3月9日に新宿駅東口で開かれたフェミブリッジ東京というイベントの中で歌われた「NG」というラップソングが一部で話題になっている。

 

♫男が産めるのうんこだけ!

 

というフレーズが、これはジェンダー平等を謳っているのに男性差別ではないのかという指摘だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

なかには「正真正銘のヘイトスピーチ」とまで言う人もいる。

 

さて、これはジェンダー平等を主張しているのか、それとも男性差別のヘイトスピーチなのか?

 

念のため歌詞全部を聴いてみる。

 

 

いちいち女の追い詰めるなよ!

いちいち女の追い詰めるなよ!

見た目で人の価値は決まらない!

見た目で人の価値は決まらない!

年齢で人の価値は決まらない!

年齢で人の価値は決まらない!

男のジャッジはいらねえんだよ!

男のジャッジはいらねえんだよ!

 

平等平等ジェンダー平等!

平等平等ジェンダー平等!

解体解体家父長制!
解体解体家父長制!


いちいち女を追い詰めるなよ!
産む産まないは私が決める!

男は黙れ!男は黙れ!
少子化対策全部的ハズレ!
少子化対策全部的ハズレ!
男が産めるのウンコだけ!
男が産めるのウンコだけ!

あらゆる選択尊重しよう!

あらゆる選択尊重しよう!

わがまま上等勝手に言ってろ!

わがまま上等勝手に言ってろ!

子どもは社会で育てよう!

子どもは社会で育てよう!

一人親家庭孤立させない!

一人親家庭孤立させない!

 

いちいち女の追い詰めるなよ!
いちいち女の追い詰めるなよ!
見た目で人の価値は決まらない!
見た目で人の価値は決まらない!
年齢で人の価値は決まらない!
年齢で人の価値は決まらない!
男のジャッジはいらねえんだよ!
男のジャッジはいらねえんだよ!
 

平等平等ジェンダー平等!
平等平等ジェンダー平等!
解体解体家父長制!
解体解体家父長制!

いちいち女を追い詰めるなよ!
産む産まないは私が決める!

男は黙れ!男は黙れ!

 

なかなかよく考えられた歌詞だと思う。

リズムとかメロディとか歌唱力とかは、なにしろ素人なので批評するようなものではない。

 

しかし、フェミニズムで争点になる「産む性」かどうか、「産むことは誰が決めるのか」などは明確に立場を述べている。

 

いちいち女を追い詰めるなよ!
産む産まないは私が決める!
男は黙れ!男は黙れ!

 

というところにそれは表れていると思う。

 

見た目のルッキズム批判とか、年齢のエイジズムなど今はやりの潮流にも触れている。

 

少子化対策が全部的外れなのかどうかは当たっているとは思えないが、家父長制を解体したいというのは、今の日本でわからないでもない。

 

産まないことに価値を置く思想でもない。

 

登場するのも観客も若い女性ではなく、トランスジェンタ-の人や老人が大半なのが残念だ。

 

で、男が産めるのうんこだけ!

というのは間違っています。

 

男はうんこを産出しているのはなく、排泄しているのです。

産んではいません。

 

でも、冗談だからまあNGではないでしょう。

 

そんなに目くじら立てることないんじゃないかと思う。

 

でも、♫男が産めるのうんこだけ! というフレーズだけを切り出して男性差別という方が間違っているのではないかと思う。

 

確かにこのフレーズの「男」を「クルド人」とか「アフガニスタン人」とかに変えると確かに民族差別だと思う。

 

また、「男」を「女」に変えて、「うんこ」を「子ども」に変えると、

 

♫女が産めるの子どもだけ

 

になって、戦時中の産めよ増やせよ、女は子どもを産む機械である的な差別表現になる。

 

でも、

 

♫男が産めるのうんこだけ 

 

だと明らかに冗談だし、

 

産む産まないは私(女)が決める!
男は黙れ!

 

ということを言い換えているのだとわかる。

 

ずっと昔、中ピ連というのがあった。

 

 

中絶禁止法に反対しピル解禁を要求する女性解放連合(ちゅうぜつきんしほうに はんたいし ピルかいきんを ようきゅうする じょせいかいほう れんごう)とは、1970年代前半に活動した日本のウーマンリブ団体である。中ピ連(ちゅうピれん)の略称で知られた。代表は元薬事評論家の榎美沙子。新左翼のものを模した、♀印のついたピンク色のヘルメットと過激な活動内容でマスメディアを賑わせたが、だんだんと活動が下火になって解散となった。

・・・

刊行物の初期の『ネオリブ』においては「性と生殖に関する権利」を女性が有する基本的人権ととらえる考え方が表明されており、中絶と女性の人権に関する論調は田中美津などが設立したリブ新宿センターなどとは大きく異なるものであった。『ネオリブ』においては「生む性」であることを拒む権利が強く訴えられていた一方、リブセンター系のグループの刊行物においては「生む権利」が強調されており、見解の大きな齟齬があった。

(wikiより)

 

当時は「産む性」と「産む権利」の対立もあったようだ。

 

あれからいろいろあり、LGBTQとかも入って、ジェンダー平等に男女のどちらが優位とかややこしくなった。

 

このイベントには、れいわ新選組、社民党、共産党の女性議員も参加して、♫男が産めるのうんこだけ!をコールしていたらしい。

それにも賛否あると思うが、まあそれにゴタゴタ言うのは、それこそミソジニー(女性に対する憎悪や嫌)なんじゃないかと思う。

黙って笑っていればいいんじゃないかな。