夫の父方の叔父夫婦には結婚以来とてもよくして戴いていました。
結婚した時には夫の両親はもう他界しておりましたので、息子の成長もずっと見守って下さった、ありがたい存在です。
叔父はだいぶ前に亡くなりました。
叔母は90歳を過ぎても、一人暮らしをしておりますので、極力顔を見に行ったり、電話をしています。
昨日の電話で初めて聞いた話がありました。
高齢ではありますが、二人とも元気に過ごしていたある日、叔父が突然
「お母さん(叔母の事)の事は僕がちゃんと守るから、安心していいよ」と言ったそうです。
それから、しばらくしたある日もまた同じことを言われたので、不思議な気がしていたところ、間もなく叔父が体調を崩してしまいました。
優しい叔父ではありますが、あの世代なので、妻にはそうそう「ありがとう」などは言わなかったようですが、介護の日々になると
「ごめんね、重いでしょう」「おかあさん、いつもありがとう」と叔母が
「そんな事、いちいちおっしゃらなくていいんですよ」と言うほど、繰り返していたそうです。
叔父の気持ちに沿って、最期は自宅で過ごし、集まった家族に見守られて旅立ちました。
私たちがお見舞いに伺い、叔父の手をさすりながらお声がけをした日の夜、叔父は静かに旅立ちました。
たくさん感謝の言葉をかけられ、その日が来るのを予感したかのような「ちゃんと守るから」のメッセージ。
星になって叔母を見守っているはずです。
そんなご夫婦もあるのですね。
言ってもらえるのは無理でも、自分が告げることはできるはずです。
今生ではそれを目指すしかないですね。