現時点での政治を語るつもりはありません。
しかし、私はPerfumeが内包する”反骨精神”には言及したいと思っています。
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(ポピュラー音楽研究者 増田 聡 大阪市立大学 准教授)
①音楽は本質的に政治的であるが、本質的に反体制的なのではない
②音楽は根源的な水準で、そのまま様々にミクロな政治性に満ちている
③ポップスの歴史に関しては、反体制的なエピソードが特権的にとらえられる傾向にある
④しかし、体制順応的な側面が(ポップス音楽に)ないと商業音楽として普及することは無い
⑤ロック音楽は”体制に逆らう態度によって体制を補完する”という矛盾をはらんでいるから面白い
⑥コミットしているジャンルが安泰であれば”政治を遠ざけておきたい”という受容態度が支配的になる
⑦音楽が生み出す新たな身体性と想像力とが、やがて社会の古い秩序を組み替えることへと至る
*「音楽と政治論争の不毛感 」 with news より抜粋
引用元の記事の主旨から若干逸れるように一部分を意図的に抜き出して箇条書きにしてあります。
記事全体が訴えていることについてはリンク先を熟読してください。
冒頭に記したように、基本的に私は政治とPerfumeを絡めるつもりが無い人間です。
しかしながら、”政治”の概念の解釈の仕方によっては、
この、増田 聡氏の意見に頷ける部分も沢山あります。
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ここで、Perfume論です。
Perfumeの楽曲を作っている中田ヤスタカさんへのインタビューには
氏が語るポップス哲学や創作理念が多く含まれています。
(中田ヤスタカ語録)
①すごい綺麗なコード和音とか、濁らない音も好き
②逆に、音楽理論を全く知らない人が右脳の勢いだけで作ったクラブのトラックみたいなものも好き
③そういうのって、「絶対に、ここにこんな濁ってる音を入れない」って思ったりするようなことをやっている
④それは、”カッコイイと思えない要素で組み上がっている”という感じ
⑤「ここに、こんな濁ってる音を入れる」っていうのは和音を知っているからこそできない
⑥そこは、要は、制限している部分だと思う。理論知っている人には思いつかないもの
⑦で、その逆もあると思う(すごい綺麗なコード和音とか濁らない音)
⑧僕は全部のそういう呪縛から解き放たれたい
*引用元=失念しました
キャッチーな音楽とポップな音楽は別の意味を持っていて
ポップス音楽というものの「ポップ」という部分は”結果論”であって、
商業音楽として普及した音楽であるからポップスと人々に呼ばれているのだ。
といった中田発言を曖昧に記憶しています。
ここで、増田准教授の言葉を思い出してください。
”娯楽的、体制順応的な側面がないと商業音楽として普及することはない”
”娯楽的”という部分は素直に納得できますが、
”体制順応的な側面”
という微妙な言い回しに、何かPerfumeファンとして少し引っかかりを感じます。
”わかりやすさ=体制順応的側面”
このように単純にPerfumeサウンドを感じ取っていたのであれば
私はPerfumeファンにはなっていなかったという気がするからです。
”Perfumeに反骨精神を感じる”
これは、単純に音楽面だけの傾向を指しているつもりはないのです。
重層的なPerfumeの魅力を順を追って感じ取って来た人には理解が出来る感覚だと思っています。
でも、言葉の読み取りかたによっては政治的な意味にもとれるでしょう。
”音楽が持つ政治性の本質的な働き”
私がコミットしているPerfumeサウンドは、”すでに安泰”なのでしょうか。
「わかる人にだけ分かればよいと言うには、あまりにも口惜しい」
宇多丸さんのPerfume評に含まれているニュアンスに”安泰”は含まれているのでしょうか。
ここまでの話しを、あなたはどんな風に感じたのでしょう。
私は、
「音楽や芸術を、自分と対象の関係の中だけで理解したい」
・・・そういう受容態度が支配的になっているのでしょうか。
でも、Perfumeが持つ”美しさ”から”政治性”を感じ取りたくはないのです。
そういうことです(どういうことだよっ)
*「Perfumeは美しい」
*「Perfumeと反骨精神」
*「Perfume幸福論」
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・・・「よくわかんなかったよっ」・・・とお思いのアナタ・・・・・
”言葉に出来ないもの”
・・・「そこは、わかる気がするっ」