おはようございます!
今日もいい天気ですね!
「カスタードクリーム」
お菓子作りの基本材料
から出来ています。

🌞
ご存じの方も多くなりましたが
「カスタードクリーム」
はフランス語で
「クレーム パティシエール」
【Crème pâtissière】
と言います。
直訳すると
「お菓子屋さん(菓子職人)のクリーム」
となります。
つまりパティシエにとって
(特に若いパティシエにとって)
”必要な4つの材料”の
扱い・特徴
を理解し
〈技術と知識〉
の
〈基礎・基本〉
を身に付けるためにもとっても重要なのです。
家庭でも
「カスタードクリーム」
を作った経験があると、他のお菓子作りで役立ちます。
レシピはたくさんあります。
しかし…一般向けに書かれているレシピを本屋さんやネットで紹介しているのを見ると、少し違和感を感じる事もあります。
※試しにネットで仏語でフランスのレシピを検索したら、わりと”おおらか”な動画とか出て来ました。
日本で”おおらか”な日本料理の動画が出てくるのと同じような感じだと思います。
基本の作り方は現在と30年くらい前とでは実は少し違う所があります。
それは食品衛生の面から新しい
〈材料〉や〈器具〉
の開発などにより変化した部分と
ソレらをより理論的に裏付けられた結果
”変化”(進化)した
と言えると思います。
食品ラップなどもそうです。
フランスのパティスリーでひとつ例を挙げると
「粉」
の部分です。
以前は
「小麦粉」
が使われていましたが、現在は
カスタードクリームの為に作られた
「専用の粉」を使う事を指導されています。
小麦粉に比べて衛生面で優れているため、仕込みの段階で雑菌が入るリスクを減らすことが出来ます。
※家庭ではコーンスターチやジャガイモデンプンなどを使う事が多いです。
以前の日本の洋菓子店では食感などの好みもあり
〈火の通し加減〉
や
〈混ぜ加減〉
には少し曖昧な所があったと思います。
※総じて「炊き加減」とも言います。
例えば
フランスでは1Lの牛乳で仕込む時は全部の材料が入って
「沸騰状態を1分以上」
かき混ぜながら持続させる様に指導しています。
1つは
「加熱による殺菌効果」
がありますがそれだけではありません。
デンプンを加熱し続ける事でデンプン粒に水分が入り膨張し、更に加熱を続けると摩擦でデンプン粒が壊れ混ぜるホイッパーの抵抗が軽くなります。
よく
「腰が切れた状態になるまで」
と表現されていたりしますが、この状態になったクリームは冷やした時に
「なめらかな舌触り」
になります。
そして以前は火を通し終わった(炊きあがった)
「カスタードクリーム」
には
「表面に薄くバターを塗って」
乾燥を防いでいましたが現在はもちろん
「食品ラップ」
をピタッと空気が入らないように貼り付けて、直ぐに冷却するように指導されます。
※日本でも専門学校などでは同じように教えています。
しかし一部ですが…
日本では日本人の
〈職人気質〉
が邪魔するのか・・・・
「以前からの作り方を変えたくない」
今まで大丈夫だった
「味や食感が変わるのが嫌だ」
お客さんが求めてる
と考えるベテランシェフは
「小麦粉」を使い
クリームが
「ブルッ」
となったら直ぐ火を止める作り方をしています。
※沸いたらすぐに火を止める感じ。
※日本では2000年位までは結構多くのベテランパティシエはこのやり方でした。
私が日本に帰っていた時(1997年)最初に働いた店がまだこの仕込み方で結構驚きました。
しかもこれが原因でちょっとした摩擦も起きました。笑
☆さん達、元気にしてるかなぁ。
「小麦粉」でもしっかり火を通せば衛生的にはクリア出来ますが、沸騰しただけでは問題が残ります。
※生菌数を減らすためには沸騰(一定温度以上)を一定時間続けないと効果が薄れます。
当時のベテランパティシエのやり方は心情的にはとっても理解できるのですが
”衛生面”をより向上させようと考えるとより安全な
「材料」「製造法」
にした方がいいと考えています。
※私個人はフランス製のカスタードクリーム用の粉と日本メーカーの製菓用の葛粉を混ぜて作っています。
「粉」に含まれているデンプンはどの植物からとっても同じではありません。
それぞれの植物
『小麦・ジャガイモ・トウモロコシ・タピオカなど』
によって
「デンプンの糊化温度」
「糊化デンプンの粘度」
が違います。
※詳しいデンプンの話はした方が良いのでしょうか?
どーしよ・・・
作った「カスタードクリーム」は菌がなるべく増えないようにバットなどに薄く広げ冷蔵庫ですぐ冷やします。
氷水に当てて冷やす場合もあります。
いずれにしても菌が増えやすい温度帯を短時間で過ぎるようにする必要があります。
家庭用冷蔵庫はおよそ2~4℃くらいに設定されていると思います。
この2~4℃という温度帯は
糊化したデンプンがもっとも
「老化」が進む温度帯でもあります。
※焼いたパンが時間が経つと段々硬くなるのもデンプンが
「老化」してくることが原因です。
冷めた後すぐの
「カスタードクリーム」
は粘りとトロミがあります。
なめらかでおいしい。
一日経った
「カスタードクリーム」
はトロミが落ちブルブルした弾力があります。
チョット硬い感じ。
これを好みの食感までホイッパーやゴムベラで混ぜて使うお店も多いと思います。
「カスターを戻す」なんて言い方をします。
更に時間が経つと表面がひび割れ離水してきます。
混ぜてもサラッとした感じになります。
もーだめなの・・・?
仮にそれぞれクリームを使い製品(シュークリームなど)にした場合、同じ配合でも大きく食感が変わります。
それはざんねん・・・
どのタイミングが美味しいと感じるかは好みですがパティスリーでは
「いつも同じタイミング」
で商品にする事が品質の安定につながるのでとっても大事だと思っています。
大事。
食品衛生の観点
で言えば出来上がった
「カスタードクリーム」
は直ぐに使い切る事がベストだと思います。
やっぱり安全第一です!
「カスタードクリーム」
は
「パティシエ」
にとって必要な
〈素材〉〈作業〉〈衛生管理〉
の知識を同時に身に付ける基本だからこそ、
【Crème pâtissière】
「クレーム パティシエール」
と呼ばれているのだと思います。
私は子供の頃(10才くらい)、母に教わって計量しないでカスタードクリームを作ってました。
ホントなの…
ナゼ出来ていたのか不思議でその当時の事を母に聞いたことがあります。
ナゼーナゼー
母も最初は計量していたそうですが面倒でいつの間にか計量しないで作るようになって、その適当なまま自分に教えたそうです。
テキトーだったのよ(笑)
ちなみに材料は
牛乳、砂糖、全卵、片栗粉でした。
それはおぼえてる。
それでは皆さん
愛ある一日を!
少し古いお菓子の本ですが、
「クリーム」
を説明しているページです。
卵を使ったクリーム
バターを使ったクリーム
ホイップクリーム
などや
タルトに流して焼くクリーム
チョコレートを使ったクリーム
扱いや保存方法など説明されています。
~おまけ~
以前はあまり聞かなかったのですが、最近では個人の洋菓子店でも出来合いの真空パックに入った
「カスタードクリーム」
を使っている店があります。
カスタードクリームの素の粉など
水や牛乳と混ぜるだけで出来上がってしまう粉もあります。
コスト(人件費含む)や作業性を考えるとしょうがない?とも言えます。
「カスタードクリーム」
は和菓子屋さんで言うところの
「あんこ」の部分だと思うので
やっぱり個性を大切にしたいと考えます。
親子で
『見て、読んで、作って、楽しめて、学べる』
食育に繋がる様な
絵本を出版したくて色々構想を練っています。
調理系の出版社ではなく
絵本の出版社の方が
もしこのブログを見て興味を持っていただけたら
嬉しいです。
~追記~2025/4
家庭向けで基本的な作りかたの動画です。