録 1160 行方不明のベースギター発見までの軌跡 | ポール・マッカートニー 語録

ポール・マッカートニー 語録

Paul McCartney In His Own Words

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 半世紀前に行方不明になったポール・マッカートニーの

ベースが見つかり、彼のもとに帰ってきた。

この楽器の製造元であるヘフナー社(Höfner)は、

1,000万ポンド(約18.9億円)の価値があると推定されている

この特徴的なバイオリン型の1961年製エレクトリック・ベースを、夫婦のジャーナリスト・チームの協力を得て

5年にわたって捜索していた。

 

 ヘフナーの重役ニック・ワスと組んでこの楽器を探し出した、ジャーナリストのスコット・ジョーンズが現地時間2024年2月16日に語ったところによると、ビートルマニアが始まるきっかけとなったこの楽器の行方を探す手助けをしてもらいたいと、

ポールが同社に依頼していたという。

 

 ワスは、「ポールから、“ねえ、君はヘフナーの人だから、

僕のベースを探すのを手伝ってくれないかな?”

と言われたんです。それがこの大捜索のきっかけとなりました。ポールがその失われたベースをとても大切に思っていることを

その場で目の当たりにし、僕はその謎を解き明かそうと

決心しました」と語っている。

 

 ポールは、1961年にビートルズがドイツのハンブルグに滞在していた時期に、このベースを約30ポンド(約5,600円)で

購入した。この楽器はビートルズの最初の2枚のレコードで

演奏され、「Love Me Do」、「Twist and Shout」、

「She Loves You」といったヒット曲で使われている。

 

 ポールは、

「僕は左利きだから、左右対称でダサく見えなかったんだ。

そこに興味を持った。そして買ってみたらすぐにその魅力に

とりつかれてしまった」と話していたことがある。

 

 このベースはビートルズが最後のアルバム『レット・イット・ビー』をレコーディングしていた1969年頃に盗まれたと

噂されていたが、実際にいつ行方不明になったのかは

わかっていなかった。

 

 ワスによるベースの探索にジャーナリストのジョーンズが

偶然にも加わったのは、ポールが【グラストンベリー・

フェスティバル】のヘッドライナーを務めた2022年だった。

ステージの照明が、ある瞬間にポールのベースの日光模様だけを照らしているように見えたため、そのライブを見ていたジョーンズはその楽器が60年代初頭にポールが弾いていたものなのかと、ふと考えた。後にインターネットで検索したところ、

オリジナルのベースが行方不明で捜索活動が行われて

いることを知り、彼は唖然とした。

 

 彼は、「がくぜんとしました。驚きました。

僕たちはビートルズがほぼ何をやったとしても多くの注目を

集めるような世界に生きていると思うんです」と語っている。

二人ともジャーナリストであり研究者でもあるジョーンズと

妻のナオミは、この件をもっと広く伝えるために

ワスと連絡を取った。

 

 ザ・フーのローディに関する手がかりを追って行き詰まった後、彼らは2023年9月に<ザ・ロスト・ベース・プロジェクト>を再開し、48時間以内に600通ものメールが殺到した。

この中に、「僕たちを今日に導いてくれた小さな宝石の数々」が含まれていたと彼は語っている。

 

 そのうちの1通は、ポールのバンド、ウイングスの仕事を

していたサウンド・エンジニアのイアン・ホーンからのもので、この捜索における最初の大きな突破口となった。

そのベースが1972年のある夜、英ロンドンのノッティングヒル地区で彼のバンの荷台から盗まれてしまったことを

ホーンは伝えてきたのだ。

 

 調査員たちは10月にこの新情報をウェブサイトで発表すると

同時にホーンがポールから盗難のことは気にするなと言われ、

さらに6年間彼の下で働き続けたことも付け加えた。ホーンは、「でも僕はその罪悪感を生涯背負ってきた」と述べている。

 

 その新情報を公開したあと、父親がベースを盗んだという

人物から連絡があり、さらに大きな進展があった。

ジョーンズによると、その男はポールの楽器を盗もうとしたわけではなく、自分が持っているものに気づいてパニックになったという。名前は明かされていないが、その泥棒は結局、

アドミラル・ブレイク・パブの大家ロン・ゲストに

数ポンドとビール数本で売り渡した。

 

 ジョーンズ夫妻がゲストの親族を探し始めていた頃、

その知らせはすでにゲストの家族にも届いていた。

彼の義理の娘がポールのスタジオに連絡してきたのだ。

キャシー・ゲストは、何年も屋根裏部屋にあった古いベースが

探しているものに似ていると言った。

 

 この楽器はロン・ゲストから長男に受け継がれたが

長男は交通事故で亡くなり、次にその弟のヘイデン・ゲストに

受け継がれた。キャシーと結婚していたヘイデンは2020年に

亡くなった。楽器は昨年12月にポールに返却され、

その後、鑑定に約2か月かかった。

 

 <ザ・ロスト・ベース・プロジェクト>がこのニュースを

発表する予定だったが、キャシー・ゲストの息子で21歳の

映画学生、ローリー・ゲストがそれより先の2月13日に

X(旧Twitter)にベースの写真を投稿し、

「僕が受け継いだこのアイテムがポール・マッカートニーに

返却された。このニュースをシェアしよう」と綴った。 

彼は16日にもメッセージを投稿し、家族には取材依頼が

殺到しており、いずれ話をするつもりだと述べた。

 

 この楽器の推定価値は、

故カート・コバーンが『MTV アンプラグド』で演奏した

ギブソンのアコースティック・ギターが600万ドル(約9億円)で落札された事実に基づいている、とジョーンズは言う。

しかし、過去半世紀の間それはほとんど価値を持たなかった。

 

 彼は、「泥棒は売ることができなかったのです。明らかに、

ゲスト一家も売ろうとはしなかった。緊急事態ですよね、

売りに出した途端に誰かが“それ、ポール・マッカートニーの

ギターだ”と言い出すでしょうから」。

 

 ベースはようやく再びポールが所有することになった。彼の公式サイトには、「ポールは関係者全員に非常に感謝しています」と、感謝のメッセージが掲載されている。

 

2024.2.19 billboard JAPAN

 

ポール・マッカートニー 語録 1160 ◎ 登場人物 etc.
「ヘフナーの重役ニック・ワス」
「ジャーナリスト・チーム 

 スコット・ジョーンズと妻のナオミ」
2023年9月に<ザ・ロスト・ベース・プロジェクト>を再開
「ウイングスのサウンド・エンジニアのイアン・ホーン」
1972年のある夜、英ロンドンのノッティングヒル地区で
彼のバンの荷台から盗まれてしまった。
「父親がベースを盗んだという人物、名前は明かされていない」
その泥棒はアドミラル・ブレイク・パブの大家ロン・ゲストに
数ポンドとビール数本で売り渡した。
「アドミラル・ブレイク・パブの大家ロン・ゲスト」
ロン・ゲストの義理の娘キャシー・ゲストが
ポールのスタジオに連絡してきた。
何年も屋根裏部屋にあった古いベースが
探しているものに似ていると言った。
楽器は昨年12月にポールに返却され、
その後、鑑定に約2か月かかった。
「ロン・ゲストの義理の娘キャシー・ゲスト」
「キャシー・ゲストの息子で21歳のローリー・ゲスト」
僕が受け継いだこのアイテムがポール・マッカートニーに
返却された。このニュースをシェアしようと綴った。

 

以前の関連記事はこちらです。
2023年09月04日(月) ポール・マッカートニー 語録 1126 
行方不明のベースギター 新情報追記掲載中
https://ameblo.jp/paulmihow/entry-12818998963.html

2024年02月16日(金) ポール・マッカートニー 語録 1159 
行方不明のベースギター発見ポールに返却
https://ameblo.jp/paulmihow/entry-12840819249.html