おはようございます!
今日もいい天気ですね!
「パータフォンセ」
【pâte à foncer】
についてお話しします。
「練り込み生地のページ」からの続きです。⇐よかったら
「パートシュクレ【Pâte sucrée】」 ⇐ もよかったら
※このページは
「趣味のお菓子作りが楽しくなって少し理論的な事も知りたい人」
「製菓学校に通わずパティシエになった若い人」
向けにお話しします。
「パータフォンセ」
【pâte à foncer】
「甘くない練り込みパイ生地」
フランス料理・フランス菓子の多くの場面で使われる生地だと思います。
フランスのパティスリー(洋菓子店)ではお菓子以外に、惣菜も販売されているのですがキッシュやカナッペなど
「パータフォンセ」
を敷き込むメニューがたくさんあります。
フォンセ:仏語【foncer】は料理用語で
「型に生地を敷き込む」
「鍋の底に肉や野菜を敷く事」
動詞です
フランスのパティスリーでは
「フラン」【flan】
によく使われています。
私が働いていたパリのお店では
「パータフォンセ【pâte à foncer】」
を型に敷き込み空焼きせずそのまま熱い
「フランのクリーム」【La crème flan】
を流しやや高温のオーブンで焼いていました。
「フラン」のお話しをしたページがあります⇐よかったらどうぞ。
「パータフォンセ」
食感の特徴としては(多少配合にもよりますが)
〈サクサク軽く〉
甘い生地より崩れにくい感じだと思います。
※あえて少し生地を練り込み
「パリパリな食感」
にすることもあります。
使い方としては
「型に敷き込み空焼きしてからクリームやコンポートを詰めて仕上げる」
もしくは
「クリームやコンポートを詰めて更に焼き込む」
等に向いています。
🍎🍊
具体的には
空焼き後
「リンゴのコンポート、スライスをのせて焼き上げるタルト」
や
「空焼き後カスタードクリームを詰めフルーツを並べるタルト」
などにも使われます。
※もちろん使い方は自由ですが、そのままでは水分を吸いやすいので注意も必要です。
配合には水が入りますので小麦粉のグルテンが出やすく
〈練り過ぎないように仕込む〉
事がポイントになります。
練り過ぎてグルテンの粘りが強く出ると型に敷き込む作業も難しくなり、焼き縮みも大きくなります。
食感も軽さを失いガリガリ、ザラザラした感じになります。
バター風味は甘い生地(パートシュクレなど)よりも強く感じられます。
配合的にフランスの本など見ると油脂(バター)の割合が2倍くらい違うレシピもあり、使うお菓子(料理)によって使い分けています。
パータフォンセは甘くない生地ですが少量の砂糖が入ると色づきが良くなり味もお菓子に馴染みやすくなります。
※料理とお菓子で違う事が多いです。
塩の量もレシピによって大分違いますが、やはり目的によって使い分けています。
結構しょっぱいのもあります。
「パータフォンセ」
【pâte à foncer】
の仕込みには
サブラージュ【sablage】
(仏語:砂を撒く、砂状にする)
と言って
「両手のひらで小麦粉とバターをすり混ぜ、粉チーズのような状態にする」
作業が必要です。
あるフランス人はハエと言っていました。笑
このサブラージュが少々手間で
「パータフォンセ」
を仕込んでいないお店が日本ではわりとあります。
※「パータフォンセ」は日本ではもともとそれ程多くのお菓子に使われていない生地でもあります。
手を使ってサブラージュする代わりに
「良く冷やした一部の小麦粉」と
「キューブ状にカットしたバター」
をフードプロセッサーにかけて粉チーズ状にする方法などもありますがあまり家庭向けでは無い気がします。
わかっていないと止めるタイミングが・・・?
回し過ぎるとアウトです。
生地をひとまとめにした後は
フラゼ/フラッサージュ
【fraiser/fraisage】
という作業をします。
これはマーブル台(大理石)の上でカードやスケッパーを使い削るように練る作業の事です。
「練る」と言ってもグルテンを出す意味合いではなくこの作業によって生地を均一にして滑らかな状態にする為です。
左のページでは手で
右のページではスケッパーを使い
フラゼ/フラッサージュ【fraiser/fraisage】
しています。
何度も繰り返す作業ではなく一度だけです。
日本でこの作業をしているパティスリーでは少ないようです
基本的にはレシピに
「冷水」と
「冷たいバター」で仕込む。
と書かれていますが
「バターは柔らかい状態」
と書かれていたりするレシピもあります。
これは小麦粉に対しての水分量と油脂の割合によって向き不向きが多少変わってきますので、間違っている訳ではないと思いますがあまり一般的では無いと思います。
コックさんの方がよくやるかな?
🥬
生地の保存は冷蔵庫で4~5日間くらいです。
それ以上長く保存したい場合は乾燥しないようにラップしてタッパーやジップロックに入れ冷凍庫で保存すれば数週間は問題ありません。
※二重が良いです。
解凍は冷蔵庫か冬場なら室温でも大丈夫です。
作業は成形しやすい硬さの温度帯がありますので冷蔵庫から出して直ぐよりは少しの間常温で置いて指で押して少し凹むくらいが良いと思います。
次は
「パートサブレ」【Pâte sablée】
のお話しをしたいと思います。
「パートサブレ」のページ👈よかったら
それでは皆さん
愛ある一日を!
パータフォンセ【pâte à foncer】で仕込んだタルトです
これもパータフォンセ【pâte à foncer】で仕込んでいます
この上にシブーストクリームをのせてキャラメリゼして
タルトシブーストになります
「パータフォンセ【pâte à foncer】」
参考までに