ポール・マッカートニー 語録 1129 Eleanor Rigbyを語る | ポール・マッカートニー 語録

ポール・マッカートニー 語録

Paul McCartney In His Own Words

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 全12回のポッドキャスト『ア・ライフ・イン・リリックス』は
2021年に刊行された『ザ・リリックス:1956トゥ・ザ・

プレゼント』で前文を寄せたポール・マルドゥーンが

司会を務めるもので、ポール・マッカートニーの対話を聞く、

またとない機会を提供するものとなっている。

第1回でポールはビートルズの“Eleanor Rigby”を

作った時のことを振り返っている。

ポールはタイトルの由来について説明し、亡きバンドメイトで

あるジョン・レノンと見た墓が発端となったと語っている。

「ジョンと延々と歩き回りながら未来について話した墓地があるんだ。そして、エリナー・リグビーという名前の墓があった。
墓石を見たかどうかは思い出せないんだけど、

心理学的には見たということになっているね」

ポールは有名な一節

「Wearing a Face That She Keeps in a Jar by the Door
(ドアの傍に小瓶に入ったものを顔に塗って)」は

母親がニベアのクリームを気に入って、
よくつけていたことに由来すると語っている。

「母親のお気に入りがニベアで、僕も今も好きなんだ。
女性がクリームをたくさん使うのがちょっと怖かった。
歳を重ねて結婚するとなっても、クリームをたくさん塗って、
シャワーキャップを着けて、カーラーを巻いたり、
いろんなことをやる人と結婚するのが怖かった。

それが頭をよぎったんだ。それで

『Wearing a Face That She Keeps in a Jar by the Door』

なんだよ」

ポールはこの曲を映画として構想していたことを明かしている。

「僕としては想像として映画みたいなものを考えていたんだ。
2人の主人公は孤独で、1人は女性で、もう1人は男性。

可哀想とは思わないけど、彼は孤独で、

だから『all the lonely people』という一節がコーラスなんだ。
彼女は亡くなって、彼が埋葬したんだけど、手の土を払って、

墓から立ち去っていく。だから、『no one was saved』、

そうして曲は締めくくられるんだ」

ポールはこの回で作曲への熱意についても

自身の見解を語っている。

「驚くことに曲を書く人物になりたかったんだ。

音楽を生業とする人になりたかった」

彼はクラシック音楽の教養が苦手だとして、彼の世代の

多くのミュージシャンが楽譜を読めないことにも触れている。
子どもにピアノを教える時はいくつかのコードを

見せるところから始めるとしている。

「C、Dマイナー、Eマイナー、F、G、Aマイナーってね。
ビートルズの多くの曲はそうやってできている。
それはなにより分かっていたほうがいいからね」

2023.10.5 NME JAPAN