まず、ターミナルディスクレーマーとは、日本語でいうと、「終期の権利を放棄する」めいた意味であると理解しています(合ってるよね?)。実質的な権利期間の延長と考えられる場合、その延長にかかる終期(terminal)を放棄する(disclaim)、という感覚でしょうか。
さて、話は二重特許に戻りまして。発明者または所有者が共通する複数の特許または特許出願の間で競合するクレームが存在することを二重特許(double patenting)と呼びます。
○二重特許
二重特許は、一般に「同一発明型(same invention type)」と「非法定型(non-statutory type)」の2種類に分けられます。
(1)同一発明型(same invention type)
同一発明型二重特許による拒絶の根拠は特許法第101条で、「発明者は"a patent"を取得することができる」と規定されており、同一の発明に対しては単一の特許しか与えられないものと解釈されています。同一発明型二重特許による拒絶は、該当クレームの削除や補正によりクレームを明確に切り分けることで解消することができますが、ターミナルディスクレーマーによっては解消できません。
(2)非法定型(non-statutory type)
この非法定型二重特許による拒絶には特許法に根拠条文はなく、公的見地から判例に基づいて形成されたものです。第1の特許におけるクレームと特許的に区別できない(not patentably distinguishing)第2の特許のクレームを防ぐことで、特許期間の実質的な延長を妨げることが趣旨です。
この非法定型二重特許のほとんどは、一方の出願のクレームから自明な範囲にある他方の出願のクレームを排除するものであり、自明型(obviousness type)二重特許と呼ばれます。
非法定型二重特許による拒絶は、ターミナルディスクレーマーにより解消できます。ターミナルディスクレーマーは、特許権者が特許期間の一部を放棄する手続であり、一方の特許期間の終期を他方の特許期間の満了日と一致させることにより特許期間の実質的な延長を回避するものです。ターミナルディスクレーマーが提出された場合、それらの特許は分離して移転することができず、同一人により所有された状態でなければ権利行使できません。
○ターミナルディスクレーマーの要件
・出願人が同一かつ、発明者の一部が少なくとも同一であること
・第一の特許におけるクレームと第二の特許におけるクレームが特許的に区別できないと判断されたこと(non-statutory type double patentingの拒絶を受けていること)
・審査係属中に応答すること
↑上記の情報は、まだ調査中でして、不備がある可能性があります。誤りなどに気がつかれたら、「おう!間違ってるやないか!」とご指摘ください(とにかく他力本願ですみません)

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