弁理士バッカスです。
弁理士も法律家のはしくれなので、感情をもちこまず、要件を満たしているかに基づいて、冷静に事例を判断します。
そして、法律に基づく判断には、必ずと言っていいほど、要件を満たしている事実を立証する証拠が求められます。
法律には、血も涙もなく、感情も必要ないのです。
ところが、これに疑問を感じることもあります。
たとえば、他人の発明を勝手に出願してしまう「冒認出願」というものがあり、これは拒絶や無効の理由になります。
ところが、これを立証するのは結構難しいことが多い。
「事情」を聞けば、明らかに冒認。
でも、冒認であることを立証できるほどの証拠がないことも多いのです。
こんなときは、腹立たしさを感じながらも、無効審判や裁判にもちこんでも勝ち目は低いと、冷たく言わざるをえなくなってしまうんです。
もちろん、相手に負い目があることは分かっているので、裁判にもちこまないまでも、駆け引きの材料として使ってなるべくお客様に有利な結果を得られるようにはしますが。
こういうことがあると、法律というのは、本当に情がないもので、必ずしも正しいものを守るものではないと感じます。
無実の罪をきせるわけにはいかないので、証拠を重視せざるをえないのも分かるのですがね。
そういう不条理さは分かりながらも法律家は法律に従って冷静に判断しなくてはならないので、「冷たい」って感じることも多いでしょうね。
でも、その不条理さを感じているから、それを解消しようと、弁護士会や弁理士会などが法改正を求めて働きかけたりしているのだと思ってください。