お菓子作りのショートニング | ~ 今日もいい天気 ~

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仏菓子職人&パティスリーインストラクターが
『美味しいものを正直に』お話するブログです。

おはようございます!

今日もいい天気ですね!晴れ

 

 

 

「ショートニング」

 

どの様な印象をお持ちでしょうか?ニコ

近年では「トランス脂肪酸」など取り上げられマーガリンとともに悪者にもなっているキライがありますが…。

このページでは

「お菓子作り」

にしぼってお話ししたいと思います。

ほっこり

 

 

 

製菓材料で大きな影響を持つのが油脂です。

特に焼き菓子において

バターは一般の方でも

〈風味〉と〈食感〉

に大きな影響を与えているイメージがあると思います。ウインク

 

 

生クリームのページでもお話ししましたが製菓材料としての油脂には動物性と植物性があります。

「ショートニング」

は植物性の油脂で工業的に作られます。ほっこり

 

工業的に作られるので

〈硬い〉〈軟らかい〉

〈液体〉〈フレーク状〉〈粉末〉

など形状も色々あります。キラキラ

融点・凝固点・可塑性※(かそせい)も様々です。

そんな事を踏まえながらお話しを聞いて聞いて頂けると嬉しいです。

ニコ「バター」のページ⇐よかったらどうぞ。

※〈可塑性〉〈ショートニング性〉のお話しもしましたのでよかったら読んでみて下さい。

ページの半分から下くらいの範囲です。

ほっこり「生クリーム」のお話しをしたページです

「ショートケーキ編」⇐よかったらどうぞ。

「生クリーム色々編」⇐よかったらどうぞ。

 

 

 

簡単ですが私が意識する

「ショートニング」

の特徴を幾つかあげてみたいと思います。ほっこり

・無味無臭

・クッキーやサブレが軽く仕上がる

・サクサク・ホロホロ食感

・安価

・作業性が良い(多機能)

・揚げ油に向いている

いかがでしょうか?

ネガティブな印象でしょうか?

 

1つずつお話ししてみます。

ウインク

 

〈無味無臭〉

 -良い事?悪い事?-

バターを使い乳風味をしっかりイメージした焼き菓子やバタークリームを仕込む時はもちろんバターを使った方が理想に近い物が出来ます。

ほっこり

では焼き菓子で別の素材の風味を前面に出したいイメージの時は?ニコ

レシピにもよりますがバターの風味が出過ぎると全体のバランスが悪くなり本来前面に出したい風味が上手く表現出来ない事もあります。ほっこり

仮にソコで香料などで風味を補うと

「ソレはーー・・・・?」

真顔あっはてなマーク

悪い事ではありませんがニュアンスは伝わったでしょうか?ウインク

 

 

少し繊細な風味のクッキーなどは

バターを抑えて

「ショートニング」を使うと結果的に優しい風味が自然に伝わったりもします。

「ショートニング」は無味無臭なので他の素材の邪魔をしないと言えます。ニコ

 

 

 

〈クッキーやサブレが軽く仕上がる〉

〈サクサク・ホロホロ食感〉

固形油脂は小麦粉と水分が混ざるときに出るグルテンの形成を抑えます。

結果として軽い食感が生まれ

〈サクサク・ホロホロ〉

などと表現されるクッキーが焼き上がります。クッキーのプレゼント

 

 

〈安価〉

 -安物は低品質?-

お菓子作りの基本材料の中で

バターは高価です。がま口財布あせる

その代用として

「製菓用マーガリン」バターに置き換えることもあると思いますが、風味を自分でアレンジしたい人はあえて

「ショートニング」を使うケースもあります。ほっこり

注意マーガリンショートニングは水分量に違いがあるので家庭でレシピをただ置き換えると少しおかしな事になります。ショック

ちなみに「マーガリン」はフランスで

バターの代用として作られた物でフランス

「ショートニング」はアメリカで

「ラード(豚脂)」の代用として作られた物です。アメリカ

「マーガリン」にはバターと同じ割合(約15%)水分が入っています。

「ショートニング」には水分は含まれていません。ほっこり

 

 

〈作業性が良い(多機能)〉

「ショートニング」

ケーキ用・パン用・パイ用・クリーム用etc

などその目的に合わせて作られていますので

バターに比べて扱いが簡単で作業性がとても良いです。

ほっこり

例えば

いわゆるポマード状の

「ショートニング」は作業温度帯が広く可塑性に優れ生地に馴染みやすく仕込みの失敗も少なくなります。ニコ

パイ用「ショートニング」

冷蔵庫でもカチカチにはならず

且つダレにくいので

慣れない人でも時間に余裕を持ってパイの折り込みが出来ます。時計

※パイ用のマーガリンもあります。

バターでパイ生地を折るときは途中生地を冷蔵庫に長く入れてしまうと

バター硬くなって薄く伸びず割れてしまい綺麗な層が出来ません。

注意よくある失敗ですが生地を叩いちゃダメです。

バターは割れ生地も切れます。

毎回浮きが違う不安定なパイ生地になります。

ウインク

 

〈揚げ油に向いている〉

揚げ油用の「ショートニング」はお菓子では

「ドーナツ」をなどを揚げる時に使われます。ピンクドーナツ

※ドーナツ油などとも言われます

常温で固まる「ショートニング」なのでベタつかず油がにじみません。ほっこり

食べたときの油感も少なくなります。

他に、お菓子ではありませんが

「カレーパン」「フライドポテト」

なども

「ショートニング」を使われるお店(ファストフード店)が多いです。

 

いかがでしょうか?ニコ

 

少し「ショートニング」の見方が変わった人もいるかなぁ?うーん

もちろんバターがとても重要だと思いますが、少なくとも使い方次第では

「ショートニング」は有効な製菓材料だと考えています。

ほっこり

「コストを抑えるために使う」

はちょっと違うと感じています。

さらに

「ショートニング」だから

低品質という考え方も・・・。

 

 

使用目的に合った

「ショートニング」

を選ぶ事が重要ですが家庭では

「ケーキ用」などとパッケージに書かれている物を選べば良いと思います。ニコ

 

 

 

 

スーパーのクッキーコーナー

パッケージの裏の原材料名を見ると

「ショートニング」

が配合されているクッキーやサブレが沢山あります。

クッキー くまクッキー クッキーのプレゼント 🍪

ご存じの方もいると思いますが、原材料名は配合量の多い順番に記載されていますので

「ショートニング」の位置がドコなのかを見ると何となくその意味も分かります。

「あーコレは軽い食感にしたいんだなぁ」

「コレはこの風味を出したいんだなぁ」

「コレはコストを考えて安く売りたいんだなぁ」

などなど

※更に

「香料に何を使っているか?」

とか見はじめると止まらなくなる”おじさん”お父さんはほとんど怪しい人です。

 

 

それでは皆さんバイバイ

愛ある一日を!

 

クッキードーナツクッキードーナツドーナツクッキードーナツクッキードーナツクッキードーナツクッキードーナツクッキードーナツクッキー食パン

 

このお菓子の油脂は「ショートニング」がメインなので

ココナッツの風味と食感を楽しんで欲しいお菓子なんだなぁ

脱脂粉乳で乳風味を足して味に奥行きを出しているんだなぁ

なんて考えます。やしの木

名称は【ビスケット】

商品名は【○○○サブレ】

コレは良いのか?

ちなみに日本では

含まれる油脂の割合で呼び名が変わります。日本

 

食パン参考までに食パンなどに

ショートニングなど固形油脂が使われているのは

パンをふっくらとさせる意味合いです。

コッペパンハード系パン(フランスパンなど)には

油脂は使われません。